アイヒマン実験

出典: Jinkawiki

アイヒマン実験

エール大学のミルグラムらが行った実験。ミルグラム実験ともいう。合法的な権威に、一般人が他人に危害を与えるような命令をされたときに、彼らはどのような行動をとるのかを調査したもの。この実験の結果から、多くの人々は自分から進んで人殺しや殺傷といった危害を加えるような人間ではないと考えていたにも関わらず、そのような権威に命令されれば、「自分は命令されただけだ」という心理が働き、結果的に人殺しに近い殺傷を進んでやってしまうということが分かった。


概要 

本来の目的とは違う名目で集められた約80人の被験者に、二人ずつペアになってもらい、一方を教師役、もう一方を生徒役に振り分けた。二人は隣り合った別々の部屋に一人づつ入り、教師役が問題を出して、生徒役が答えるというものである。生徒が誤った答えを出したときには教師が電気ショックという罰を与えることになっており、間違えるごとに電圧をあげるように指示されている。最初のうちは、生徒はショックに対して教師が気づくような反応はないが、電圧が上がるごとに苦痛を訴え、絶叫に代わっていく。教師役の被験者はしばしば躊躇し、ミルグラムらにまだ続けるのかどうか助言を求めるが、勧告によって実験は継続された。 実は、この実験における生徒役の被験者は皆サクラであり、電気ショックが与えられていたわけではなく、すべて演技だったのである。真の実験対象者は教師役の被験者だけであった。 当初、この実験においては、最大電圧まで上げる者は少ないだろうと予想されていた。しかし、結果は40人のうちの25名が最大電圧の電気ショックを送った。 なぜ途中でやめなかったのかという質問に対し、最大電圧の電気ショックを与えた被験者は皆「命令を果たしただけだ」と言ったという。つまり、平凡な人でも、状況によって、自分が成し得るとも思わなかった残虐なことを簡単にやってしまうということが、この実験によって分かったのである。これをミルグラムは「悪の平凡さ」と言った。


参考文献

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/4263/220.html

スタンレー・ミルグラム著 「服従の心理」 河出書房


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