ロールシャッハ
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== 概要 == | == 概要 == | ||
- | スイスの精神科医で, ロールシャッハ・テストを創案した。チューリッヒ大学において ブロイラーのもとで学位を取り, S. フロイトや ユングの 精神分析について教育を受ける。彼が初めてインクブロットを用いて研究を行ったのは1911年で,学校の教師をしていた友人の協力を得て児童や患者を対象にテストを施行し | + | スイスの精神科医でロールシャッハ・テストを創案した。チューリッヒ大学において学位を取りS. フロイトやユングの精神分析について学んでいる。ロールシャッハが初めてインクブロットを用いて研究を行ったのは1911年で,学校の教師をしていた友人の協力を得て児童や患者を対象にテストを施行した。そこで,児童の才能とテストでの創造力の関係について検討している。この研究は一時中断されその間反射幻覚などの感覚領域の研究や宗教心理学,社会学などについての研究を行った。ロールシャッハが再びインクブロットの研究に乗り出したのは1921年のことでインクブロット・テストがパーソナリティの分析や精神病理の解明に有効であることを示し,ロールシャッハ・テストを作った。 |
- | た。そこで,児童の才能とテストでの創造力の相関について検討している。しかし,この研究は一時中断され,その間反射幻覚などの感覚領域の研究や,宗教心理学,社会学などについての研究が行われた。彼が再びインクブロットの研究に乗り出したのは1921年のことで,『精神診断学』を出版し,インクブロット・テストが パーソナリティの分析や精神病理の解明に有効であることを示し,ここにロールシャッハ・テストが誕生した。 | + | |
== ロールシャッハ・テスト == | == ロールシャッハ・テスト == | ||
- | ロールシャッハによって考案された 投影法人格検査。初めはインクブロット・テストとよばれていたように,検査刺激は,左右対称のインクのシミで,無彩色,赤と黒の2色,複数の色彩を用いたものがある。被験者はそれぞれのカードについて何に見えるかを口頭で述べる。その後,検査者はどのような刺激,特徴がそのように見えさせたのかについて質疑を行う。そして,反応内容,決定因,形態水準などの量的分析,および言語表現上の特徴を分析することにより,被験者のもともとの性格や,思考様式,感情状態,対人関係,自己認知といった パーソナリティ構造を捉えることができる。ロールシャッハ・テストについてはその整理法,解釈法はさまざまあり,膨大な研究が積み重ねられてきた。おもな研究者としては,ベック(Beck, S. J.)やクロッパー(Klopfer, B.),ラパポートとシェイファ(Rapaport, D. & Schafer, R.),ヘルツ(Hertz, M. R.),ピオトロフスキー(Piotrowski, Z.),エクスナーらがいる。このなかでエクスナー(Exner, J. E.1993)による包括システムは比較的最近のもので,解釈仮説の背景にノーマル・データの蓄積による客観的データの裏づけをもっており,また感情,思考,認知,対人関係など各クラスターごとに分析を行う クラスター分析という手法を取り入れている。現在では世界中で行われており,最も信憑性の高い方法であるとされる。近年,わが国でも盛んに行われるようになってきており,今後の研究が期待されている。 | + | ロールシャッハによって考案された投影法人格検査。検査刺激は,左右対称のインクのシミであり無彩色,赤と黒の2色,複数の色彩を用いたものがある。被験者はそれぞれのカードについて何に見えるかを口頭で述べる。その後検査者はどのような刺激,特徴がそのように見えさせたのかについて質疑を行う。そして反応内容,決定因,形態水準などの量的分析,および言語表現上の特徴を分析することによって,被験者のもともとの性格,思考様式,感情状態,対人関係,自己認知等のパーソナリティ構造を捉えることができる。ロールシャッハ・テストについてはその整理法・解釈法はさまざまあり膨大な研究が積み重ねられてきた。 |
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概要
スイスの精神科医でロールシャッハ・テストを創案した。チューリッヒ大学において学位を取りS. フロイトやユングの精神分析について学んでいる。ロールシャッハが初めてインクブロットを用いて研究を行ったのは1911年で,学校の教師をしていた友人の協力を得て児童や患者を対象にテストを施行した。そこで,児童の才能とテストでの創造力の関係について検討している。この研究は一時中断されその間反射幻覚などの感覚領域の研究や宗教心理学,社会学などについての研究を行った。ロールシャッハが再びインクブロットの研究に乗り出したのは1921年のことでインクブロット・テストがパーソナリティの分析や精神病理の解明に有効であることを示し,ロールシャッハ・テストを作った。
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ロールシャッハ・テスト
ロールシャッハによって考案された投影法人格検査。検査刺激は,左右対称のインクのシミであり無彩色,赤と黒の2色,複数の色彩を用いたものがある。被験者はそれぞれのカードについて何に見えるかを口頭で述べる。その後検査者はどのような刺激,特徴がそのように見えさせたのかについて質疑を行う。そして反応内容,決定因,形態水準などの量的分析,および言語表現上の特徴を分析することによって,被験者のもともとの性格,思考様式,感情状態,対人関係,自己認知等のパーソナリティ構造を捉えることができる。ロールシャッハ・テストについてはその整理法・解釈法はさまざまあり膨大な研究が積み重ねられてきた。