カースト4

出典: Jinkawiki

== カースト・ヴァルナ インドに特有の社会制度で、人間はヴァルナという4つの基本の種姓に分けられる。4つの基本ヴァルナとは  バラモン:バラモン教の司祭階級。宗教的な支配者階級。

 クシャトリヤ:武士または貴族とされる、政治的、軍事的支配階級。
 ヴァイシャ:農耕牧畜、手工業に当たる生産者、庶民階級。以上三カーストが上位カースト。
 シュードラ:本来は隷属民とされた被支配者階級。下位カースト。

である。この4ヴァルナは、前1500年頃に始まるアーリヤ人がインドに移住する過程で、征服民が上位の3ヴァルナを構成し、先住民のドラヴィダ人が下位ヴァルナとなったことから始まったが、長い経過を経て、10~12世紀ごろに世襲の職業集団であるジャーティにわかれ、人々はそのいずれかに属し、通婚の禁止などの他、生活の細部にわたって規制が加えられていた。  このヴァルナ制とジャーティから成る身分制度は、インドに来たポルトガル人が血統を意味するポルトガル語の「カスト」から「カースト制度」と言ったことによってヨーロッパに知られ、一般化した。なお、カーストはあくまで「身分」であり、経済的・政治的階層関係と重なっていないことも多い。経済的には貧しいバラモンや、一方で豊かなシュードラも存在する。

目次

カーストの語源

「カースト」と言う言葉はインドの言葉ではなく、ポルトガル語のcasta(血統の意味)からきた。ポルトガル人が16世紀にインドに来るようになってから、インドの身分社会=ヴァルナ制をそのように名付けたことに始まる。日本ではそれを継承して「カースト」は4種姓(バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・シュードラ)を意味することが多いが、厳密にカーストに当たるものは職業的世襲制度としてのジャーティである。

カースト制度の成立

インドに固有のカースト制度という身分制度は、前1000年ごろ鉄器文明段階に入ったアーリヤ人がインダス川流域(パンジャーブ)から東方のガンジス川流域に移住し、先住民を征服する過程で肌の色が白く(いわゆるインド=ヨーロッパ語族)、肌の色の異なった被征服民を差別したところから始まったものと考えられている。征服と被征服の関係に加えて、原始的な遊牧社会から農耕社会に移行し、さらに生産力が向上して手工業や商業が発達して都市国家が形成されるとともに形成された経済的格差(貧富の差)の拡大と固定化などが背景と考えられる。宗教的には、アーリヤ人の宗教(バラモン教から後にヒンドゥー教に発展する)の世界観と深く結びついていることが重要である。

カースト集団

本来のインドの言葉ではジャーティ(「生まれ」や「家柄」の意味)という。カーストはポルトガル人が4種姓(ヴァルナ)をヨーロッパに伝えたときに用いた言葉であるが、やはり「血統」という意味があるので、現在では混用されており、インドでもジャーティをカースト、あるいはカースト集団等と言うようになっている。

 

カースト制の否定

前5世紀ごろの仏教やジャイナ教などカースト制を否定する宗教が生まれる。都市国家から統一国家の形成期になると、カースト的な社会は統一的支配の障害になる面があり、仏教が統一国家の理念として保護されるようになったが、民衆生活の中ではカースト制は生き続けた。

カースト制度の定着

 紀元後4世紀に成立したグプタ朝時代はヒンドゥー教が成立した時代であるが、まだ宮廷では仏教やジャイナ教も大きな力を持っていた。しかし、仏教とジャイナ教は貴族や商人など上層社会に信者が多く、民衆間には伝統的な村落の行事などと結びついたヒンドゥー教の影響が次第に強まり、それに伴ってカースト制度(厳密にはジャーティ制度)も社会に定着していった。

 


引用

http://www.y-history.net/appendix/wh0201-025.html カースト制度-世界史の窓


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