ひきこもり

出典: Jinkawiki


ひきこもりとは

一般的には、さまざまな要因が重なって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態のことをさします。何らかの理由(生物学的要因、心理的要因、社会的要因など)がさまざまに絡み合って、周囲の環境に適応できにくくなった時「ひきこもり」という現象が現れるのです。

現代社会は、ストレス社会といわれ、人々は多くのストレスにさらされています。ストレスが大きすぎて自分の力ではどうにもできなくなった時、外からの刺激を遮断して自分の殻に閉じこもることにより、自分を守ろうとすることがあります。この状態を外から見ると「ひきこもり」になります。「ひきこもり」は、疲れきった状態の心にエネルギーを蓄えるために必要な休息期間だと考えられます。

一口に「ひきこもり」と言っても、近所への買い物は行ける人、ずっと家の中に閉じこもっている人など「ひきこもり」の状態は様々です。また、何らかの精神的な病気や発達の障害が影響して、ひきこもり状態になる場合もあります。


学生のひきこもり

大学生にもなれば、小中高で問題視されていたいじめは身をひそめます。これは自由度が高くなり、またとっているカリキュラムも個人で差が出るためで、サークルなども強制ではないですから、気に食わなかったり気が合わない人間とは付き合わずにスルーする事が可能だからです。またそれぞれの生活に忙しくなる事も理由のひとつですし、人間的に成熟するため、人を攻撃するような幼い行動は取らない群が大半になります。

しかしこの「自由度」が大学生のひきこもりを増やしている一因でもあります。小中高の狭い教室は、鬱屈や窮屈感を生み出すとともに、「人に関わらざるを得ない」状況を作り出していました。昨今の高校などでは選択科目もありますが、基本的にはクラスごとの移動であり学習です。良い悪いに関わらず、必然的にクラスメートとは毎日顔をあわせる事になります。また中学校では部活が強制の学校も多く、否応なく人とのかかわりが生まれます。

対して大学はその自由さの高さ故に、「関わらなくてもいい」という状況を生み出します。決して誰からも嫌われてはいないのに、人と触れ合う必要もないから、特に交流する事がない。話す必要もない。ペアを組む必要もない。攻撃はされず、積極的な無視がある訳ではないのですが、空気のような存在になってしまうのです。


明るく人に声を掛けられればと考えますが、内気な人ではそれはなかなか難しいものです。大学生活で孤立感を味わっているのなら、まずはそれを横に置いておいて、趣味の会合やサークル活動を探してみて下さい。はじめのうちは、あまり頻繁に開かれないところに通った方が精神的に楽でしょう。そこで少しずつコミュニケーションを学習していく事は、痛みや苦しみを伴うかも知れませんが、この状況を打破する為の大変有用な手段となってくれるでしょう。

ggst


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成