複数言語教育2
出典: Jinkawiki
2013年8月8日 (木) 12:37の版 Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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== カナダの例 == | == カナダの例 == | ||
- | カナダでは,言語教育は重要な課題となっている。背景にはフランスやイギリスの植民地となった歴史がある。今では数多くの民族が共存する国家である。カナダでも、イギリスの植民地政策として、住民の言語を学校教育を通して英語に統一しようとした。しかし、フランスの植民地時代に成立していたフランス系社会の抵抗にあって成功せず,英語社会とフランス語社会の共存は公用語二言語主義にまで発展したため、連邦政府としての公用語は英語とフランス語の2言語である。州の公用語も別にあり、州によっては4つの公用語を有するところもある。連邦政府の多文化政策により、公用語以外の言語教育に対する援助は認められている。 | + | カナダでは、言語教育は重要な課題となっている。背景にはフランスやイギリスの植民地となった歴史がある。今では数多くの民族が共存する国家である。カナダでも、イギリスの植民地政策として、住民の言語を学校教育を通して英語に統一しようとした。しかし、フランスの植民地時代に成立していたフランス系社会の抵抗にあって成功せず、英語社会とフランス語社会の共存は公用語二言語主義にまで発展したため、連邦政府としての公用語は英語とフランス語の2言語である。州の公用語も別にあり、州によっては4つの公用語を有するところもある。連邦政府の多文化政策により、公用語以外の言語教育に対する援助は認められている。 |
- | 公用語であるフランス語または英語を学習する生徒は、州によって異なるが、公用語をフランス語のみとするケベック州を除いた全国平均で、初等教育段階約60%、中等教育段階約50%、ケベック州では,初等教育段階約40%、中等教育段階100%である。英語系の学校には「フランチ・イマージョン・プログラム」という、小学校入学当初は教授用語をフランス語とし、学年が上がるにつれて漸次母語である英語を用いる教育課程であり、最終的には英仏両言語を自由に使用できる人材養成にもなっているものを、実施する学校もある。この公用語二言語主義は、カナダの言語教育の特徴であり、英仏両言語圏の文化・社会・経済などに関係するものとなっている。 | + | 公用語であるフランス語または英語を学習する生徒は、州によって異なるが、公用語をフランス語のみとするケベック州を除いた全国平均で、初等教育段階約60%、中等教育段階約50%、ケベック州では、初等教育段階約40%、中等教育段階100%である。英語系の学校には「フランチ・イマージョン・プログラム」という、小学校入学当初は教授用語をフランス語とし、学年が上がるにつれて漸次母語である英語を用いる教育課程であり、最終的には英仏両言語を自由に使用できる人材養成にもなっているものを、実施する学校もある。この公用語二言語主義は、カナダの言語教育の特徴であり、英仏両言語圏の文化・社会・経済などに関係するものとなっている。 |
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多言語国家
多言語国家とは、公用語を複数指定している国家のことである。例として、インド、スイス、ベルギー、カナダなどが挙げられる。
複数言語教育
言語は環境から習得するものであるため,言語教育は多民族国家を維持・発展するための重要な一つとして重視されてきており,国家統-のために教育を通しての言語統一政策を強力に推進している。
スイスの例(多言語教育における問題)
スイスの公用語は、ドイツ語(63.7%)、フランス語(20.4%)、イタリア語(6.5%)、ロマンシュ語(0.5%)の4つであるとされている。ドイツ語圏ではフランス語、フランス語圏ではドイツ語、イタリア語圏ではドイツ語とフランス語が小学校で教えられてきた。しかし、小学校に英語を導入することが義務付けられ、ドイツ語圏では従来、英語は中学校からだったが、現在ドイツ語圏全州がフランス語より英語を先に教えている。 2004年に各州からなる「州教育委員会代表会議(EDK/CDIP)」が、英語を小学校に導入するという全国統一の言語教育方針を発表した途端に、かねてから独自に英語教育の推進を図ってきたチューリヒ州は、5年生から始まる公用語であるフランス語はそのままで、他州に先駆けて小学校2年生から英語を教えると決定した。州教育委員会代表会議の決定では、2013年までに小学校に導入すればよいというものだった。ただし、英語と公用語のどちらを先に教えるかは各州の判断であった。決定の背景には、チューリヒ州は国際企業が多いことなどから元々英語を重視していて、既に10年前に大学入学資格試験の英語での受験を可能にするなど、英語教育に力を入れてきたことが考えられる。 こうした英語重視の傾向に対して言語少数派のフランス語圏は、「公用語教育を軽視すればスイスの政治的統一がとれなくなる」「少数派の文化に対する打撃」「国の言葉を優先すべき」などと批判が今も続いている。このように公用語を先に教えることを重視する背景には、言語少数派の危機感があるというスイスでは、多数派言語のドイツ語ができなければ進学や就職、出世が困難になるため、フランス語圏においては、英語よりもまずドイツ語の習得が必要だとする声もある。そうした少数派の事情を考慮せずに、ドイツ語圏は独自の政治的判断を行う傾向があり、相互理解が不十分になれば、言語・多文化国家スイスの政治的統一の危機を招く、という危惧が一般的に言われてさえいる。
カナダの例
カナダでは、言語教育は重要な課題となっている。背景にはフランスやイギリスの植民地となった歴史がある。今では数多くの民族が共存する国家である。カナダでも、イギリスの植民地政策として、住民の言語を学校教育を通して英語に統一しようとした。しかし、フランスの植民地時代に成立していたフランス系社会の抵抗にあって成功せず、英語社会とフランス語社会の共存は公用語二言語主義にまで発展したため、連邦政府としての公用語は英語とフランス語の2言語である。州の公用語も別にあり、州によっては4つの公用語を有するところもある。連邦政府の多文化政策により、公用語以外の言語教育に対する援助は認められている。 公用語であるフランス語または英語を学習する生徒は、州によって異なるが、公用語をフランス語のみとするケベック州を除いた全国平均で、初等教育段階約60%、中等教育段階約50%、ケベック州では、初等教育段階約40%、中等教育段階100%である。英語系の学校には「フランチ・イマージョン・プログラム」という、小学校入学当初は教授用語をフランス語とし、学年が上がるにつれて漸次母語である英語を用いる教育課程であり、最終的には英仏両言語を自由に使用できる人材養成にもなっているものを、実施する学校もある。この公用語二言語主義は、カナダの言語教育の特徴であり、英仏両言語圏の文化・社会・経済などに関係するものとなっている。
≪参考≫
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=31139316
http://www.jpf.go.jp/j/about/survey/basic/canada/1-1.html
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