風力発電2
出典: Jinkawiki
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風力発電とは・風車の構造
風力によって発電機を回して発電する方法である。空気の移動という運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。日本で使われている風車の95%以上が、3枚羽根のプロペラ型水平軸風車である。世界の風力発電においても、この型の風車が標準となっている。プロペラ型の風車は、基礎、タワー、ナセル、風車ローターの4つの部位から構成されている。基礎は風車の土台となる部分、思いナセルやブレードの荷重を支え、強風や地震、自身の振動に耐えられるように強固につくられる。その上に建てられる架台部がタワー。高い出力を得るためには大きなブレードが必要となるため、新しい風車ほどタワーが高くなる傾向がある。ブレード、ブレードが取り付けられるハブ、ハブの回転を伝えるシャフトなど、風を受けて回転する部分が風車ローター、ローターの回転する力を電気に変える動力伝達装置や発電機などが積み込まれた部分がナセルである。
風車の種類
風車は回転軸が地面に対して水平な「水平軸風車」と、地面に垂直な「垂直軸風車」に分けることができる。同時に飛行機の羽のように風の「揚力」を利用して回転するタイプと、受けた風の「効力」を利用して回転するタイプに分類することができる。
- 水平軸風車
風力発電用の3枚羽根の風車や、オランダなどで見られる4枚羽根の風車が、典型的な水平軸風車である。風力発電用の風車は、プロペラ型という名で知られているもので、3枚羽根が一般的だが、1枚、2枚のものも存在している。このタイプの風車の羽は、その形状から一般的にブレードと呼ばれ、風の揚力を受けて回転する。羽根の密度が高いものが多翼型風車。帆船のように張られた帆に風を受けて回転するのがセルウィング型風車である。
- 垂直軸風車
典型的な垂直軸風車は、昔ながらの風速計や、屋根の上で風見鶏とセットになっている「半分に切ったピンポン玉のような丸い羽根に風を受けて回るタイプ」の風車だ。この形状の風車の羽は「パドル」と呼ばれていることから、パドル型風車という名称がつけられている。風の抗力で回転する。放射線形状の細い数枚の羽が風を受けて回転するのがダリウス型風車。角度をつけて設置された平らな板状の羽根で風を受けるのがジャイロミル型風車である。円筒を縦にわったかたちの羽根を使うのがサボ二ウス型とクロスフロー型風車だ。
風車の歴史
風車利用の歴史は、5500年ほど前までさかのぼることができる。古代のバビロニアやエジプトにおいても、土地の灌漑などに風車が使われた記録が残っている。イスラム圏を経由してヨーロッパや中国に広まった風車は、明治時代になって、ユーラシアの端の日本にも伝えられた。江戸時代の幕が開いたころは風車が利用された事実はないが、明治時代になってからその姿が見られるようになった。産業革命が始まるまで、風車は粉を挽いたり、灌漑地から水を排出するための動力源として活用された。ところが、蒸気機関が発明されると利用される機会は激減し、さらに電気を使った機械や設備が世界中に浸透すると、風車がみられる場所は一部地域に限定されるようになった。しかし、20世紀に風力発電が本格的にスタートしたことで、風車はまた、世界のどこでも見られる存在に返り咲いたのである。
風力発電のメリット・デメリット
- メリット
1.尽きることがないエネルギーである。 2.二酸化炭素の排出量が極めて少ない。 3.燃料などを輸入する必要のない、純国産のエネルギー。 4.建設工期がかなり短い:通常3~4か月 5.ランニングコストが安い 6.新たな産業や雇用を生み出せる可能性がある。
- デメリット
1.風の条件や景観の問題などから、設置できる適地が限られている。 2.発電は文字どおり風任せ。需要に合わせた発電は不可能。 3.一定の出力での発電は期待できない。 4.単独の風車では発電量が小さい。 5.周囲に対して、騒音や電波障害を生じることがある。 6.バードストライクが起こる。 7.低周波振動により、近隣住民に頭痛、不眠などの被害。 8.景観が変わってしまったり、近隣住民が圧迫感を感じることがある。 9.落雷や強風で故障したり、破損することがある。
参考文献
- 細川 博昭 (2012) 『知っておきたい自然エネルギーの基礎知識』ソフトバンク クリエイティブ
- みるみるわかるEnergy https://www.sbenergy.jp/study/illust/wind/
(2019/1/14参照)
(2019/1/14参照)
R.M