テロリズム
出典: Jinkawiki
2010年8月7日 (土) 13:14の版 Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録) (→テロリズムの動機・背景・目的) ← 前の差分へ |
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- | + | テロリズムは、暴力を行使して政敵を恫喝し、あるいは粛清することによって、自らの政治的主張を通す行為。または、そのような暴力的手段を容認する思想。「テロ」と略される。今日では、様態が多様化・複雑化し、各国での政治的な背景や事情が異なるため、国際法上による定義は無い。テロリズムの型は2つあり、国家自体が政治的目的を遂行するために敵対国に対して行うものは「国家テロリズム」、国際線のハイジャックや同時多発テロのような2カ国以上の市民や地域の絡んだものは「国際テロリズム」といわれている。1970年代から90年代にかけては、爆弾や拳銃、機関銃を使ったテロが主流だったが、近年では、コンピュータを使って政府や企業に不正に入り込みデータを破壊するというような「サイバーテロ」や、「核(Nuclear)」、「生物(Baiological)」、「化学(Cheminal)」の物質を用いた大量破壊兵器による「NBCテロ」、自爆テロがある。 | |
== テロリズムの語源 == | == テロリズムの語源 == | ||
テロリズムという言葉が最初に使われたのは1795年で、フランス革命が関わっている。テロリズムという言葉は「terror」と「-ism」に分解することができ、「terror」は「恐怖で打ちのめす」という意味、「-ism」は「システム」という意味がある。terrorの語源はラテン語の「terreo」で、「脅かして追い払う、脅かしてやめさせる」の意味がある。 | テロリズムという言葉が最初に使われたのは1795年で、フランス革命が関わっている。テロリズムという言葉は「terror」と「-ism」に分解することができ、「terror」は「恐怖で打ちのめす」という意味、「-ism」は「システム」という意味がある。terrorの語源はラテン語の「terreo」で、「脅かして追い払う、脅かしてやめさせる」の意味がある。 | ||
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== テロリズムの動機・背景・目的 == | == テロリズムの動機・背景・目的 == | ||
テロリズムは、テロリスト(民衆の一部)が政府や侵略者の支配・弾圧などによって絶望的な状態に陥った時、このままでは生き延びることが出来ないという不安・恐怖を抱きながらも信念を変えず、その状況から脱却しようとする決意をもつことが動機になる。一部の人々を絶望的な状態に陥れる強制が背景となる。その強制から脱却するためには現存の法や慣習、常識の範囲内の方法は無力なので、タブーとされている法や慣習、常識を破るような方法を用いる。独立、支配者を追い出し現政権を打倒すること、政府が強制する政策をやめさせることが、テロリズムの目的となる。秘匿性、残虐性、継続性、民衆にまぎれるなどの性質を持ち、人々の心を操作し、価値観を転覆するという意義がある。 | テロリズムは、テロリスト(民衆の一部)が政府や侵略者の支配・弾圧などによって絶望的な状態に陥った時、このままでは生き延びることが出来ないという不安・恐怖を抱きながらも信念を変えず、その状況から脱却しようとする決意をもつことが動機になる。一部の人々を絶望的な状態に陥れる強制が背景となる。その強制から脱却するためには現存の法や慣習、常識の範囲内の方法は無力なので、タブーとされている法や慣習、常識を破るような方法を用いる。独立、支配者を追い出し現政権を打倒すること、政府が強制する政策をやめさせることが、テロリズムの目的となる。秘匿性、残虐性、継続性、民衆にまぎれるなどの性質を持ち、人々の心を操作し、価値観を転覆するという意義がある。 | ||
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- | イスラエル反英テロ(1945~1948)では、英国のユダヤ人拒否が動機となり、英国人を追い出して独立する目的を持って爆弾テロやさ | ||
== 正規戦・ゲリラ戦・テロリズム == | == 正規戦・ゲリラ戦・テロリズム == | ||
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'''ゲリラ戦とテロリズムの違い'''・・・ゲリラ戦では土地の占領や住民の支配など、補給・補充の拠点を確保する必要があるのに対し、テロリズムはそれを絶対条件としない。また、ゲリラ戦では物理的強力行為を用いるという点でも違う。 | '''ゲリラ戦とテロリズムの違い'''・・・ゲリラ戦では土地の占領や住民の支配など、補給・補充の拠点を確保する必要があるのに対し、テロリズムはそれを絶対条件としない。また、ゲリラ戦では物理的強力行為を用いるという点でも違う。 | ||
'''犯罪とテロリズム'''・・・テロリズムの動機はテロリスト自身の信念を持続出来なくなることに対する恐怖であり、政府を追い出したり政策をやめさせるために「脅し」などの精神的なダメージを与える。一方犯罪は、犯罪者自身の私欲が動機であり、私欲利益獲得のために暴力を用いる。 | '''犯罪とテロリズム'''・・・テロリズムの動機はテロリスト自身の信念を持続出来なくなることに対する恐怖であり、政府を追い出したり政策をやめさせるために「脅し」などの精神的なダメージを与える。一方犯罪は、犯罪者自身の私欲が動機であり、私欲利益獲得のために暴力を用いる。 | ||
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+ | 参考文献 | ||
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+ | 佐渡龍己(著) 『テロリズムとは何か』 文藝春秋 | ||
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+ | http://www.daito.ac.jp/~uriu/thesis/2001/souyama.htm | ||
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+ | http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php | ||
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最新版
テロリズムは、暴力を行使して政敵を恫喝し、あるいは粛清することによって、自らの政治的主張を通す行為。または、そのような暴力的手段を容認する思想。「テロ」と略される。今日では、様態が多様化・複雑化し、各国での政治的な背景や事情が異なるため、国際法上による定義は無い。テロリズムの型は2つあり、国家自体が政治的目的を遂行するために敵対国に対して行うものは「国家テロリズム」、国際線のハイジャックや同時多発テロのような2カ国以上の市民や地域の絡んだものは「国際テロリズム」といわれている。1970年代から90年代にかけては、爆弾や拳銃、機関銃を使ったテロが主流だったが、近年では、コンピュータを使って政府や企業に不正に入り込みデータを破壊するというような「サイバーテロ」や、「核(Nuclear)」、「生物(Baiological)」、「化学(Cheminal)」の物質を用いた大量破壊兵器による「NBCテロ」、自爆テロがある。
テロリズムの語源
テロリズムという言葉が最初に使われたのは1795年で、フランス革命が関わっている。テロリズムという言葉は「terror」と「-ism」に分解することができ、「terror」は「恐怖で打ちのめす」という意味、「-ism」は「システム」という意味がある。terrorの語源はラテン語の「terreo」で、「脅かして追い払う、脅かしてやめさせる」の意味がある。
テロリズムの動機・背景・目的
テロリズムは、テロリスト(民衆の一部)が政府や侵略者の支配・弾圧などによって絶望的な状態に陥った時、このままでは生き延びることが出来ないという不安・恐怖を抱きながらも信念を変えず、その状況から脱却しようとする決意をもつことが動機になる。一部の人々を絶望的な状態に陥れる強制が背景となる。その強制から脱却するためには現存の法や慣習、常識の範囲内の方法は無力なので、タブーとされている法や慣習、常識を破るような方法を用いる。独立、支配者を追い出し現政権を打倒すること、政府が強制する政策をやめさせることが、テロリズムの目的となる。秘匿性、残虐性、継続性、民衆にまぎれるなどの性質を持ち、人々の心を操作し、価値観を転覆するという意義がある。
正規戦・ゲリラ戦・テロリズム
正規戦とテロリズムの違い・・・正規戦では陣形を用い、決まった指揮系統を持つ。交戦という物質的強力行為を用いる。テロリズムでは陣形を用いず、恐怖という精神的強力行為を手段として、直接民衆などの強力な力を利用して意志を強要する。 ゲリラ戦とテロリズムの違い・・・ゲリラ戦では土地の占領や住民の支配など、補給・補充の拠点を確保する必要があるのに対し、テロリズムはそれを絶対条件としない。また、ゲリラ戦では物理的強力行為を用いるという点でも違う。 犯罪とテロリズム・・・テロリズムの動機はテロリスト自身の信念を持続出来なくなることに対する恐怖であり、政府を追い出したり政策をやめさせるために「脅し」などの精神的なダメージを与える。一方犯罪は、犯罪者自身の私欲が動機であり、私欲利益獲得のために暴力を用いる。
参考文献
佐渡龍己(著) 『テロリズムとは何か』 文藝春秋
http://www.daito.ac.jp/~uriu/thesis/2001/souyama.htm
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php
〈tomato〉