ガレオン船
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- | ガレオン船は、キャラック船より発展した大型で快速の帆船である。マストの数は3~4本で、その構成はキャラックと同じように横帆と縦帆が組み合わせられた。キャラックに比べ細長い船体を持ち、船首楼と船尾楼が低いことがキャラック船との外見上の大きな差異である。細長い転覆もややしやすい分航行速度に優れている。積載量に優れ、商船としても、積荷の代わりに大砲を増強すれば軍用艦としても活躍した。500トン未満のものから、1000トン以上のものまで大きさはさまざまである。 | + | ガレオン船は、[[キャラック船]]より発展した大型で快速の帆船である。マストの数は3~4本で、その構成はキャラックと同じように横帆と縦帆が組み合わせられた。キャラックに比べ細長い船体を持ち、船首楼と船尾楼が低いことがキャラック船との外見上の大きな差異である。細長い転覆もややしやすい分航行速度に優れている。積載量に優れ、商船としても、積荷の代わりに大砲を増強すれば軍用艦としても活躍した。500トン未満のものから、1000トン以上のものまで大きさはさまざまである。 |
== 運用 == | == 運用 == | ||
積載量に優れたガレオン船は、大型の武装商船として機能し、大航海時代では[[東インド会社]]をはじめとした潤沢な資本を持つ商人たちの大規模な交易に貢献した。多くは積載量の一部を大砲に割き、自衛用の武装としていた。その積載量と快速性能から、積載量を大砲に費やすことで、専用の軍艦としても機能した。乗組員の数は船の規模に応じてさまざまで、例えば中型の軍用ガレオンの場合は400名程度が乗艦していたとされる。軍用艦としての運用の場合、乗組員の1割が砲撃手、3割が海兵隊、6割が水夫として機能した。 | 積載量に優れたガレオン船は、大型の武装商船として機能し、大航海時代では[[東インド会社]]をはじめとした潤沢な資本を持つ商人たちの大規模な交易に貢献した。多くは積載量の一部を大砲に割き、自衛用の武装としていた。その積載量と快速性能から、積載量を大砲に費やすことで、専用の軍艦としても機能した。乗組員の数は船の規模に応じてさまざまで、例えば中型の軍用ガレオンの場合は400名程度が乗艦していたとされる。軍用艦としての運用の場合、乗組員の1割が砲撃手、3割が海兵隊、6割が水夫として機能した。 | ||
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ガレオン船はその特性上、積荷と大砲のバランスを入れ替えることで商船としても軍用艦としてもフレキシブルな運用が可能であった。事実、平時は商船として活動していた船が、戦時には徴用され軍用艦として用いられることが多かった。 | ガレオン船はその特性上、積荷と大砲のバランスを入れ替えることで商船としても軍用艦としてもフレキシブルな運用が可能であった。事実、平時は商船として活動していた船が、戦時には徴用され軍用艦として用いられることが多かった。 | ||
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また、商船としても多くの大砲を積むことが可能であったので、商船としても海上で遭遇した敵国籍の商船に対しては、戦いを挑み私掠を行うことも少なくなかった。このように、ガレオン船は状況に応じて商船、軍用艦、私掠船と早変わりしたのである。 | また、商船としても多くの大砲を積むことが可能であったので、商船としても海上で遭遇した敵国籍の商船に対しては、戦いを挑み私掠を行うことも少なくなかった。このように、ガレオン船は状況に応じて商船、軍用艦、私掠船と早変わりしたのである。 | ||
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フランシス・ドレイクが世界一周に使用したゴールデン・ハインド号、仙台藩が建造した日本で最初に建造された西洋式の大型帆船サン・フアン・バウティスタ号などがある。なお、東京ディズニーシーにある模造船ルネサンス号も、分類上はガレオン船である。 | フランシス・ドレイクが世界一周に使用したゴールデン・ハインド号、仙台藩が建造した日本で最初に建造された西洋式の大型帆船サン・フアン・バウティスタ号などがある。なお、東京ディズニーシーにある模造船ルネサンス号も、分類上はガレオン船である。 | ||
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+ | == 参考文献・URL == | ||
+ | 羽田正(著) 興亡の世界史第15巻『東インド会社とアジアの海』講談社(2007)<br> | ||
+ | 『Captain Fleet』「ガレオン船」http://www1.cts.ne.jp/~fleet7/indexj.html (2011.1.26.確認) | ||
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最新版
ガレオン船
ガレオン船(Galleon)とは、主に16世紀から18世紀に用いられた帆船の一種である。
目次 |
概要
ガレオン船は、キャラック船より発展した大型で快速の帆船である。マストの数は3~4本で、その構成はキャラックと同じように横帆と縦帆が組み合わせられた。キャラックに比べ細長い船体を持ち、船首楼と船尾楼が低いことがキャラック船との外見上の大きな差異である。細長い転覆もややしやすい分航行速度に優れている。積載量に優れ、商船としても、積荷の代わりに大砲を増強すれば軍用艦としても活躍した。500トン未満のものから、1000トン以上のものまで大きさはさまざまである。
運用
積載量に優れたガレオン船は、大型の武装商船として機能し、大航海時代では東インド会社をはじめとした潤沢な資本を持つ商人たちの大規模な交易に貢献した。多くは積載量の一部を大砲に割き、自衛用の武装としていた。その積載量と快速性能から、積載量を大砲に費やすことで、専用の軍艦としても機能した。乗組員の数は船の規模に応じてさまざまで、例えば中型の軍用ガレオンの場合は400名程度が乗艦していたとされる。軍用艦としての運用の場合、乗組員の1割が砲撃手、3割が海兵隊、6割が水夫として機能した。
ガレオン船はその特性上、積荷と大砲のバランスを入れ替えることで商船としても軍用艦としてもフレキシブルな運用が可能であった。事実、平時は商船として活動していた船が、戦時には徴用され軍用艦として用いられることが多かった。
また、商船としても多くの大砲を積むことが可能であったので、商船としても海上で遭遇した敵国籍の商船に対しては、戦いを挑み私掠を行うことも少なくなかった。このように、ガレオン船は状況に応じて商船、軍用艦、私掠船と早変わりしたのである。
有名なガレオン船
フランシス・ドレイクが世界一周に使用したゴールデン・ハインド号、仙台藩が建造した日本で最初に建造された西洋式の大型帆船サン・フアン・バウティスタ号などがある。なお、東京ディズニーシーにある模造船ルネサンス号も、分類上はガレオン船である。
参考文献・URL
羽田正(著) 興亡の世界史第15巻『東インド会社とアジアの海』講談社(2007)
『Captain Fleet』「ガレオン船」http://www1.cts.ne.jp/~fleet7/indexj.html (2011.1.26.確認)
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