森の幼稚園 5

出典: Jinkawiki

森の幼稚園


 1950年代半ばにデンマークで生まれた森の幼稚園は、毎日森で保育を行う幼稚園である。森の幼稚園に通う子どもたちと先生は、よほどの悪天候や寒波でない限りほとんどの時間を森で過ごす。およそ、3歳から6歳までの約20名の園児が在籍し、だいたい朝の9時半頃から午後1時半くらいまでの間、森の中でみんなで遊んだり、ランチを食べたりして過ごす。

教育理念


 森の幼稚園の大きな教育理念の1つに、子どもたちの自主性を最大限に重んじているということが挙げられる。子どもたちは幼稚園の中だけではなく、森の中においても、創意工夫の遊びを考え出す。多少の危険が伴う遊びを、子どもたちが実行しようとしていても、先生たちは遠くから見守っているだけで極力手を出さない。先生たちが、「これは危ないよ」と教えるのではなく、子供たちが自ら学んでいく教育システムである。 柵のない森で子どもたちを遊ばせるため、先生はより神経を使う。子どもたち15人に対して先生の数は3人程度であり、そのうち1人は必ず全体に目を配り、子どもが遠くへ行かないよう注意しなければならない。グループが見えなくなるほど遠くへ行かないのが「大切な約束」であり、たいていの子どもはその規則を守る。また、棒を振り回すような危険な遊びも禁止であり、それを被った子どもには何かしらの罰が与えられる。

「森」そのものが遊び道具


 森に備え付けの遊具はないため、子どもたちは木の棒や草・土・枯葉などを使って思い思いに遊ぶ。想像力さえあれば、森にあるすべてが遊び道具である。そういう自由な遊びを知らない子どもは初めのうち戸惑うが、慣れるまでさほど時間はかからない。先生による絵本の読み聞かせ、輪になってのお遊戯のほか、小さなナイフを使って木を削って遊ぶこともある。

森の幼稚園の特徴


 通常の幼稚園に通う子どもたちに比べて、森の幼稚園の子どもたちは、「表現力が豊か」「コミュニケーション能力が高い」「体が丈夫」「情緒が安定している」といった特徴を持つ。反面、文字や数字に触れる機会が少ないので小学校に上がると遅れをとるが、その差は数カ月で埋め合わせができるという。就学年齢に達した段階での多少の学力差より、長い人生の基礎となる幼児期を豊かな自然で過ごすことを保護者は重要視している。保護者は、子どもを自分で送り迎えしなければならないため、まずそれだけの時間的余裕が必要になる。また環境意識の高い保護者が多く、職種としてはエンジニア、教師、医師、自営業者などの割合が普通の幼稚園より高い。あまり貧しい家庭はなく、中流以上が多くを占めている。

参考HP ・http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0805/27/news016.html

(投稿者:EX)


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