バングラデシュ
出典: Jinkawiki
バングラデシュ
正式名称:バングラデシュ人民共和国
面積:14万3998万K㎡(北海道の約2倍)
人口:1億2925万人(日本と同じくらい 2001年時点)
住民:ベンガル人(98%)
宗教:イスラム教(ムスリムと呼ばれる 85%)
言語、公用語:ベンガル語
バングラデシュはインド亜大陸の東側に位置する水と緑の国である。バングラデシュの1人当たりの国内総生産は370ドル(1999年)と低く発展途上の部類に属し最貧国の一つと言われている。
悩まされる洪水
ガンガー(ガンジス川)、ブラフマプトラ、メグナといった大河の形成するデルタ地帯に広がる国土は、低地と沖積作用によって雨期にその大部分が水没する。このバングラデシュにはその3つの大河からヒマラヤ山脈の雪解け水、亜熱帯気候特有の多量のモンスーンや、サイクロンなどの大量の水が流れる。特に強力なサイクロンでは20万人を超える死者が出ることもあり、国土の半分以上が水没、多い時で75%の国土が水没した事もある。その結果、多くの作物や家が流されてしまい、餓死者が増え、貧困が進む。このような洪水はバングラデシュの生活の営みを悩ませている。一方で川が運んでくる肥沃な土壌は農産物の豊かな産出を与え、収穫時には「黄金のベンガル」とかつて呼ばれていたほど、栄養を運んでくれる。
過密な人口と食糧問題
バングラデシュの人口は約1憶2000万人。これは世界でも人口密度の高い地域となっている。そうなると、問題は食糧。バングラデシュでは肥沃な土地や、ベンガル湾の恵まれた水産資源を利用し、農産業(特に米などの穀物)や水産業が発達。また全人口の4分の3が農村に暮らしている程、農業従事者が多い。にも関わらず、貧困や飢餓が発生するのは、大量に生産されても人口の多いため国内でほとんどが消費されてしまうか、人口が多すぎるため、食糧が足りなくなっているからである。また、大型のサイクロンが発生すると農作物は流れてしまうため、収穫のできない状態に陥る。
貧困の理由
バングラデシュが日本をはじめ、多くの援助やNPOが活動しているにも関わらず、途上国となっている理由の一つが、この自然環境にあると言える。特に日本はバングラデシュへ、政府開発援助(ODA)の巨額の寄与をし、最大の援助国となっている。にも関わらず貧困の状態が続いているのは、多すぎる人口、それについて行かない食糧生産、大雨・洪水による農作物や生活への被害が発展を妨げていると言える。
<参考文献>
「世界の地理 南アジア」 1995・5 田辺裕 朝倉書店
「バングラデシュを知るための60章」 2003・8 編集 大橋正明