虐待
出典: Jinkawiki
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概要
虐待には、相手に暴力を加えたりセックスを強要するなどの身体的虐待と、暴言を浴びせたり無視をするなどの精神的虐待とがある。一般的には、幼児・児童虐待や夫婦間での虐待、さらには老人虐待など家庭内での虐待が問題とされる。近年わが国でも虐待への関心が高まり、対応法が検討されている。
虐待行為の分類
①身体的虐待
児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
②精神的虐待
言葉による暴力、恫喝、無視や拒否、自尊心を踏みにじることなどが挙げられる虐待行為。
③ネグレクト(養育放棄・無視)
遺棄、衣食住や清潔さについての健康状態を損なう放置(栄養不良、極端な不潔、怠慢ないし拒否による病気の発生、学校へ行かせない、など)をいう。
④金銭的虐待
対象に金銭を使わせない、あるいは勝手に使う虐待行為。
⑤性的虐待
児童にわいせつな行為をすること又は児童を通してわいせつな行為をさせること。
虐待はなぜ起こる??
そもそもこの問題を考える際、「母親、女性には母性があるのではないか。」「わが子に手をかけるなんて頭がどうかしている。」などの親という存在、母という存在は子供を間違いなく大切にするものだといった観念を前提にしてしまうことが多いようだ。しかし、実際母性本能といった観念はジェンダーであり、社会的に作り上げられたものである。親だから女性だから子供を育てることができるだろうというのは間違いであるし、現在の日本は子育てをするのが困難になっているのだ。どのように困難になっているのかというと、簡単にいえば子育ての負担が母親のみにかかり続けていることである。昔の日本においては、祖父母が一緒に住むような大家族の世帯であったり、地域のつながりが強く、近所同士で助け合いをしながら生活をしていたので、子育ては、さまざまな人たちと協力しながら行っていた。祖父母に子供を預けて休むこともできたし、しつけも近所の人が子供を叱ってくれたりした。しかし、今はどうだろう。人とのつながりが希薄化していく中で、子育ては困難となり、母親は相当なストレスを感じるようになっているらしい。 悩みとしては以下の3つがあげられる。
①子どもとの関係…子どもの行動が気にいらない。自分の子の発達が遅れているのではないかと心配になる。
②生活上の様々なストレス…夫婦の不和。近隣とのトラブル。経済的不安定。
③社会的孤立…話せる友人、子どもの世話を頼める人がいない。
このように、人間関係の希薄化が原因で他の子供たちがどういう発達にあるのかわからなくなり、発達が遅れているのではないかと心配になったり、生活上のトラブルがあっても、それを相談できる友人や協力を求められる人がいないのが今の現状なのである。これではストレスがたまって当然といえば当然だし、この原因が積み重なっていけば虐待が起こるのも頷ける。
虐待は、孤独になった(母)親が、行き場をなくして行ってしまうものなのだろう。
虐待の防止策
虐待を防ぐためには、前述にもしたとおり一人で子育てをしないということである。一生懸命一人で抱え込んでいるのに、子供が下手なことをすると責められるのは、母親だけ。責任を全部背負わないといけないのはあまりにもしんどいことだ。孤独で頑張っているのに、責めされ、ストレスをため、いつしか子供にあたってしまう。子育ては一人でできるものではない。この孤独・重い責任→ストレス→虐待の悪循環を断ち切り、虐待を解決するためには、周囲の理解と適切な協力が絶対に必要だ。家族や、知人、親戚、みんなが一緒になり、将来を担う子供たちを育てていくべきだ。 この方法が何よりも、母親の負担を軽くし、ストレスを軽減させ、虐待を防ぐ手段となるだろう。
参考文献・URL
中島義明 安藤清志 子安増生 坂野雄二 繁桝算男 立花政夫 箱田裕司 『心理学辞典』 2007 有斐閣
『虐待とは?』 http://www.apca.jp/gyakutai.htm