エフタースコーレ4

出典: Jinkawiki

目次

エフタ―スコーレとその歴史

エフタースコーレとは、14歳から18歳までを対象とした全寮制で学ぶ教育機関のことである。1851年、フュン島に最初のエフタースコーレである「リュスリンゲ・エフタースコーレ」がコルによって設立された。14歳から18歳までの若者であれば自由に入学ができ、入学試験や卒業試験も課さなかった。寮生活で1年にわたって教員と寝食をともにするという、対話と相互作用を重視した教育内容となっていた。人生において自己を見つめ、生き方を模索する思春期の時期であるからこそ、教員との深い対話と信頼関係が必要であるとコルは考えたのである。エフタースコーレは、歴史的文化的にデンマークのフォルケホイスコーレのジュニアスクールとみなされてきた。1879年には現存する最も古い「ガルトロプ・エフタースコーレ・エスタ」が設立されている。1930年、デンマーク議会でエフタースコーレが法律的に認められ、その後2000年まで8回にわたる改正を経て、現在のエフタースコーレに至っている。

エフタースコーレの教育

エフタースコーレは自治独立教育機関であり、個人と教育の成長を生徒と約束する。生徒は共同生活を通じて、一般教育と民主的市民への啓発教育を受ける。教員は生徒に対し、教育と学校時間外において監督責任がある。教員は起床から就寝までの責任義務を負う。これは、教員と生徒が個人的な親密な関係になることを確かなものとする重要な要素である。義務教育段階の8学年と9学年、10学年の生徒を対象とした1年間、全寮制で学ぶ学校である。基礎必修科目として、デンマーク語・英語・ドイツ語・数学・理科・歴史などを設置しており、義務教育の最終試験に対応できる学習を可能にしている。午前中に基礎科目の学習をし、午後はワークショップ形式でさまざまなことを学んでいく。

教育ヴィジョン

すべてエフタ―スコーレの教育ヴィジョンとして、グルントヴィの教育理念が掲げられている。各学校の共通点として朝の歌と物語の時間があるほか、さらには具体的ヴィジョンとして下記の内容が明記されている。
・学校生活の意味を知る教育
・全体としての人間を目指す教育
・言葉の重要性を伝える教育
・歴史的、詩的な教育
・相互作用のある教育

エフタ―スコーレの現状

デンマーク国内には現在260校以上のエフタ―スコーレがある。農村部を中心に、地方の町近くにまでまたがっている。生徒総数は28,500人で、各学校の生徒数は25人から500人までの規模となっており、その平均人数は100人となっている。最近の25年間は増加傾向にある。

参考文献

児玉珠美著(2016)『デンマークの教育を支える「声の文化」』新評論

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