難民問題12
出典: Jinkawiki
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難民とは
天災・戦禍などによって、やむをえず住んでいる地を離れた人々や、人種・宗教・政治的意見の相違などによる迫害を避け、国外に逃れた人々のことである。
難民の歴史
難民問題が国際社会の問題として取りあげられるようになったのは、第一次世界大戦後、ロシア革命やトルコ帝国崩壊によって大量の難民が発生して以降である。第二次世界大戦後には、より大量かつ広範な地域で難民が発生し、国際社会は国連を中心に難民問題に取り組んだ。まず、中東のパレスチナ難民の救済を目的とした国連パレスチナ難民救済事業機関が設立され、翌年には、国連難民高等弁務官事務所を設立した。そして、より深刻化した難民問題に国際協力によって対処するために、「難民の地位に関する条約」が作成した。しかし、この条約は、1951年1月1日以降に発生した難民には適用されないという問題を抱えており、1967年、条約を補足する「難民の地位に関する議定書」が採択された。
難民と日本
世界から見て、日本は難民受け入れの設定基準が厳しすぎるといわれている。2011年以降、63人のシリア人が難民認定を申請しているが、認められたのはたった3人だけである。難民受け入れの代わりに、シリア、イラクの難民と国内避難民向けに約8.1億ドル(約969億円)を支援しているが、イギリスのガーディアンは、「日本は昨年(2014年)、1億8160万ドルを国連の難民対策部門に支出し、アメリカに次いで2番目に多いが、シリアや他の難民受け入れは、その経済規模に見合っていない。日本で難民資格を申請している60人のシリア人のうち、認められたのは3人であり、約30人は人道上の理由で長期滞在が認められているだけだ」と指摘した。 しかし、日本にもかつて難民を積極的に受け入れてきた時期がある。1978年から、受け入れが終了した2005年末まで、インドシナ難民総数144万人中11,319人を受け入れてきた。そして、定住促進センターをつくり、日本語教育や職業紹介・職業訓練をしてきた。
今後の日本
現状では、難民受け入れが少なすぎるとの批判がある一方、治安の悪化など問題視する声も強い。また、日本に来る難民は出稼ぎで来る場合が多い。審査期間は長く、一連の審査に要する期間は平均約3年、難民認定される人だと、その倍ほどの時間がかかっている。結果を待つ間に日本で結婚し、母国の家族を呼び、定住化してしまうケースも多い。また、外国人労働者をどのように定義するかも必要である。少子高齢化が進む中で、どのような移民を受け入れるのか、受け入れないのか明確にすべきである。ただ最大の問題は、難民を受け入れるべきかという議論が進んでいないことだ。少子高齢化の現状を考えれば、多少の難民受け入れは避けられないと思うが、世界中で労働人口は不足しており、各国が難民政策を重視している。その意味でも、早めに着手しないと能力の高い人材を日本に呼ぶことは難しい。
参考文献
根本かおる 難民鎖国日本のゆくえ 日本で生きる難民と支える人々の姿を追って 墓田桂 イスラム圏の動揺、EUの苦悩、日本の課題 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol70/ https://kotobank.jp/word/難民-108992
K.M