フィンランドの教育2
出典: Jinkawiki
2010年2月11日 (木) 21:30の版 Daijiten2009 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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フィンランドでは教師は社会的に尊敬されており、普通科高校性の26%が教師を希望しているというデータもある。(ヘルシンキ大学の調査による) | フィンランドでは教師は社会的に尊敬されており、普通科高校性の26%が教師を希望しているというデータもある。(ヘルシンキ大学の調査による) | ||
しかし教育系の大学に入学できるのは志望者の1割程度で、さらに実際に教師として採用されるのはもっと少ないため、大変狭き門となっており、これによって意欲と能力の高い教師が確保されている。 | しかし教育系の大学に入学できるのは志望者の1割程度で、さらに実際に教師として採用されるのはもっと少ないため、大変狭き門となっており、これによって意欲と能力の高い教師が確保されている。 | ||
- | 教師は労働条件のわりには比較的少ない給料だが、しかしフィンランドの教師は政府の官僚グループに従う必要はなく、自分が望む方法で教える自由を持っている。例えば、少人数のグループに分けて教えたい場合は、Aグループは朝8時に登校して12時に下校。次のB グループは10時に登校して14時に下校。というような方法をとることもできる。 | + | 教師は労働条件のわりには比較的少ない給料だがしかし、フィンランドの教師は政府の官僚グループに従う必要はなく、自分が望む方法で教える自由を持っている。例えば、少人数のグループに分けて教えたい場合は、Aグループは朝8時に登校して12時に下校。次のB グループは10時に登校して14時に下校。というような方法をとることもできる。 |
教師の教えやすい方法で授業を行うということが高く評価されている。 | 教師の教えやすい方法で授業を行うということが高く評価されている。 | ||
最新版
フィンランドの教育制度
フィンランドの学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育がひとつになった9年一貫性の基礎教育で、基礎学校を卒業するまではテストはほとんどなく、卒業後は全員が進学資格を持ち高校か職業専門学校へ進むことができる。基礎学校からの成績で学校が決まるため、入学試験は無い。日本は高校によって学力の格差が大きいが、フィンランドにはそれが無いため、たいていは地元の高校へ進学する。 高校の普通科には学年は無く、選択した科目の単位を取る。通常は3年で卒業になるが、2~4年の範囲内で卒業することができる。大学に進学する場合は、大学入学資格試験で4科目に合格すると資格が得られる。 職業学校は、職業の資格を取るための専門学校になっている。普通科の高校を終えてから入学する人や、社会に出てから別の資格を取るために繰り返し入学する人も多い。
フィンランドの教育の特徴
①一人ひとりを大切にする平等な教育 教育の基本は序列をつけることではなく、一人ひとりの発達を支援することという方針が徹底されているため、16歳まで選別をしない教育が実行されている。また、社会に出てからも学ぶ気になれば誰もがいつでも学べる学校教育制度と労働条件があり、国民の学習を保障するシステムが整備されている。
②福祉としての教育
小学校から大学院までの授業料は全て無料で、通学に必要な交通費や、下宿した場合の住宅補助費も支払われる。また、中学までの教材・教具(ノート・コンパス・鉛筆など)や、高校までの給食は無料。家庭や居住地による教育条件の格差を埋め、子どもが満足し充実した学校生活を過ごせるように配慮がされている。
③子どもが自ら学ぶことが基本
競争やテストで学習を強制せずに、子どもが自ら学ぶということを基本とし、グループ学習や、教え合いを重要視している。教え合いの例で言うと、算数の得意な子を学習能力や行動に何かしらの問題があると診断されたグループに入れ、「あなたの計算のやり方を教えてあげたらどう?」とサポートを頼むと、賢い子は先生の手伝いが出来ることを誇りに感じ、また子どもたちは誰が何の優れた面を持っているか知っているのでその子の説明をきちんと聞き、子どもたちの間に嫉妬やいさかいは生まれない。このように子どもたちが自ら学び、時には教え合うという姿勢が重要とされている。
④優秀な教師
フィンランドでは教師は社会的に尊敬されており、普通科高校性の26%が教師を希望しているというデータもある。(ヘルシンキ大学の調査による)
しかし教育系の大学に入学できるのは志望者の1割程度で、さらに実際に教師として採用されるのはもっと少ないため、大変狭き門となっており、これによって意欲と能力の高い教師が確保されている。
教師は労働条件のわりには比較的少ない給料だがしかし、フィンランドの教師は政府の官僚グループに従う必要はなく、自分が望む方法で教える自由を持っている。例えば、少人数のグループに分けて教えたい場合は、Aグループは朝8時に登校して12時に下校。次のB グループは10時に登校して14時に下校。というような方法をとることもできる。
教師の教えやすい方法で授業を行うということが高く評価されている。
⑤サポートチーム
フィンランドの学校には、軽度の発達障害や学習の遅れ、フィンランド語が十分に話せない移民の子どもに対して、学習と行動面でサポートしていくシステムがある。これは何か問題が起こった時に担任教師がひとりで抱え込まなくても良いように、教師をサポートするシステムでもある。
チームは、特別支援教育の教師・保健師・ソーシャルワーカー・児童心理学者・校長・副校長で構成されているチームで、時には精神科医や看護師が加わることもある。校内には専用の部屋があり、子どもたちがそこを訪れる仕組みになっている。また、休みがちな子どもや暴力をふるうなどの問題行動がある子どもの家庭に彼らが訪問する。これは担任教師には家庭訪問をする権限がないからである。
子どもに何らかの問題があった場合に、緩和と解決のためのサポートチームは、親と子供のサポートをするだけでなく、深刻な問題についてはその子どもが普通の学校で学ぶのが良いのか、特別クラスや特別支援学校で学んだ方が良いのかという判断も行う。
PISAの成績
PISAとは、OECD(経済協力開発機構)による生徒(15歳)の学習到達度調査のことである。分野は数学的リテラシー・読解力・科学的リテラシー・問題解決能力である。
フィンランドは2003年・2006年のPISAにおいて総合第1位という成績を残している。
参考文献・参照文献
ヘイッキ・マキパー著 末延弘子訳 『平等社会 フィンランドが育む未来型学力』 2007年 株式会社明石書店
福田誠治著 『子どもたちに「未来の学力」を』 2008年 東海教育研究所
リッカ・パッカラ著 小林禮子訳 『フィンランドの教育力 ~なぜPISAで学力世界一になったのか』 2008年 学研新書