海綿状血管腫

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2010年8月4日 (水) 17:08の版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

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== 診断 == == 診断 ==
-<nowiki> 以上のような臨床症状と経過を専門医が注意深く診察すれば、その段階でおおよその診断は可能です。しかしながら海綿状血管腫が体の中でどのような位置(筋肉や重要な血管との位置関係)にあるのかなどの情報を得るために更に画像検査が大切です。通常CT,MRIなどとともに血管造影検査が施行されます。これは海綿状血管腫に出入りしている血管を同定したり、血管腫そのものをはっきりと確認するために重要な検査です。場合によってはこの時に出入りしている血管に詰め物をして血管腫自身をしぼませてしまう治療法もあります。これを塞栓療法といいます。また療法単独では腫瘍を小さくできなかったとしてもその後で血管腫の摘出手術を行う場合には手術中の出血を少なくしてくれる利点があります。+<nowiki> 以上のような臨床症状と経過を専門医が注意深く診察すれば、その段階でおおよその診断は可能です。しかしながら海綿状血管腫が体の中でどのような位置(筋肉や重要な血管との位置関係)にあるのかなどの情報を得るために更に画像検査が大切です。通常CT,MRIなどとともに血管造影検査が施行されます。これは海綿状血管腫に出入りしている血管を同定したり、血管腫そのものをはっきりと確認するために重要な検査です。場合によってはこの時に出入りしている血管に詰め物をして血管腫自身をしぼませてしまう治療法もあります。これを塞栓療法といいます。また療法単独では腫瘍を小さくできなかったとしてもその後で血管腫の摘出手術を行う場合には手術中の出血を少なくしてくれる利点があります。またこの他に血管腫の血管の中に特別なお薬を注入して血管を固めてしまう硬化療法を行っている施設もあります。
- またこの他に血管腫の血管の中に特別なお薬を注入して血管を固めてしまう硬化療法を行っている施設もあります。+
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== 治療 == == 治療 ==
-<nowiki> 残念ながら現時点では海綿状血管腫に放射線やレーザーは無効です。海綿状血管腫に合併している他のタイプの血管種に対しては有効なことがありますが基本的には効かないと考えられています。+<nowiki> 残念ながら現時点では海綿状血管腫に放射線やレーザーは無効です。海綿状血管腫に合併している他のタイプの血管種に対しては有効なことがありますが基本的には効かないと考えられています。塞栓療法や硬化療法が無効なときは最終的に手術で摘出することになりますが、手術は出血を制御することが重要なためあらかじめ十分な画像診断を受けられることは勧められています。
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- 塞栓療法や硬化療法が無効なときは最終的に手術で摘出することになりますが、手術は出血を制御することが重要なためあらかじめ十分な画像診断を受けられることは勧められています。+
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== 参考・引用 == == 参考・引用 ==
-<nowiki>社団法人 整形外科学会 http://www.jsprs.or.jp/index.html+<nowiki>社団法人 整形外科学会  http://www.jsprs.or.jp/index.html</nowiki>
 +<nowiki>『医学大辞典』 医学書院</nowiki>
- +<nowiki>『医学大辞典』 南山堂</nowiki>
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 血管腫の一つです。といってもいわゆる「腫瘍(できもの)」ではなく「血管の奇形」と考えられています。子供のころに気がつかれるのが殆どですが、ずっと後になってから明らかになってくるものもあります。普通は皮膚が少し盛り上がり、押すと軟らかく中に血液を含んでいるので「ぷくぷく」とした感じがあります。似たような病気として「動静脈瘻」というのがあり、時として合併していることがあるのですが、「動静脈瘻」は触ると拍動を触れるので海綿状血管腫とは区別することができます。また皮膚の表面のほうは他の毛細血管が拡張するタイプの血管腫が合併していることもあります。このようなタイプは「イチゴ状血管腫」と鑑別することが難しいことがあります。「イチゴ状血管腫」は成長の過程で小さくなることがあるのに対して、海綿状血管腫は小さくなることはありません。


目次

血管腫

 血管を構成する組織の著明な増殖からなる腫瘍で、先天的な過剰形成または血管拡張が主な病変です。赤色、赤紫色の扁平な斑、または腫瘍で、臨床形態はさまざまです。皮膚のみならず他臓器に同様な病変を伴う場合や母斑症または症候群の部分症状として見られることがあります。好発部位は頭頸部ですが、体幹、四肢にもみられることがある。良性腫瘍ですが、非常に大きくなることもあり、また発生部位によっては予後の悪い場合もあります。増殖血管の性状により毛細血管の増殖する毛細血管腫、静脈壁構造が増殖血管に認められる静脈壁血管腫、壁が薄く拡張が著明な血管の増殖する海綿状血管腫に分けられます。


診断

 以上のような臨床症状と経過を専門医が注意深く診察すれば、その段階でおおよその診断は可能です。しかしながら海綿状血管腫が体の中でどのような位置(筋肉や重要な血管との位置関係)にあるのかなどの情報を得るために更に画像検査が大切です。通常CT,MRIなどとともに血管造影検査が施行されます。これは海綿状血管腫に出入りしている血管を同定したり、血管腫そのものをはっきりと確認するために重要な検査です。場合によってはこの時に出入りしている血管に詰め物をして血管腫自身をしぼませてしまう治療法もあります。これを塞栓療法といいます。また療法単独では腫瘍を小さくできなかったとしてもその後で血管腫の摘出手術を行う場合には手術中の出血を少なくしてくれる利点があります。またこの他に血管腫の血管の中に特別なお薬を注入して血管を固めてしまう硬化療法を行っている施設もあります。


治療

 残念ながら現時点では海綿状血管腫に放射線やレーザーは無効です。海綿状血管腫に合併している他のタイプの血管種に対しては有効なことがありますが基本的には効かないと考えられています。塞栓療法や硬化療法が無効なときは最終的に手術で摘出することになりますが、手術は出血を制御することが重要なためあらかじめ十分な画像診断を受けられることは勧められています。


参考・引用

社団法人 整形外科学会  http://www.jsprs.or.jp/index.html

『医学大辞典』 医学書院

『医学大辞典』 南山堂


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