シュタイナー教育4
出典: Jinkawiki
2012年2月6日 (月) 18:20の版 Daijiten2009 (ノート | 投稿記録) (シュタイナー教育について) ← 前の差分へ |
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'''4つの構成体''' | '''4つの構成体''' | ||
シュタイナー教育の原理は、発達段階に対する独自の見解と、人間の構成体に関する見解が結びついて形成されており、その構成体には「物質体」「生命体」「感情体」「自我」の4つがある。 | シュタイナー教育の原理は、発達段階に対する独自の見解と、人間の構成体に関する見解が結びついて形成されており、その構成体には「物質体」「生命体」「感情体」「自我」の4つがある。 | ||
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●「物質体」:0歳、4つの構成体で唯一眼に見えるもので、重力の法則に従って落下する | ●「物質体」:0歳、4つの構成体で唯一眼に見えるもので、重力の法則に従って落下する | ||
性質を持つ。 | 性質を持つ。 | ||
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●「生命体」:7才頃、生成や繁殖の力をつかさどり、重力に逆らって上に伸びようとする | ●「生命体」:7才頃、生成や繁殖の力をつかさどり、重力に逆らって上に伸びようとする | ||
力を持つ。 | 力を持つ。 | ||
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●「感情体」:14歳頃、欲望や感情を表出させる要素で快・不快などといった喜怒哀楽の感 | ●「感情体」:14歳頃、欲望や感情を表出させる要素で快・不快などといった喜怒哀楽の感 | ||
情に結びつく動き。 | 情に結びつく動き。 | ||
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●「自我」:21歳頃、考えたり、言葉を話したりなど理性にかかわる要素で、「私」という | ●「自我」:21歳頃、考えたり、言葉を話したりなど理性にかかわる要素で、「私」という | ||
意識を持つこと。 | 意識を持つこと。 | ||
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'''七年周期説''' | '''七年周期説''' | ||
4つの構成体にあるように、シュタイナーの考えでは人間の節目が7年ごとにある。0歳~7歳までを「第一・七年期」、7歳~14歳までを「第二・七年期」、14歳~21歳までを「第三・七年期」とよぶ。 | 4つの構成体にあるように、シュタイナーの考えでは人間の節目が7年ごとにある。0歳~7歳までを「第一・七年期」、7歳~14歳までを「第二・七年期」、14歳~21歳までを「第三・七年期」とよぶ。 | ||
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●「第一・七年期」 | ●「第一・七年期」 | ||
この時期の課題は、身体の諸機能をしっかり働かせるようにしすることが課題となる。そのことで、次第に意志力や行動力の源となる。また、子どもは、きれいなものを見ることによって、きれいな心を身に付け、おいしいものを食べることによって、おいしさの味覚を知っていく。したがって、子どもに吸収されてよいものを身の回りに置く。周囲の大人は、模倣されてよい存在でなければならない。 | この時期の課題は、身体の諸機能をしっかり働かせるようにしすることが課題となる。そのことで、次第に意志力や行動力の源となる。また、子どもは、きれいなものを見ることによって、きれいな心を身に付け、おいしいものを食べることによって、おいしさの味覚を知っていく。したがって、子どもに吸収されてよいものを身の回りに置く。周囲の大人は、模倣されてよい存在でなければならない。 | ||
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●「第二・七年期」 | ●「第二・七年期」 | ||
この時期の課題は、いろいろな芸術的刺激を与えることである。芸術体験によって、世界は美しいと感じる教育を目指し、また感情体験として感じさせることで豊かな感情や思考力を持つことを目指す。 | この時期の課題は、いろいろな芸術的刺激を与えることである。芸術体験によって、世界は美しいと感じる教育を目指し、また感情体験として感じさせることで豊かな感情や思考力を持つことを目指す。 | ||
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●「第三・七年期」 | ●「第三・七年期」 | ||
この時期は、抽象概念、思考力によって世界について包括的な認識を持ち、思考力、知力、判断力というものを作り出していくことが課題となる。大人は長所も短所もある人間として子供と接することが大切である。しかし、教育者としてある1つの分野で絶対というものを持って接しなくてはいけない。こうして21歳迎え、真の自立した大人として巣立っていくことが、シュタイナー教育の構図である。また意志、感情、思考を順番通りに身につけ、バランスが取れた人を「自由を獲得した人間」だとシュタイナーは言う。 | この時期は、抽象概念、思考力によって世界について包括的な認識を持ち、思考力、知力、判断力というものを作り出していくことが課題となる。大人は長所も短所もある人間として子供と接することが大切である。しかし、教育者としてある1つの分野で絶対というものを持って接しなくてはいけない。こうして21歳迎え、真の自立した大人として巣立っていくことが、シュタイナー教育の構図である。また意志、感情、思考を順番通りに身につけ、バランスが取れた人を「自由を獲得した人間」だとシュタイナーは言う。 | ||
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'''4つの気質''' | '''4つの気質''' | ||
シュタイナーは、「気質」は人間が生まれながらに持っており、個性と親からの遺伝との混合により作られると考えている。 | シュタイナーは、「気質」は人間が生まれながらに持っており、個性と親からの遺伝との混合により作られると考えている。 | ||
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●胆汁質 | ●胆汁質 | ||
自我、アストラル体、エーテル体、物質体の4つの構成要素のうち自我が最も強い。自 | 自我、アストラル体、エーテル体、物質体の4つの構成要素のうち自我が最も強い。自 | ||
己主張や意志が強く、カッとなりやすい。自我の肉体的な表現は、血液循環組織である。●憂鬱質 | 己主張や意志が強く、カッとなりやすい。自我の肉体的な表現は、血液循環組織である。●憂鬱質 | ||
憂鬱質は物質体が優勢で、シュタイナーいわく、物質体が強すぎるため扱いきれない感じがある。それは物事を悲観的に考えやすく、痛み、不快、悲しみとして感じる。 | 憂鬱質は物質体が優勢で、シュタイナーいわく、物質体が強すぎるため扱いきれない感じがある。それは物事を悲観的に考えやすく、痛み、不快、悲しみとして感じる。 | ||
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●粘液質 | ●粘液質 | ||
エーテル体が最も強い。エーテル体の中で満足し、自分自身にかかりっきりになり他のことに関心を示さない。休む、食べる、寝ることが大好きであったり、人から注目されることを嫌い、放っておいてほしいと思うなど内的快感を重視する。 | エーテル体が最も強い。エーテル体の中で満足し、自分自身にかかりっきりになり他のことに関心を示さない。休む、食べる、寝ることが大好きであったり、人から注目されることを嫌い、放っておいてほしいと思うなど内的快感を重視する。 | ||
教えることは、子どもには迷惑な行為になる。子どもは親の反応に刺激をうけ、自分から関心を持つようになる。 | 教えることは、子どもには迷惑な行為になる。子どもは親の反応に刺激をうけ、自分から関心を持つようになる。 | ||
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●多血質 | ●多血質 | ||
これはアストラル体が最も強く、肉体的に神経組織が優勢となる。さまざまなことに幅広く関心を持ち、一つのことにじっくり取り組むことができないなど感情者や想念が揺れ動いていおり、1つの印象にとどめてはならない。とても明るく快不快、喜びや悲しみに対して敏感である。 | これはアストラル体が最も強く、肉体的に神経組織が優勢となる。さまざまなことに幅広く関心を持ち、一つのことにじっくり取り組むことができないなど感情者や想念が揺れ動いていおり、1つの印象にとどめてはならない。とても明るく快不快、喜びや悲しみに対して敏感である。 |
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目次 |
概要
シュタイナー教育とは、国家からの影響を受けない自由な教育を求めるために実践されたフリースクールの一つである。1861年にオーストラリアで生まれ、ドイツやスイスで活躍した思想家であるルドルフ・シュタイナーによってシュタイナー学校は創設された。ルドルフ・シュタイナーは子供時代から哲学と文学に興味を持っており、当初からゲーテの強い影響を受け、哲学者、思想家となった。極めて幅広い思想家とし、アントポゾフィー(神智学)という思想を打ち立てた。この思想から「シュタイナー教育」がうまれた。この教育思想は、ドイツでは一般にバルドルフ教育学と呼ばれている。シュタイナー学校として今現在30カ国に600の学校が存在し約12万人が通っている。
シュタイナー教育理念の特徴
4つの構成体 シュタイナー教育の原理は、発達段階に対する独自の見解と、人間の構成体に関する見解が結びついて形成されており、その構成体には「物質体」「生命体」「感情体」「自我」の4つがある。
●「物質体」:0歳、4つの構成体で唯一眼に見えるもので、重力の法則に従って落下する 性質を持つ。
●「生命体」:7才頃、生成や繁殖の力をつかさどり、重力に逆らって上に伸びようとする 力を持つ。
●「感情体」:14歳頃、欲望や感情を表出させる要素で快・不快などといった喜怒哀楽の感 情に結びつく動き。
●「自我」:21歳頃、考えたり、言葉を話したりなど理性にかかわる要素で、「私」という 意識を持つこと。
七年周期説
4つの構成体にあるように、シュタイナーの考えでは人間の節目が7年ごとにある。0歳~7歳までを「第一・七年期」、7歳~14歳までを「第二・七年期」、14歳~21歳までを「第三・七年期」とよぶ。
●「第一・七年期」 この時期の課題は、身体の諸機能をしっかり働かせるようにしすることが課題となる。そのことで、次第に意志力や行動力の源となる。また、子どもは、きれいなものを見ることによって、きれいな心を身に付け、おいしいものを食べることによって、おいしさの味覚を知っていく。したがって、子どもに吸収されてよいものを身の回りに置く。周囲の大人は、模倣されてよい存在でなければならない。
●「第二・七年期」 この時期の課題は、いろいろな芸術的刺激を与えることである。芸術体験によって、世界は美しいと感じる教育を目指し、また感情体験として感じさせることで豊かな感情や思考力を持つことを目指す。
●「第三・七年期」 この時期は、抽象概念、思考力によって世界について包括的な認識を持ち、思考力、知力、判断力というものを作り出していくことが課題となる。大人は長所も短所もある人間として子供と接することが大切である。しかし、教育者としてある1つの分野で絶対というものを持って接しなくてはいけない。こうして21歳迎え、真の自立した大人として巣立っていくことが、シュタイナー教育の構図である。また意志、感情、思考を順番通りに身につけ、バランスが取れた人を「自由を獲得した人間」だとシュタイナーは言う。
4つの気質
シュタイナーは、「気質」は人間が生まれながらに持っており、個性と親からの遺伝との混合により作られると考えている。
●胆汁質 自我、アストラル体、エーテル体、物質体の4つの構成要素のうち自我が最も強い。自 己主張や意志が強く、カッとなりやすい。自我の肉体的な表現は、血液循環組織である。●憂鬱質 憂鬱質は物質体が優勢で、シュタイナーいわく、物質体が強すぎるため扱いきれない感じがある。それは物事を悲観的に考えやすく、痛み、不快、悲しみとして感じる。
●粘液質 エーテル体が最も強い。エーテル体の中で満足し、自分自身にかかりっきりになり他のことに関心を示さない。休む、食べる、寝ることが大好きであったり、人から注目されることを嫌い、放っておいてほしいと思うなど内的快感を重視する。 教えることは、子どもには迷惑な行為になる。子どもは親の反応に刺激をうけ、自分から関心を持つようになる。
●多血質 これはアストラル体が最も強く、肉体的に神経組織が優勢となる。さまざまなことに幅広く関心を持ち、一つのことにじっくり取り組むことができないなど感情者や想念が揺れ動いていおり、1つの印象にとどめてはならない。とても明るく快不快、喜びや悲しみに対して敏感である。
シュタイナー教育のシステム
生活に意味を与え、head,heart,handを全面的に教育することを目的としている。知能の遅れた子供や才能のある子供などとして区別することはない。小学校の1~8年の間は担任教師は変わらず、競争や評価といったものはない。学科は低学年では重視されず、低学年のうちはすべての学科を美術的感覚で教えられる。また、mainstreamとして美術、音楽、園芸、外国語が取り入れられ、歴史、理科、言葉、算数などを毎日2~3時間のmain lesson blockで行う。祭りや式典ごとは重要視されている。
参考文献
All about シュタイナー教育の理念 http://allabout.co.jp/gm/gc/184257/
国際教育論 太田 和敬 http://www.asahi-net.or.jp/~fl5k-oot/kokukyo2010-2.pdf