ヤハウェ
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旧約聖書の神の固有名詞の学問的呼称。 | 旧約聖書の神の固有名詞の学問的呼称。 | ||
- | ユダヤ教では神名を唱えるのを避け聖四文字YHWHにそれと無関係の母音符号を付し, | + | |
- | 多くの場合〈アドナイ(主)〉と呼び,〈永遠のケレー(読み)〉と称した。 | + | ユダヤ教成立後のヤハウェは旧約聖書に於ける唯一神であり全世界の創造神とされ「宇宙の最高原理」のようなもので、預言者を除いた一般人にとっては、はっきりしない存在であるが、むしろ自ら人間たちに積極的に語りかけ、「妬む」と自称するほど感情的であり、創世記のとおり人類はヤハウェに似せて造られたことが伺える。 |
- | エホバJehovahという呼称は,この習慣を忘れた16世紀以来のキリスト教会の誤読に基づく。 | + | |
- | ヤハウェ(あるいはヤーウェ)とは,言語学的には,セム語の〈生成する,である〉を意味する動詞ハーヤーと関係するが, | + | ”Ἐγώ εἰµι ὁ ὤν”(エゴー・エイミ・ホ・オーン)=「私は在るものである」はイエスとヤハウェを結び付け、その神性を現す意図で多用されている。これはセプトゥアギンタの『出エジプト記』第3章第14節でヤハウェが「私は在るものである」と名乗ったので、イエスはこれを多用して自分がヤハウェと密接な関係にある事を暗に示したとされる(『ヨハネによる福音書』第8章第58節など)。 正教会において、イエスのイコン、とりわけ自印聖像においてその光輪にギリシア文字 "Ο・Ω・Ν"(ὁ ών 『在るもの』) を記す習慣もこれに関連する。 |
- | 歴史的には南パレスティナの遊牧民集団シャースー(またはショースー)の残した文書に現れるYHWəとの関係が注目されている。 | + | |
+ | 三位一体の教説が成立して以降、ヤハウェを単に神の名とするにとどまらず、特定の位格と結びついた名として捉える論考が現れる。一般に、西方教会においてはヤハウェ(ラテン語文献では多く「エホバ」)を父なる神と同一視することが多く、対して東方教会においてはヤハウェはイエス・キリストの神格における名であると考えられることがある。 |
2013年8月6日 (火) 21:22の版
ヤハウェ
旧約聖書の神の固有名詞の学問的呼称。
ユダヤ教成立後のヤハウェは旧約聖書に於ける唯一神であり全世界の創造神とされ「宇宙の最高原理」のようなもので、預言者を除いた一般人にとっては、はっきりしない存在であるが、むしろ自ら人間たちに積極的に語りかけ、「妬む」と自称するほど感情的であり、創世記のとおり人類はヤハウェに似せて造られたことが伺える。
”Ἐγώ εἰµι ὁ ὤν”(エゴー・エイミ・ホ・オーン)=「私は在るものである」はイエスとヤハウェを結び付け、その神性を現す意図で多用されている。これはセプトゥアギンタの『出エジプト記』第3章第14節でヤハウェが「私は在るものである」と名乗ったので、イエスはこれを多用して自分がヤハウェと密接な関係にある事を暗に示したとされる(『ヨハネによる福音書』第8章第58節など)。 正教会において、イエスのイコン、とりわけ自印聖像においてその光輪にギリシア文字 "Ο・Ω・Ν"(ὁ ών 『在るもの』) を記す習慣もこれに関連する。
三位一体の教説が成立して以降、ヤハウェを単に神の名とするにとどまらず、特定の位格と結びついた名として捉える論考が現れる。一般に、西方教会においてはヤハウェ(ラテン語文献では多く「エホバ」)を父なる神と同一視することが多く、対して東方教会においてはヤハウェはイエス・キリストの神格における名であると考えられることがある。