重松清
出典: Jinkawiki
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概説
日本の作家。二人の息子の父でもある。
略歴
岡山県久米郡久米町(現・津山市)の生まれ。中学、高校時代は山口県で過ごす。山口県立山口高等学校、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。
角川書店の編集者として勤務(みうらじゅんなどの担当をしていた)、後にフリーライターとして独立する。ドラマ・映画のノベライズ、雑誌記者、ゴーストライターなどなんでも手がけた(その当時の名は田村章で、北野武監督の『キッズ・リターン』や『あしたいのちはもっと輝く!』などの小説版を執筆した)。ほかに岡田幸四郎など20以上のペンネームを持ち、その中には女性名・外国人名も含まれるという。岡田有希子が自殺の4日前に出版したフォト&エッセイ集『ヴィーナス誕生』も、文章部分は(聞き書きによって)重松が代筆している。
学校での子供のいじめや不登校、家庭崩壊と子供など、現代の社会問題・教育問題・家庭問題の中で、小説で取り上げられることの少なかった子供のいじめ問題をルポルタージュばりの鋭い切り口で取り上げてから、一躍注目を浴びるようになる。
『ファイナルファンタジーシリーズ』で有名な坂口博信が手がけるXbox 360用のゲームソフト『ロストオデッセイ』においてサブシナリオを担当する。
2007年度の第74回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲(めぐりあい)の作詞を担当した。作曲は高嶋みどり。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員
・受賞歴・ 1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞を受賞。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。
『定年ゴジラ』、『カカシの夏休み』が直木賞に候補として上がる。
『ビタミンF』で直木賞2000年下半期に受賞。同作品は、NHKでドラマ化された。
2010年、『十字架』で吉川英治文学賞受賞。
逸話
少年の頃から吃音症(どもり)であり、カ行の発音がうまくなかった。そのため、話すときにはカ行から始まる言葉をできるだけ避けていた。清という自分の名前についても、発音するのに苦労していたようである。なお、吃音は大人になってからは大分改善されたようである。これらは、吃音症の少年を主人公にした『きよしこ』の中で明らかになっている。
矢沢永吉の熱心なファンで、『成りあがり』をまねて夜行列車でわざわざフォークギターを持って上京したが、東京に着いたらラッシュアワーで死ぬかと思ったという。矢沢永吉や吉田拓郎は、「地方に住む僕たちに『上京の物語』を与えてくれた」と話している。
作品
-小説
・一般小説
1990年代 ビフォア・ラン(1991年8月 ベストセラーズ / 1998年10月 幻冬舎文庫)
私が嫌いな私(1992年8月 太田出版)
四十回のまばたき(1993年11月 角川書店 / 2000年8月 幻冬舎文庫)
バック・ビート(田村章名義、1994年 扶桑社)
見張り塔からずっと(1995年1月 角川書店 / 1999年9月 新潮文庫)
舞姫通信(1995年9月 新潮社 / 1999年4月 新潮文庫)
幼子われらに生まれ(1996年7月 角川書店 / 1999年8月 幻冬舎文庫)
ナイフ(1997年11月 新潮社 / 2000年7月 新潮文庫)
定年ゴジラ(1998年3月 講談社 / 2001年2月 講談社文庫)
エイジ(1999年2月 朝日新聞出版 / 2001年8月 朝日文庫 / 2004年7月 新潮文庫)
日曜日の夕刊(1999年11月 毎日新聞社)
半パン・デイズ(1999年11月 講談社 / 2002年11月 講談社文庫)
2000年代 カカシの夏休み(2000年5月 文藝春秋 / 2003年5月 文春文庫)
ビタミンF(2000年8月 新潮社 / 2003年7月 新潮文庫)
さつき断景(2000年11月 祥伝社 / 2004年2月 祥伝社文庫) 【改題】星に願いを さつき断景(2008年12月 新潮文庫)
リビング(2000年12月 中央公論新社 / 2003年10月 中公文庫)
隣人(2001年2月 講談社) 【改題】世紀末の隣人(2003年12月 講談社文庫)
口笛吹いて(2001年4月 文藝春秋 / 2004年3月 文春文庫)
かっぽん屋(2002年6月 角川文庫)
流星ワゴン(2002年2月 講談社 / 2005年2月 講談社文庫)
熱球(2002年3月 徳間書店 / 2004年12月 徳間文庫 / 2007年12月 新潮文庫)
小さき者へ(2002年10月 毎日新聞社 / 2006年7月 新潮文庫)
きよしこ(2002年11月 新潮社 / 2005年7月 新潮文庫)
トワイライト(2002年12月 文藝春秋 / 2005年12月 文春文庫)
疾走(2003年8月 角川書店 / 2005年5月 角川文庫)
哀愁的東京(2003年8月 光文社 / 2006年12月 角川文庫)
お父さんエラい!単身赴任二十人の仲間たち(2003年9月 講談社) 【改題】ニッポンの単身赴任(2005年10月 講談社文庫)
送り火(2003年11月 文藝春秋 / 2007年1月 文春文庫)
ニッポンの課長(2004年1月 日経BP社 / 2006年1月 講談社文庫)
卒業(2004年2月 新潮社 / 2006年12月 新潮文庫)
いとしのヒナゴン(2004年10月 文藝春秋 / 2007年9月 文春文庫)
その日のまえに(2005年8月 文藝春秋 / 2008年9月 文春文庫)
きみの友だち(2005年10月 新潮社 / 2008年7月 新潮文庫)
娘に語るお父さんの歴史(2006年2月 ちくまプリマー新書)
小学五年生(2007年3月 文藝春秋 / 2009年12月 文春文庫)
カシオペアの丘で(2007年5月 講談社 上下巻 / 2010年4月 講談社文庫【上・下】)
くちぶえ番長(2007年7月 新潮文庫)
青い鳥(2007年7月 新潮社 / 2010年6月 新潮文庫)
永遠を旅する者(2007年11月 講談社 / 2010年10月 講談社文庫) - Xbox 360のゲーム「ロストオデッセイ」の中のサブシナリオをまとめた作品
ブランケット・キャッツ(2008年2月 朝日新聞出版社 / 2011年2月 朝日文庫)
季節風シリーズ (詳細は「季節風 (小説)」を参照)
1.ツバメ記念日 季節風・春(2008年3月 文藝春秋 / 2010年12月 文春文庫)
2.僕たちのミシシッピ・リバー 季節風・夏(2008年6月 文藝春秋 / 2011年7月 文春文庫)
3.少しだけ欠けた月 季節風・秋(2008年9月 文藝春秋 / 2011年8月 文春文庫)
4.サンタ・エクスプレス 季節風・冬(2008年12月 文藝春秋 / 2010年11月 文春文庫)
ブルーベリー(2008年4月 光文社) 【改題】鉄のライオン(2011年4月 光文社文庫)
気をつけ、礼。(2008年8月 新潮社) 【改題】せんせい。(2011年7月 新潮文庫)
みぞれ(2008年7月 角川文庫)
とんび(2008年10月 角川書店 / 2011年10月 角川文庫)
希望ヶ丘の人びと(2009年1月 小学館 / 2011年5月 小学館文庫)
ステップ(2009年3月 中央公論新社 / 2012年3月 中公文庫)
かあちゃん(2009年5月 講談社 / 2012年4月 講談社文庫)
あの歌がきこえる(2009年7月 新潮文庫)
青春夜明け前(2009年8月 講談社文庫)
再会(2009年10月 新潮社) 【改題】ロング・ロング・アゴー(2012年7月 新潮文庫)
十字架(2009年12月 講談社)
2010年代 きみ去りしのち(2010年2月 文藝春秋)
あすなろ三三七拍子(2010年3月 毎日新聞社)
ポニーテール(2011年7月 新潮社)
峠うどん物語(2011年8-9月 講談社【上・下】)
希望の地図 3.11から始まる物語(2012年3月 幻冬舎)
-R-18小説
愛妻日記(2003年12月 講談社 / 2007年4月 講談社文庫)
なぎさの媚薬シリーズ
1.敦夫の青春・研介の青春(2004年7月 小学館) 海の見えるホテル(2007年12月 小学館文庫)、追憶の課外授業(2008年2月 小学館文庫)
2.哲也の青春・圭の青春(2005年7月 小学館) 彼女を憐れむ歌(2008年4月 小学館文庫)、ねえさんの浴衣(2008年6月 小学館文庫)
3.霧の中のエリカ(2006年12月 小学館) 霧の中のエリカ(2008年8月 小学館文庫)、天使の階段(2008年10月 小学館文庫)
4.きみが最後に出会ったひとは(2007年6月 小学館) ラスト・スマイル(2008年12月 小学館文庫)、なぎさ昇天(2009年2月 小学館文庫)
-児童小説 さすらい猫ノアの伝説シリーズ - 絵・杉田比呂美
1.さすらい猫 ノアの伝説(2010年8月 講談社) 【改題】勇気リンリン!の巻(2011年10月 講談社青い鳥文庫)
2.転校生は黒猫がお好きの巻(2012年7月 講談社青い鳥文庫)
-アンソロジー
「」内が重松清の作品
Vintage '06(2006年6月 講談社)「ひとしずく」
極上掌篇小説(2006年10月 角川書店)「それでいい」
重松清 はじめての文学(2007年7月 文藝春秋)- 自選アンソロジー
きみが見つける物語 友情編(2008年8月 角川文庫)「交差点」
あなたに、大切な香りの記憶はありますか?(2008年10月 文藝春秋 / 2011年10月 文春文庫)「コーヒーもう一杯」
卒業ホームラン―自選短編集男子編(2011年9月 新潮文庫)- 自選アンソロジー
まゆみのマーチ―自選短編集女子編(2011年9月 新潮文庫)- 自選アンソロジー
-その他
セカンド・ライン【エッセイ】(2001年11月 朝日新聞出版) 【改題】明日があるさ(2005年4月 朝日文庫)
走って、負けて、愛されて。ハルウララ物語【ドキュメント】(2004年1月 平凡社)
みんなのなやみ【人生相談】(2004年 理論社 / 2009年11月・12月 新潮文庫 / 2011年7月 イースト・プレス)
スポーツを「読む」 記憶に残るノンフィクション文章讀本(2004年11月 集英社新書)
うちのパパが言うことには【エッセイ】(2005年4月 毎日新聞社 / 2008年5月 角川文庫)
娘に語るお父さんの歴史(2006年2月 筑摩書房)
夢・続投! マスターズ甲子園【ルポ】(2007年3月 朝日新聞出版)
オヤジの細道【エッセイ】(2008年1月 講談社文庫)
加油(ジャアヨウ)…! 五輪の街から(2008年10月 朝日新書)
黒い報告書(2008年11月 新潮文庫)
星をつくった男 阿久悠と、その時代【ノンフィクション】(2009年9月 講談社)
おじいちゃんの大切な一日【絵本】(2011年5月 幻冬舎)- 絵・はまのゆか
みんなのなやみ2【人生相談】(2011年12月)