差別用語

出典: Jinkawiki

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2008年8月6日 (水) 19:04の版
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 このような「バカチョン」のように、かつて「○○は差別用語だ、理由は△△という語源に基づくから」と言われた説の多くが誤りであることが、  このような「バカチョン」のように、かつて「○○は差別用語だ、理由は△△という語源に基づくから」と言われた説の多くが誤りであることが、
近年だんだん明らかになりつつある。 近年だんだん明らかになりつつある。
-しかし、確かに差別的な語源ではなくても、「語源はどうあれ今は差別用語」という考え方が広まってきている。「差別用語という見解が+しかし、確かに差別的な語源ではなくても、「語源はどうあれ今は差別用語」という考え方が広まってきている。「差別用語という見解が、
もう広まってしまったから使わない方がいい」「誤解でも人を傷つけることがある」などという声も広がっている。 もう広まってしまったから使わない方がいい」「誤解でも人を傷つけることがある」などという声も広がっている。

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 まず本質的に言語は無数の差別用語から成り立っている。比較級とか最大級というもの自体が差別用語であるだろう。 しかし、そうした中でも人を傷つけたり、馬鹿にしたりなどにつながる差別用語がある。

 ここでは1つの事例を挙げる。「バカチョン」(ばかちょん)という言葉がある。これは「バカ」と「チョン」に分けられる。 「バカ」=「馬鹿」は差別用語ではない。馬鹿というのは当て字で、語源はサンスクリットの moha で「愚か」を意味する言葉である。 問題は「チョン」の方である。 「チョン」は「朝鮮」または「朝鮮人」を意味する差別用語…という説を唱える人がいる。確かに、そのように使われる例がある。 朝鮮高校のことを侮蔑的な意味を込めて「チョンコウ」などと言うこともあるようだ。 ただ、「バカチョン」という形で「バカ」と組み合わせて使う「チョン」は、朝鮮とは無関係で、これまた「愚か」を意味する「チョン」… とする説が有力である。 「チョン」が日本で古くから「愚か」を意味する言葉として使われてきた証拠としては、明治3年(1870年)に発刊された「西洋道中膝栗毛」がある。 この中には「ばかだの、ちょんだの、野呂間だのと…」という表現があり、「ばか」「のろま」と並列して「ちょん」が書かれている。(この話は有名で 「バカチョン」に関する論考では必ず引用される)。 明治初期のこの時代に、既に「バカチョン」という言葉が確実に存在していた。 この「西洋道中膝栗毛」が刊行された1870~76年と言うのは、日韓併合以前であり、庶民の間にまだ朝鮮を蔑視する風潮はなかった。 ちなみに、定期的に「朝鮮通信使」が訪れていた江戸時代後期までは、朝鮮は「尊敬すべき先進文化国家」のイメージはあっても、 蔑視する人はいなかったようだ。

 私自身語源をしっかり理解していなかったが、この言葉は「バカでも…朝鮮人でも…」という意味でバカと朝鮮人を並列に捉えた差別用語だと考えていた。 実際は、語源的に見て差別用語とは無関係であった。しかし、現実に「バカチョンカメラ」という言葉を聞くと差別されたと感じる朝鮮生まれの人が いるのである。結果的にやはり「差別用語」になるだろう。

 このような「バカチョン」のように、かつて「○○は差別用語だ、理由は△△という語源に基づくから」と言われた説の多くが誤りであることが、 近年だんだん明らかになりつつある。 しかし、確かに差別的な語源ではなくても、「語源はどうあれ今は差別用語」という考え方が広まってきている。「差別用語という見解が、 もう広まってしまったから使わない方がいい」「誤解でも人を傷つけることがある」などという声も広がっている。

そう考えると、言葉の語源と差別的なものは直接的にはつながらないのではないだろうか。

 差別というのは、「差別される側がどう感じているか」が最も重要である。 先に述べた「バカチョン」で、語源的には無関係であっても、朝鮮という国、そして朝鮮民族に対して19世紀末からの日本人が行ってきた、 植民地支配と差別の歴史から考えると差別用語であるというよう受け取られても仕方ないのであるだろう。 その朝鮮の人が「バカチョン」を差別用語と感じるのであれば、絶対に使ってはいけない言葉であるのはいうまでもない。 ある言葉が「差別用語かどうか」は、言葉を発する方ではなく、言葉を受ける側によって判断されるべきだと考える。     


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