デジタル教科書

出典: Jinkawiki

・なぜ教育でデジタル化が進むのか

 長きにわたり社会、文化、経済が発展する源は「人」である。そのため教育の水準を高め、機会を拡げるための社会投資が求められている。決め手は教育の情報化である。世界中とつながって、文字、音声、映像、データを駆使して知識を得て、考え、創作し、表現する手段が手に入るようになったため、高度な論理力や思考力を養うだけでなく、創造力や表現力、コミュニケーション力を育むには情報技術の活用が不可欠になってきた。また、デジタル化の進展により、どこに住んでいても、豊富な知識に接することができ、地球上の人たちと交流することができるようになったのである。


・日本のデジタル化の現状

 日本のデジタル化はほかの国に比べ遅れている。2008年9月のメディア教育開発センター資料によれば、日本の学校におけるコンピュータ1台当たりの児童生徒数は7.3人であるが、米国では3.8人、韓国では5.7人、英国では初等学校で5.2人となっている。また、校内LANの整備率、高速インターネット接続率も他の先進国に比べて遅れをとっている。  しかし、ここにきて情報技術は改めて大きく展開し始めた。パソコンやタブレットPCを使った授業が増えるとともに、スマートフォン、携帯ゲーム機、さらには電子ブックなど学習ツールとして期待できるデバイスが登場している。例えば、2013年2月、荒川区が全小中学校に1人1台のタブレットPCの配布を決めるなど、教育現場でタブレットPCを使用するシーンが増えようとしているのである。しかし、実施された学校の教師のすべてがタブレットPCに詳しいわけではないため、当初は不具合が多く起ったようである。現在はその不具合も消化されノウハウが蓄積されてきている。


・デジタル教科書について

 デジタル教科書は先生が電子黒板などに掲示して指導する「指導者用デジタル教科書」と生徒が各自の情報端末で学習する「学習者用デジタル教科書」の2種類に分けられる。指導者用デジタル教科書については、実証研究を経るなどして教科書会社が各社すでに発売している。一方、学習者用デジタル教科書は子供たちが学習に用いるのにどんなものが適切かを検証するため文部科学省が委託し、教科書会社が製作している段階だ。

 使用方法としては、タブレットに子どもがデジタル教科書で手書きやペンで入力して解いた答えを電子黒板に転送して表示する。子ども同士の発表に利用したり、別の子どもの回答を参考にすることで子ども同士の学び合いが行われるだろう。個別学習の場合も、例えばタブレットに立体図形を表示し、自らそれを回転させて確認するなど、紙の教科書では難しかったことを行い、子どもの理解を深めている。


・デジタル化の目標

 文部科学省は「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催し、総合的な推進方策を検討することにした。また、総務大臣は「デジタル教科書を全ての小中学校全生徒に配備(2015年)」という目標を発表している。ここでいう「デジタル教科書・教材」とは、教科書や教材といったコンテンツやアプリケーションだけでなく、それを使う端末、機材やソフトウェア環境、ネットワーク・システムなどを含む「デジタル技術による総合的な教育・学習環境」を言うものと解釈することができる。


参考文献 http://ditt.jp/about/promotion.html http://www.hummingheads.co.jp/reports/feature/1304/130408_03.html

投稿者 S.Y


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