動物農場
出典: Jinkawiki
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大烏。ジョーンズに飼い慣らされており、楽園の存在を動物たちに仄めかしていた。モデルはロシア正教会とその神父達か。 | 大烏。ジョーンズに飼い慣らされており、楽園の存在を動物たちに仄めかしていた。モデルはロシア正教会とその神父達か。 | ||
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この七戒は最終的に以下のたった一つの戒律となる。 | この七戒は最終的に以下のたった一つの戒律となる。 | ||
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最新版
「動物農場―おとぎばなし」(Animal Farm: A Faily Story)は英国作家ジョージ・オーウェル(George Orwell)の小説。
1945年8月17日にロンドンの書肆セッカー・アンド・ウォーバーグ社(London:Secker and Warburg)で刊行。
目次 |
概要
初版の4500部がたちまち売れ、紙不足のため二刷が出たのは11月に入ってからであった。
米国では1946年8月に刊行され、同年に「ブック・オン・ザ・マンス・クラブ」(1926年設立の米国最大の通信会員制のブック・クラブ)の推薦図書に選ばれた。
今作のヒットによって英米を含む様々な国で、ジョージ・オーウェルの名が広まった。
動物寓話のかたちでロシア革命以降のソ連の歴史を踏まえたソ連を批判した作品である。
そのため第二次世界大戦中に書き終えられた今作は出版まで長い時間がかかった。が、終戦後は同様の理由でベストセラーとなる。
(オーウェル・アーカイヴにある動物農場の校正刷りの最後に“November 1943 - February 1944”と執筆期間がインクで記されている。これは「戦後に書いたものではない」というオーウェルの強い主張であろう。)
あらすじ
人間農場主ジョーンズによって過酷な労働状況に置かれていた動物たちは団結と連帯を持って革命を起こし、見事人間を農場から追放することに成功する。 以前の「荘園農場」から「動物農場」ヘと名前を変え、<動物主義>の原理を七つにまとめた「七戒」を定めた。 それを元に初めのうちは豚の指揮下で以前より手早く、さらなる利益を上げていたのだが・・・。
やがて豚が権力を持つようになり七戒にも但し書きが加えられ、徐々にその意味を変えていくことになる。 その中でスノーボールの追放、仲間たちの大量粛清と動物たちも徐々に豚への疑惑を強めるも、最終的には豚による人間よりも残酷な支配がやってくるのであった。
登場者
動物
ナポレオン
雄豚。大柄で獰猛な顔つき。しゃべりは下手だが、我を通すことに定評がある。モデルはヨシフ・スターリン
スノーボール
雄豚。活発でしゃべり上手で器用でもあるが、貫禄はあまりない。
労働日数を減らすため、風車建設によって電力を取り入れようとするもナポレオンに阻止され、結果農場を追われる。
モデルはレフ・トロツキー
スクィーラー
雄豚。口が達者で「黒を白と言いくるめられる」と称される。モデルはヴャチェスラフ・モロトフか。
メージャー
老齢の雄豚。自己のみた夢を動物たちに話し、決起を促す。そしてその3日後に息を引き取る。モデルはウラジーミル・レーニンか。
ボクサー
雄馬。働き者。「わしはもっとはたらくぞ」と、スノーボール追放後は「ナポレオンはいつでも正しい」という
二つのスローガンの下、人一倍働き、みんなから賞賛されていた。しかし病に倒れ、ナポレオンによって馬肉売りに売られてしまった。
モデルはミハイル・トゥハチェフスキーを初めとする赤軍将校、もしくはアレクセイ・スタハノフに代表される「労働英雄」であるとする見解もある。
モリー
雌馬。かつてはジョーンズの二輪馬車を引いていた。
角砂糖とリボンを気にいっており、結局農場を出て行った。
ベンジャミン
ロバ。農場内で一番の年寄りで、一番のつむじ曲がり。
スクィーラーによる七戒の書き換えに気付いたようであったが、なにも言わなかった。
モーゼズ
大烏。ジョーンズに飼い慣らされており、楽園の存在を動物たちに仄めかしていた。モデルはロシア正教会とその神父達か。
人間
ジョーンズ
元「荘園農場」の所有者。動物たちに追い出され、武装して取り返そうとするも失敗に終わる。モデルはロシア帝国時代の貴族や地主、資本家、白軍か。
ピルキントン
気楽なジェントルマン・ファーマーで、季節に応じて釣りや狩りをして過ごしていた。
そのため自身のフォックスウッド農場は広々としているものの、手入れが悪く、古めかしい農場である。モデルは大英帝国。
フレデリック
世知辛く抜け目ない。年中裁判沙汰を起こしていて、取引時は情け容赦ないと言われる。
自身のピンチフィールド農場はフォックスウッドよりは小さめだが、もっとよく手入れが行き届いている。モデルはナチス・ドイツ。
ウィンパー
頬ひげを生やしたずるそうな顔つきの小柄の男で事務弁護士。
動物農場に仲介者が必要であることや、その手数料は得るに値するものであるといち早く気づき、ナポレオンと売買契約を結ぶ。
「七戒」
1.2本足で歩くものはすべて敵である。
2.4本足で歩くもの、あるいは羽根があるものはすべて友だちである。
3.動物は服を着るべからず。
4.動物はベッドで寝るべからず。(後に「シーツを用いては」の一文が書き加えられる。)
5.動物は酒を飲むべからず。(後に「過度には」の一文が書き加えられる。)
6.動物は他の動物を殺すべからず。(後に「理由なしには」の一文が書き加えられる。)
7.すべての動物は平等である。
この七戒は最終的に以下のたった一つの戒律となる。
すべての動物は平等である。しかしある動物はほかの動物よりももっと平等である。
ソ連史との対応
1925年 スターリンによるトロツキーの国外追放(=スノーボールの追放)
1925年以降 第一次五カ年計画における農業集団化計画(=風車建設)
1939年 独ソ不可侵条約の締結(=フレデリックとナポレオンの材木売買の取引)
1941年 ドイツ軍によるソ連侵攻(=風車の戦い)
1943年 テヘラン会談(=ナポレオンとピルキントンらの会合)
参照元
川端康雄訳 『動物農場 おとぎばなし』 岩波文庫、2009年
Wikipedia
HN:M.Y