民族
出典: Jinkawiki
2008年11月30日 (日) 22:38の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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文化や出自を共有することからくる親近感を核にして歴史的に形成された、共通の帰属意識を持つ人々の集団のこと。語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団である。必ずしも人種・国民の範囲と一致するものではない。 | 文化や出自を共有することからくる親近感を核にして歴史的に形成された、共通の帰属意識を持つ人々の集団のこと。語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団である。必ずしも人種・国民の範囲と一致するものではない。 | ||
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ギリシア語のエトノスethnos(ドイツ語やロシア語では、普通この語形を用いる)、それから派生した英語のethnos groupあるいはethnic unitに対応する学術用語である。 | ギリシア語のエトノスethnos(ドイツ語やロシア語では、普通この語形を用いる)、それから派生した英語のethnos groupあるいはethnic unitに対応する学術用語である。 | ||
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多くの民族学者(文化人類学者)は民族を次の3つの性格を備えた集団であるとしている。 | 多くの民族学者(文化人類学者)は民族を次の3つの性格を備えた集団であるとしている。 | ||
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①伝統的な生活様式を共有する集団(語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団) | ①伝統的な生活様式を共有する集団(語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団) | ||
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②人種や語族が形質や言語系統という客観的な基準にのみよっているのに対し、民族は、伝統的文化の共有という客観的基準のほかに「われわれ意識」という主観的基準が加わっていること(たとえば我々は日本人であって漢民族ではないという「われわれ意識」) | ②人種や語族が形質や言語系統という客観的な基準にのみよっているのに対し、民族は、伝統的文化の共有という客観的基準のほかに「われわれ意識」という主観的基準が加わっていること(たとえば我々は日本人であって漢民族ではないという「われわれ意識」) | ||
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③民族とは決して限定したものではなく、歴史的に生成され、変化を遂げていくもの | ③民族とは決して限定したものではなく、歴史的に生成され、変化を遂げていくもの | ||
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== 引用文献 == | == 引用文献 == | ||
- | 下中直人(編) 2007 世界大百科辞典27 平凡社 新村出(編) 2008 広辞苑第六版 岩波書店 | + | 下中直人(編) 2007 世界大百科辞典27 平凡社 |
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+ | 新村出(編) 2008 広辞苑第六版 岩波書店 | ||
[ハンドル名:あんこ] | [ハンドル名:あんこ] | ||
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+ | →参考案をノートに書きました。 |
最新版
文化や出自を共有することからくる親近感を核にして歴史的に形成された、共通の帰属意識を持つ人々の集団のこと。語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団である。必ずしも人種・国民の範囲と一致するものではない。
ギリシア語のエトノスethnos(ドイツ語やロシア語では、普通この語形を用いる)、それから派生した英語のethnos groupあるいはethnic unitに対応する学術用語である。
多くの民族学者(文化人類学者)は民族を次の3つの性格を備えた集団であるとしている。
①伝統的な生活様式を共有する集団(語族や語群が言語の系統分類に基づき、人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して、民族は文化に基づいて他と区別される集団)
②人種や語族が形質や言語系統という客観的な基準にのみよっているのに対し、民族は、伝統的文化の共有という客観的基準のほかに「われわれ意識」という主観的基準が加わっていること(たとえば我々は日本人であって漢民族ではないという「われわれ意識」)
③民族とは決して限定したものではなく、歴史的に生成され、変化を遂げていくもの
民族の形成
民族とはふつう、長期的な過程により形成されるものであり、さまざまな要因がこれにかかわっている。その長い形成過程の中で重要なのが、おもな構成要素が勢ぞろいする時期である。民族の形成には、おもな構成要素がそろって、文化的共同体ができるだけでなく、意識共同体としても成立することが必要な要件である。
民族の象徴と境界
民族の要件の一つは、伝統的文化の共有である。しかし、民族の分類、共族意識の形成にとって重要なことは、特定の民族の文化が、ほかの民族といかに違い、何が区別の標識になるかである。したがって、民族を区別する場合、伝統的な生活様式のすべての要素が同じように重要なのではない。その中で選択され、重要視され、ときにそれが民族の象徴となるのである。 このような象徴の選択も固定的でなく、置かれた状況に適したものを過去の伝統的文化の中から選ぶものである。このような象徴は、普通民族間の境界を維持する機能を有するが、特定の他民族との親近性、あるいはそれへの同化に便利な文化要素を選択することもありうる。
引用文献
下中直人(編) 2007 世界大百科辞典27 平凡社
新村出(編) 2008 広辞苑第六版 岩波書店
[ハンドル名:あんこ]
→参考案をノートに書きました。