拉致問題

出典: Jinkawiki

 1970年頃から80年頃にかけて、北朝鮮による日本人拉致が多発し、それによって拉致問題が発生した。現在、17名が日本政府によって拉致被害者として認定されている。

 拉致を行った目的は明らかになっていないが、次のようなことが考えられる。北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦後も、韓国を社会主義化して朝鮮半島を統一しようとしてきた。しかし、当時、韓国人をよそおって北朝鮮から韓国にスパイを送り込むことは難しかったので、日本人をよそおって韓国にスパイを送り込むという方法が考えられた。そこで、日本人を北朝鮮に連れ去った上で、北朝鮮のスパイをその日本人になりすまさせたり、その日本人を北朝鮮のスパイに日本の習慣や日本語を教える先生にしたりしようとして、日本人を拉致したという説がある。

 北朝鮮は平成14年9月17日、平壌で行われた日朝首脳会談で、北朝鮮側は長年否定していた日本人の拉致を初めて認め、謝罪し、再発の防止を約束した。同年10月に5人の被害者が帰国した。しかし、残りの安否不明の方々については、平成16年5月22日の第2回日朝首脳会談において、北朝鮮側より、直ちに真相究明のための徹底した調査を再開する旨の明言があったにもかかわらず、長い間、北朝鮮より納得のいく説明がなされないままだった。 その後、平成20年6月の日朝実務者協議において、北朝鮮側より拉致問題の再調査を行う旨の表明があり、同年8月の協議において調査目的及び具体的態様につき合意された。 これにより、北朝鮮側が拉致問題の解決に向けた具体的行動、すなわち生存者を発見し帰国させるための拉致被害者に関する全面的な調査を行うこととなったが、現在まで、北朝鮮側はこの合意を履行していない。

 北朝鮮による主張には問題点が多いため、日本政府はそれらを受け入れることをしていない。以下が問題点である。 ①被害者の死亡を証明する客観的な証拠が、まったく示されていない。 ②「死亡」とされた被害者は、20代~30代の若さでガス中毒、交通事故、心臓麻痺、自殺で死んだとされており、死因が不自然である。 ③入境していないとされた被害者は、捜査の結果、いずれも北朝鮮の関与が明らかであるが、北朝鮮が消息をまったく知らないという説明。 ④北朝鮮は、拉致の責任者を処罰したとしているが、その証拠は部分的で、拉致の責任者が処罰されたとは認めがたい。

 日本政府は、「拉致問題は我が国の国家主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、その解決なくしては北朝鮮との国交正常化はあり得ない」との方針の下、北朝鮮側より納得のいく説明や証拠の提示がない以上、安否不明の拉致被害者が全て生存しているとの前提に立ち、北朝鮮側に対し、全ての被害者の安全確保及び即時帰国、真相究明並びに拉致実行犯の引渡しを強く要求している。

参考:[1] 投稿者:NY725


  人間科学大事典

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