ユダヤ教3
出典: Jinkawiki
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ユダヤ教は「トーラー」と深く関わっている。「トーラー」とはモーセの律法と呼ばれているものである。 | ユダヤ教は「トーラー」と深く関わっている。「トーラー」とはモーセの律法と呼ばれているものである。 | ||
「聖書」によると、トーラーはモーセに初めてシナイ山において啓示され、神とイスラエルの民とのあいだで結ばれた契約の記録となったのであり、その意味で最も権威のあるものとされ、ユダヤ人たちは、トーラーを単に「モーセ五書」や「聖書」以上のものと認識していた。 | 「聖書」によると、トーラーはモーセに初めてシナイ山において啓示され、神とイスラエルの民とのあいだで結ばれた契約の記録となったのであり、その意味で最も権威のあるものとされ、ユダヤ人たちは、トーラーを単に「モーセ五書」や「聖書」以上のものと認識していた。 | ||
+ | モーセはユダヤ教の創始者、あるいは設立者にみなされることが多い。たしかに、モーセはイスラエルの人々をエジプトから救い出し、シナイ山において十戒を神から授与されたと言われている。 | ||
+ | しかしモーセは、人間存在の真理についての教えは述べていない。モーセはあくまでも、エジプトで奴隷として苦しんでいるイスラエルの人々を救出した「解放の指導者」であり、その解放された人々が生きていくうえで必要とされる「神の教え」を媒介した仲介者であるに過ぎない。 | ||
+ | モーセが神からの権威を授けられたものとして描かれていることは、たしかである。しかし、たとえそうであっても、モーセは決して、真理の体現者として描かれてはいない。モーセは、出エジプトという出来事と結びついた歴史的人物として描かれているのである。しかも、単なる歴史上の一人物として登場するのではなく、イスラエルの歴史を決定的に変革した出来事と深い関わりを持つ人物として描かれている。そして、「モーセ五書」についても、その大半が法律的文書で占められているとはいえ、それは、歴史的な脈絡の中に置かれているのである。 | ||
+ | その意味において、「トーラー」は歴史を生きてきたイスラエルの「行動原理」を示す歴史的証言なのである。 | ||
+ | 後代の人間たちが、この「トーラー」をいかに解釈しようとも、それが「行動原理」として、認められ続けてきたことは間違いないのである。 | ||
+ | ユダヤ教は、そもそもモーセという一人物によって創始されたのではなく、長い歴史の過程のなかで培われてきた宗教なのである。 | ||
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+ | 参考文献 ユダヤ教の誕生 荒井章三 著 | ||
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+ | ユダヤ教 ノーマン・ソロモン 著 山我哲哉 翻 | ||
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最新版
紀元前4世紀頃から発達した、ヘブライ人のヤハウェを唯一神として信仰するユダヤ人による宗教
ユダヤ教
ユダヤ教は「トーラー」と深く関わっている。「トーラー」とはモーセの律法と呼ばれているものである。 「聖書」によると、トーラーはモーセに初めてシナイ山において啓示され、神とイスラエルの民とのあいだで結ばれた契約の記録となったのであり、その意味で最も権威のあるものとされ、ユダヤ人たちは、トーラーを単に「モーセ五書」や「聖書」以上のものと認識していた。 モーセはユダヤ教の創始者、あるいは設立者にみなされることが多い。たしかに、モーセはイスラエルの人々をエジプトから救い出し、シナイ山において十戒を神から授与されたと言われている。 しかしモーセは、人間存在の真理についての教えは述べていない。モーセはあくまでも、エジプトで奴隷として苦しんでいるイスラエルの人々を救出した「解放の指導者」であり、その解放された人々が生きていくうえで必要とされる「神の教え」を媒介した仲介者であるに過ぎない。 モーセが神からの権威を授けられたものとして描かれていることは、たしかである。しかし、たとえそうであっても、モーセは決して、真理の体現者として描かれてはいない。モーセは、出エジプトという出来事と結びついた歴史的人物として描かれているのである。しかも、単なる歴史上の一人物として登場するのではなく、イスラエルの歴史を決定的に変革した出来事と深い関わりを持つ人物として描かれている。そして、「モーセ五書」についても、その大半が法律的文書で占められているとはいえ、それは、歴史的な脈絡の中に置かれているのである。 その意味において、「トーラー」は歴史を生きてきたイスラエルの「行動原理」を示す歴史的証言なのである。 後代の人間たちが、この「トーラー」をいかに解釈しようとも、それが「行動原理」として、認められ続けてきたことは間違いないのである。 ユダヤ教は、そもそもモーセという一人物によって創始されたのではなく、長い歴史の過程のなかで培われてきた宗教なのである。
参考文献 ユダヤ教の誕生 荒井章三 著
ユダヤ教 ノーマン・ソロモン 著 山我哲哉 翻
HN mgng