新しい人権

出典: Jinkawiki

複雑で多様化した現代社会では、情報化社会の形成や公害・環境問題の深刻化など、憲法を制定するときには予想ができなかったようなことや問題が生じている。そこで、現在ではそれらに対応した新しい権利の保証が認められるようになった。知る権利、プライバシーの権利、環境権がその代表例である。これらは、「新しい人権」と呼ばれ、憲法への根拠付けや法制度の整備が行われている。

目次

知る権利

国民が主権者として政治に参加するためには、さまざまな情報が必要である。そこで、情報を受け取る権利として「知る権利」が主張されるようになった。そして、多くの地方公共団体では情報公開制度が設けられ、国レベルでも情報公開法が制定され、行政の保有する情報を開示することとされた。情報公開の制度は、国や地方の行政を公正にするためにも役立つ。

知る権利は、報道の自由と結びついる。国内のさまざまな出来事を、新聞やテレビなどを通じて手に入れる。新聞やテレビの報道は、自分たちの知る権利にとって重要である。

プライバシーの権利

新聞やテレビの報道が、個人の知られたくない秘密をあばくことがある。また、個人の情報が、本人の知らない間に勝手に利用される恐れも増大している。そこで、個人の私的な生活を他人の干渉から守るプライバシーの権利が主張された。さらに、国や地方公共団体や民間の情報管理者が個人情報を慎重に管理することを目的として、個人情報保護法が制定された。


環境権

人類の生活にとって、きれいな空気や水、住みやすい環境は欠かせない。しかし、高度経済成長が進む中で、水俣病をはじめとする公害が深刻化した。そこで、良好な環境を求める権利として環境権が提唱された。現在では、開発にあたって事前に環境への影響を調査する環境アセスメント(環境影響評価)が義務付けられている。更に、地球温暖化やオゾン層破壊など、地球規模での環境の維持が問題になっており、そのための国際協力が目指されている。

自己決定権

個人が自分の生き方や生活のしかたについて自由に決定する権利は、自己決定権と呼ばれる。例えば、医療に関しては、治療を受ける患者の自己決定権のために、インフォームド・コンセント(十分な説明にもとづく同意)が重要になっている。また、尊厳死・安楽死のように、尊厳ある死の選択と決定においても自己決定権の主張がなされている。

参考文献

新しい人権 http://homepage1.canvas.ne.jp/minamihideyo/note-atarasiijinken.htm

日本国憲法の基礎知識 http://kenpou-jp.norio-de.com/atarasii-jinken/


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