シュタイナー教育5
出典: Jinkawiki
ルドルフ・シュタイナー
1861年、オーストリアに生まれる。子どもの頃から文学や哲学に興味を持つ。後に工科大学に進み自然科学を学ぶが、ゲーテから強い影響を受け、哲学者・思想家となる。やがてアントポゾフィー(人智学)と呼ばれる思想を創始し、これが基となって生まれたのがシュタイナー教育である。ドイツでは、ヴァルドルフ教育学とも呼ばれている。
教育法
シュタイナーによると人間は、身体そのものを表す物質体、引力に逆らって成長や繁殖をつかさどる生命体、快・不快などの感情体、自我の4つの構成体で形作られている。シュタイナー教育では、これを前提にしている。また、シュタイナーの考えでは、人間は7年ごとに節目があるという。人間はこの節目ごとに課題を乗り越えながら、感情や意志を持ち、成長していく。具体的に、この教育法として以下の3つのことが挙げられる。まず、子どもは周囲の大人の模倣をし、吸収しながら育つということである。そのため、子どもの周りの大人も、常に子どもに見られているという意識をもって生活する必要がある。二つ目は静かで安心できる環境を作ることである。大きな音を立てると、子どもは興奮し、心が安らがない。子どもたちが安心して穏やかに生活することができるよう、身のまわりのものや身につけるものを淡く、やさしい色にしたり、自然素材のおもちゃを与えるなど、子どもの周りの環境を整えることが大切であるとされる。3つ目は、規則正しい生活リズムをつくることである。毎日の規則正しい生活リズムを繰り返す中で、子どもの心は安定し、集中力が高まって、落ち着いて集団行動ができるようになり、長期的に見て子どもの成長に大きな影響を与えるものである。以上のことから、周囲の環境や日常の生活が、子どもの成長に大きく影響するということがわかる。また、シュタイナーは、気質は人間が生まれながらに持っている個性と親からの遺伝との混合によって作られると考え、この気質を、胆汁質、憂鬱質、粘液質、多血質4つのタイプに分けた。そして、子どもはどれか一つの気質だけをもつのではなく、4つの気質を合わせもっているのであり、その時々の子どもの気質に合わせて、対応することが必要であるとした。
シュタイナー学校
シュタイナー学校はシュタイナー教育に基づいてつくられた教育機関である。クラスは8年間担任制をとっており、1年生から8年生まで、クラス替えがなく同一の担任が受けもつ。またこの学校には評価を下すためのテストが存在しない。通知表は存在するが、そこには数字による段階評価は一切なく、先生が書いた詩や、心のこもった言葉でのメッセージで構成されている。シュタイナー学校には、エポック授業と呼ばれる授業がある。これは、毎朝約2時間行われる。ブロック制をとっており、集中して一つの科目を学ぶ。例えば、算数を4週間、エポック授業として行い、その後国語を4週間集中して学ぶといったような具合である。この授業では、音楽や体を動かすオイリュトミーでウォームアップをすることから始まり、新しい概念の学び、それについての練習、芸術活動、ストーリーを聞くなど、多彩な内容を取り入れている。そうすることにより、子供達が頭で理解するのではなく、心で感じとりながら、深い体験を通して学ぶことができる。また、シュタイナー学校では教科書は使わず、エポック授業で学んだことをもとに、生徒自身が自分の教科書を作り上げる。
参考 http://info.e-waldorf.com/index.php?FrontPage http://allabout.co.jp/gm/gc/184257/2/