クボタ・ショック

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2010年8月10日 (火) 11:11の版
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 2005年6月、大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表し、アスベスト問題が再燃したこと。  2005年6月、大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表し、アスベスト問題が再燃したこと。
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 その後クボタは、工場周辺1km圏内の住民被害者にも労災並みの最高4600万円の救済金を支払うとした。12月25日に記者会見を開き、幡掛大輔社長が、「今後、詳細を詰めるが、どこから見ても(補償額にクボタの)社内外で差が付かないという気持ちで取り組ませていただきたい」と説明。問題の発端となった旧神崎工場の周辺住民らに社員並みの補償をする考えを明らかにした。細谷祥久・クボタ秘書広報部広報室長は、その理由について、「6月末から担当部長が被害に遭われた住民の方々と話し合いを続けてきた。その報告を社長が聞く中で、さらに一歩踏み込んで対処する仕組みが必要と判断した」と言っている。クボタは他社に先駆けて旧神崎工場の周辺住民3人に見舞金を支払うなど、この問題に積極的に取り組んでいった。患者や家族を支援する市民団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」の永倉冬史事務局長は、「アスベスト問題で、企業にとって重要なのはリスクコミュニケーション。その点、クボタの対応は評価してよい」とクボタを評価している。  その後クボタは、工場周辺1km圏内の住民被害者にも労災並みの最高4600万円の救済金を支払うとした。12月25日に記者会見を開き、幡掛大輔社長が、「今後、詳細を詰めるが、どこから見ても(補償額にクボタの)社内外で差が付かないという気持ちで取り組ませていただきたい」と説明。問題の発端となった旧神崎工場の周辺住民らに社員並みの補償をする考えを明らかにした。細谷祥久・クボタ秘書広報部広報室長は、その理由について、「6月末から担当部長が被害に遭われた住民の方々と話し合いを続けてきた。その報告を社長が聞く中で、さらに一歩踏み込んで対処する仕組みが必要と判断した」と言っている。クボタは他社に先駆けて旧神崎工場の周辺住民3人に見舞金を支払うなど、この問題に積極的に取り組んでいった。患者や家族を支援する市民団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」の永倉冬史事務局長は、「アスベスト問題で、企業にとって重要なのはリスクコミュニケーション。その点、クボタの対応は評価してよい」とクボタを評価している。
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 平成22年3月31日までのクボタによるアスベスト被害者は、170名(死亡144名・療養中26名)とクボタで発表している。クボタは昭和29年から石綿管の原料として青石綿と白石綿を、また昭和35年から住宅建材(屋根材、外壁材)の原料として白石綿を使用していたことを認めている。石綿による健康障害を防止するため、青石綿については平成7年4月以降、白石綿については平成16年10月以降、法律で使用禁止となりクボタは、既に昭和50年11月に青石綿を使用した石綿管の製造を中止し、平成13年11月には白石綿を使用した住宅建材の製造も中止した。また、石綿の取り扱いについても法律を遵守し、従業員の衛生管理や工場周辺への石綿の飛散防止などに気をつけ、製品の取り扱いマニュアルを作成して配布するなど、利用者への安全に対しても配慮していた。  平成22年3月31日までのクボタによるアスベスト被害者は、170名(死亡144名・療養中26名)とクボタで発表している。クボタは昭和29年から石綿管の原料として青石綿と白石綿を、また昭和35年から住宅建材(屋根材、外壁材)の原料として白石綿を使用していたことを認めている。石綿による健康障害を防止するため、青石綿については平成7年4月以降、白石綿については平成16年10月以降、法律で使用禁止となりクボタは、既に昭和50年11月に青石綿を使用した石綿管の製造を中止し、平成13年11月には白石綿を使用した住宅建材の製造も中止した。また、石綿の取り扱いについても法律を遵守し、従業員の衛生管理や工場周辺への石綿の飛散防止などに気をつけ、製品の取り扱いマニュアルを作成して配布するなど、利用者への安全に対しても配慮していた。

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概要

 2005年6月、大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表し、アスベスト問題が再燃したこと。

 その後クボタは、工場周辺1km圏内の住民被害者にも労災並みの最高4600万円の救済金を支払うとした。12月25日に記者会見を開き、幡掛大輔社長が、「今後、詳細を詰めるが、どこから見ても(補償額にクボタの)社内外で差が付かないという気持ちで取り組ませていただきたい」と説明。問題の発端となった旧神崎工場の周辺住民らに社員並みの補償をする考えを明らかにした。細谷祥久・クボタ秘書広報部広報室長は、その理由について、「6月末から担当部長が被害に遭われた住民の方々と話し合いを続けてきた。その報告を社長が聞く中で、さらに一歩踏み込んで対処する仕組みが必要と判断した」と言っている。クボタは他社に先駆けて旧神崎工場の周辺住民3人に見舞金を支払うなど、この問題に積極的に取り組んでいった。患者や家族を支援する市民団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」の永倉冬史事務局長は、「アスベスト問題で、企業にとって重要なのはリスクコミュニケーション。その点、クボタの対応は評価してよい」とクボタを評価している。

 平成22年3月31日までのクボタによるアスベスト被害者は、170名(死亡144名・療養中26名)とクボタで発表している。クボタは昭和29年から石綿管の原料として青石綿と白石綿を、また昭和35年から住宅建材(屋根材、外壁材)の原料として白石綿を使用していたことを認めている。石綿による健康障害を防止するため、青石綿については平成7年4月以降、白石綿については平成16年10月以降、法律で使用禁止となりクボタは、既に昭和50年11月に青石綿を使用した石綿管の製造を中止し、平成13年11月には白石綿を使用した住宅建材の製造も中止した。また、石綿の取り扱いについても法律を遵守し、従業員の衛生管理や工場周辺への石綿の飛散防止などに気をつけ、製品の取り扱いマニュアルを作成して配布するなど、利用者への安全に対しても配慮していた。


アスベストとは

 石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれている。その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあり、以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていたが、昭和50年に原則禁止された。その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されたが、現在では、原則として製造等が禁止されている。石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られている。石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれており、肺がんを起こす可能性があることが知られている。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきくる。


参考

コトバンク [1]

厚生労働省 [2]

株式会社クボタ [3]

SAFETY JAPAN 日経BP社 [4]


ハンドル名:ごましお


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