教育評価

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== 参考文献 == == 参考文献 ==
「学力・能力・適性の評価と指導」 藤岡秀樹著 「学力・能力・適性の評価と指導」 藤岡秀樹著
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「実践教育評価辞典」 加藤明著 「実践教育評価辞典」 加藤明著
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「学力評価の新たな地平」 田中耕治著 「学力評価の新たな地平」 田中耕治著
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「観点別評価と新しい学習観・学力観」 静岡授業研究会編 「観点別評価と新しい学習観・学力観」 静岡授業研究会編

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目次

教育評価とは

 教育評価とは教育活動の中でどのような学びがなされたのか、どのような育ちが実現したのかを確かめることであり、またその結果を教育的に活用することである。別の言い方をすれば、教育における教育活動とは学びと育ちの状況を見てとり何らかの基準でそれを判断し次のステップに向けてそれを生かすことである。教育評価というとテストや通知表などが頭に浮かぶ。このような評価は誰にとってもいやなことである。テストされたり通知表をもらう方だけでなく、テストしたり通知表を書く教師にとってもけっして楽しいことではない。しかも評価することによって教育的に困る副作用が生じてくることも多い。成績や得点によって自信を失ったり劣等感をもったりする子どももでてくるし、逆に変な優越感をもって努力しなくなる子どももでてくる可能性もある。周囲からの目も「できる子」や「できない子」などといったレッテルを貼り付けてしまうことも少なくない。このため教育評価の現状はその子の持ち味、その子らしさ、その子特有の可能性といった大事な点が親や教師、そして子ども自身にも見えなくなってしまいがちである。

評価の意義

 学習者にとって評価はどのような意味でとらえられているのかについて。ここでは「学習のペースメーカーになる」、「自己認識の機会となる」、「価値の方向に気づく」の3点をとらえる。  学習のペースメーカーになるとは外的な評価に合わせる形で学習を行うことができることである。1回ごとに完結するような学習であるなら、その時間が充実しているというだけで十分である。しかし多くの学習は長い年月にわたっての積み重ねを必要とする。前にやったことが分かっていなくては次の学習が十分にできない。だからこそ学習をやりっぱなしにするのではなく、どこかできちんと復習して身につける努力をしなくてはならない。その機会となっているのが、現実にはテストや成績付けなどの評価活動なのである。自己認識の機会となるとは、外側からの評価によって自分自身の姿に気づくということである。つまり外側からテストされ成績をつけられることによって自分というものがいろいろな形で見えてくるということである。これは教育評価が学習者に対してもつ自己認識への働きである。外的な評価が自己認識のきっかけになる、あるいは自己認識の中身を与えてくれるのである。良いところだけの人はいないし悪いところだけの人もいない。しかし自分の中の良しあしの両方のバランスがよく見えることはなかなか難しいことである。だからこそ外側から自分についての多様な情報をフィードバックしてもらう必要がある。この意味でテストや成績付けが自分自身を見つめなおすための外的情報として役に立つという点を見落とすことはできない。評価によって外の世界からの目や期待水準に気付かされるのである。価値の方向に気づくとは外側からの評価に接していくことによって、自分に期待されている価値の方向性に気づくということである。例えば何かのテストを受ける。何点取れるかということもさることながらどのような問題が出題されどのような配点がなされているかでその教科の学習に関してその先生が何をどの程度に重視しているか伝わってくるようになる。これによって学習すべき内容や程度そこでのものの考え方など先生の期待が分かってくる。このような評価の機能は、教師の教える活動の一環として位置づけられるものであり、教育目標に関するコミュニケーション機能として重要な意味を持つのである。

評価方法

 評価の方法として相対評価、絶対評価、到達度評価、個人内評価がある。 まず相対評価とは所属する集団の中での相対的な位置づけを表示する評価方法である。ほかの人たちと比較してどうかという見方であり優劣という評価を持つ。相対評価はほかの人たちとの関係において自己を客観視できる一方排他的な競争を常識化させて協調性を欠如させる可能性がある。  次に絶対評価とは、評価の基準の取り方によって二つに区別される。一つ目は評価するものの絶対性を基準にした評価としての絶対評価である。その場合には評価者の持つ内的基準に照らし合して行うため、主観的で恣意的な判断が支配的になる。このような評価は戦前の絶対評価であり認定といわれるものである。二つ目は外的客観的に設定された目標の絶対性を基準にした評価としての絶対評価である。この評価は目標に照らし合わせて解釈するので、目標の実現状況を的確に把握し指導の成果と課題を確認して学習指導の改善に生かす、いわゆる指導と評価の一体化が可能な評価である。 この目標に準拠した評価の代表的な形態が到達度評価である。この評価は教育目標を明確に分析・具体化し達成の程度を判断するための量的な基準として客観的に定め、これを達成したかどうかを評価しようとするものである。しかしこのような行動基準を明確に示すことができるのは知識・理解に限られた部分であり、思想・判断や技能・表現さらには関心・意欲・態度の観点については明確かつ一律に行動基準を規定することは困難である。評価基準をその子ども個人において、子どもを横断的・縦断的に評価しようとする評価法を個人内評価という。横断的個人評価は子ども個人の持つ多様な側面・特性の中で比較し優れた点を判断する方法である。一方縦断的個人内評価は子どもの個人の過去の能力や特性と比較し現時点でどのように進歩したかを判断する方法である。

参考文献

「学力・能力・適性の評価と指導」 藤岡秀樹著

「実践教育評価辞典」 加藤明著

「学力評価の新たな地平」 田中耕治著

「観点別評価と新しい学習観・学力観」 静岡授業研究会編


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