六ヶ所再処理工場

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2013年8月8日 (木) 09:44の版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

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3)化学薬品に関わる問題 放射線による損傷以外に用いられる硝酸などの化学薬品自体の反応には気をつけねばならない。硝酸やリン酸トリブチル、ドデカンをはじめ、還元剤として用いられることもあるヒドラジンは、爆発的に分解する可能性もある。 3)化学薬品に関わる問題 放射線による損傷以外に用いられる硝酸などの化学薬品自体の反応には気をつけねばならない。硝酸やリン酸トリブチル、ドデカンをはじめ、還元剤として用いられることもあるヒドラジンは、爆発的に分解する可能性もある。
-== 問題点 ==+== 問題点 ==
-この再処理工場を稼動することで、毎日さまざまな放射性廃棄物が発生する。実際にはアクティブ試験中の現在、すでに放射性廃棄物が発生し始めている。そして固形の低レベル放射性廃棄物は施設内の専用貯蔵施設で保管され、高レベル放射性廃棄物についてはガラス固形化されて一時的に施設内で保管されるものの、最終処分地は受け入れる自治体がまだ決まっていない。一方、放射性の気体廃棄物や液体廃棄物からは、放射能がそれぞれ気体は高さ150mの排気塔から大気中に、液体は太平洋の沖合3km、水深44mにひかれた放水管から海中に放出される。どちらも放射能を低減処理したうえではありますが、運営主体である日本原燃の事業許可申請書に記載された数値から市民団体が積算したところによると、こうして大気中に放出されるクリプトン85や海中に放出されるトリチウム、ヨウ素129などの放射能は、通常の原子力発電所1基分の年間排出量に匹敵する量を1日で排出することになります。これについて事業者側はその安全性を、「海水は直接人間が飲まないから大丈夫」、「大量の海水で希釈されるから影響はない」、「人間が宇宙や自然界から日常的に浴びている放射能より少ない」といった説明を六ヶ所村にある見学施設の原燃PRセンターやサイト上でおこなっている。これに対して、豊かな漁場や農場を抱え、海洋汚染や農水産物への汚染を懸念している周辺の漁業協同組合や農家、またいつまでも安全な食べ物を消費者に提供することを望む生活協同組合や有機食材の宅配会社、さらに季節を問わず海に入って活動しているサーファーなどからは放射能汚染を懸念する声が高まっている。+この再処理工場を稼動することで、毎日さまざまな放射性廃棄物が発生する。実際にはアクティブ試験中の現在、すでに放射性廃棄物が発生し始めている。そして固形の低レベル放射性廃棄物は施設内の専用貯蔵施設で保管され、高レベル放射性廃棄物についてはガラス固形化されて一時的に施設内で保管されるものの、最終処分地は受け入れる自治体がまだ決まっていない。一方、放射性の気体廃棄物や液体廃棄物からは、放射能がそれぞれ気体は高さ150mの排気塔から大気中に、液体は太平洋の沖合3km、水深44mにひかれた放水管から海中に放出される。どちらも放射能を低減処理したうえではありますが、運営主体である日本原燃の事業許可申請書に記載された数値から市民団体が積算したところによると、こうして大気中に放出されるクリプトン85や海中に放出されるトリチウム、ヨウ素129などの放射能は、通常の原子力発電所1基分の年間排出量に匹敵する量を1日で排出することになります。これについて事業者側はその安全性を、「海水は直接人間が飲まないから大丈夫」、「大量の海水で希釈されるから影響はない」、「人間が宇宙や自然界から日常的に浴びている放射能より少ない」といった説明を六ヶ所村にある見学施設の原燃PRセンターやサイト上でおこなっている。これに対して、豊かな漁場や農場を抱え、海洋汚染や農水産物への汚染を懸念している周辺の漁業協同組合や農家、またいつまでも安全な食べ物を消費者に提供することを望む生活協同組合や有機食材の宅配会社、さらに季節を問わず海に入って活動しているサーファーなどからは放射能汚染を懸念する声が高まっている。日本は、エネルギー資源が限られている国として、また本年度から約束期間が開始した京都議定書に定められた温室効果ガス削減に有効な方法であるとして、原子力発電とそれに伴う核燃料サイクルを国策として推進している。しかし、その代償として、寿命40年と言われる再処理工場よりもはるかに長いあいだ放射能を放出しつづける高レベル固形廃棄物、あるいは放射能を帯びた気体や液体といったものが毎日のように大量に発生することも事実である。
-日本は、エネルギー資源が限られている国として、また本年度から約束期間が開始した京都議定書に定められた温室効果ガス削減に有効な方法であるとして、原子力発電とそれに伴う核燃料サイクルを国策として推進している。しかし、その代償として、寿命40年と言われる再処理工場よりもはるかに長いあいだ放射能を放出しつづける高レベル固形廃棄物、あるいは放射能を帯びた気体や液体といったものが毎日のように大量に発生することも事実である。+
-http://www.cnic.jp/ 原子力資料情報室+参考文献
-http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_okinawa31/jichiken31/5/5_2_y_01/5_2_y_01.htm 六ヶ所村再処理工場の課題と現状+ 
 + 原子力資料情報室 http://www.cnic.jp/
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 + 六ヶ所村再処理工場の課題と現状
 +http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_okinawa31/jichiken31/5/5_2_y_01/5_2_y_01.htm
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原発で発電を終えた核燃料(使用済み燃料)には燃え残りのウラン、プルトニウム、そして「死の灰(核分裂生成物)」が含まれている。日本政府や電力会社は、この使用済み燃料の中にあるプルトニウムを再び原子力発電で再利用する「核燃料サイクル」を、原子力政策の基本としている。そのため使用済み燃料からプルトニウムを取りだすための施設、核燃料再処理工場を青森県六ヶ所村に建設中。プルトニウムは使用済み燃料に約1%含まれている。六ヶ所再処理工場は1年間で約800トンの使用済み燃料を処理し、約8トンものプルトニウムを分離する。

再処理工程

1)使用済燃料受入れ・貯蔵 原子力発電所から受け入れた使用済燃料はプール中で4 年以上保管する。

2)せん断・溶解 核燃料を小さく切断して硝酸に溶解し、ジルコニウム合金である被覆管と分離する工程である。この際に揮発性放射能は施設外に放出される可能性がある。クリプトン-85(85Kr、10.7 年)は全て排出される。

3)分離 TBP をドデカンで希釈した溶液と核燃料の硝酸溶液を接触混合させ、ウランと4 価プルトニウムPu(Ⅳ)をTBPードデカン溶液(有機相)に移す。(核分裂生成物とプルトニウム以外の超ウラン元素は硝酸溶液中に残る)。ウランとプルトニウムを分離するには、還元剤によってプルトニウムを3価プルトニウム、Pu(Ⅲ)に還元すればよい。還元剤としてこの工場では4 価ウランU(Ⅳ)を用いる。

4)精製 ウランとプルトニウムの溶液は、精製を繰り返して純粋な元素を含む溶液にする。この操作は複雑に見えるが、原理的には前の分離の工程とほぼ同様である。

5)脱硝・製品貯蔵 ウランとプルトニウムの溶液から硝酸が除かれ、酸化物として保管される。この際に、プルトニウムからウランとの混合酸化物(MOX)がつくられる。

6)酸および溶媒の回収 使用された薬品は、廃棄物の量を減らす目的もあって精製回収される。

想定される事故

1)臨界事故 再処理にともなう最も重大な事故である。

2)放射線分解 放射線が物質中に入射すると、エネルギーが失われ、化学変化が起こる。放射線の作用によって励起化学種が生成し、さらに二次的な反応が起こる。水では、二次反応生成物として水素、過酸化水素、酸素などが生じる。他の物質ではさらに複雑な反応が起こるが、多くの場合に物質の分解へと導かれる。時には、分解した生成物が反応して大きな分子が生じることもある。再処理においては、放射能の強い「分離」の過程で問題になる。

3)化学薬品に関わる問題 放射線による損傷以外に用いられる硝酸などの化学薬品自体の反応には気をつけねばならない。硝酸やリン酸トリブチル、ドデカンをはじめ、還元剤として用いられることもあるヒドラジンは、爆発的に分解する可能性もある。

問題点

この再処理工場を稼動することで、毎日さまざまな放射性廃棄物が発生する。実際にはアクティブ試験中の現在、すでに放射性廃棄物が発生し始めている。そして固形の低レベル放射性廃棄物は施設内の専用貯蔵施設で保管され、高レベル放射性廃棄物についてはガラス固形化されて一時的に施設内で保管されるものの、最終処分地は受け入れる自治体がまだ決まっていない。一方、放射性の気体廃棄物や液体廃棄物からは、放射能がそれぞれ気体は高さ150mの排気塔から大気中に、液体は太平洋の沖合3km、水深44mにひかれた放水管から海中に放出される。どちらも放射能を低減処理したうえではありますが、運営主体である日本原燃の事業許可申請書に記載された数値から市民団体が積算したところによると、こうして大気中に放出されるクリプトン85や海中に放出されるトリチウム、ヨウ素129などの放射能は、通常の原子力発電所1基分の年間排出量に匹敵する量を1日で排出することになります。これについて事業者側はその安全性を、「海水は直接人間が飲まないから大丈夫」、「大量の海水で希釈されるから影響はない」、「人間が宇宙や自然界から日常的に浴びている放射能より少ない」といった説明を六ヶ所村にある見学施設の原燃PRセンターやサイト上でおこなっている。これに対して、豊かな漁場や農場を抱え、海洋汚染や農水産物への汚染を懸念している周辺の漁業協同組合や農家、またいつまでも安全な食べ物を消費者に提供することを望む生活協同組合や有機食材の宅配会社、さらに季節を問わず海に入って活動しているサーファーなどからは放射能汚染を懸念する声が高まっている。日本は、エネルギー資源が限られている国として、また本年度から約束期間が開始した京都議定書に定められた温室効果ガス削減に有効な方法であるとして、原子力発電とそれに伴う核燃料サイクルを国策として推進している。しかし、その代償として、寿命40年と言われる再処理工場よりもはるかに長いあいだ放射能を放出しつづける高レベル固形廃棄物、あるいは放射能を帯びた気体や液体といったものが毎日のように大量に発生することも事実である。


参考文献

 原子力資料情報室 http://www.cnic.jp/

 六ヶ所村再処理工場の課題と現状 http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_okinawa31/jichiken31/5/5_2_y_01/5_2_y_01.htm

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