ツバル 水没問題

出典: Jinkawiki

(版間での差分)
2013年8月8日 (木) 14:21の版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

← 前の差分へ
最新版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

2 行 2 行
==== 温暖化と海面上昇 ==== ==== 温暖化と海面上昇 ====
- 近年進む急激な地球温暖化によって、標高の高い場所にある氷河や永久凍土など、陸地にあった氷が溶け出し海に流れ込んでいる。+近年進む急激な地球温暖化によって、標高の高い場所にある氷河や永久凍土など、陸地にあった氷が溶け出し海に流れ込んでいる。
年々海面が上昇し、このままのスピードで温暖化が進むと、ツバルのなかでも海抜の低い地域からだんだんと水没してやがてすべてが海のそこに沈んでしまうといわれている。そのため、ニュージーランドでは毎年ツバルの人を数十人ずつ移住させるプロジェクトを進めている。 年々海面が上昇し、このままのスピードで温暖化が進むと、ツバルのなかでも海抜の低い地域からだんだんと水没してやがてすべてが海のそこに沈んでしまうといわれている。そのため、ニュージーランドでは毎年ツバルの人を数十人ずつ移住させるプロジェクトを進めている。
==== 地盤沈下 ==== ==== 地盤沈下 ====
- 地球温暖化による海抜の低い地域の水没が世界的にも注目され話題になっているが、水没の原因は温暖化だけではなく、人為的な開発によるところが大きい。+地球温暖化による海抜の低い地域の水没が世界的にも注目され話題になっているが、水没の原因は温暖化だけではなく、人為的な開発によるところが大きい。
丈夫ではない珊瑚礁が基盤となっている島に、近代的な都市整備を行ったことでサンゴは削られ穴が開き、もろく崩れやすくなってしまっている。また、水没してしまう可能性の高いこの小さな島を一度訪れておこうと、沢山の旅行客が訪れている。 丈夫ではない珊瑚礁が基盤となっている島に、近代的な都市整備を行ったことでサンゴは削られ穴が開き、もろく崩れやすくなってしまっている。また、水没してしまう可能性の高いこの小さな島を一度訪れておこうと、沢山の旅行客が訪れている。
14 行 14 行
==== 深刻な環境問題 ==== ==== 深刻な環境問題 ====
- 資源はほとんどない変わりに、周辺環境にある自然の恵みを受けて暮してきたツバル人は、ヤシの葉さえも上手に利用してゴミをほとんど出さずに暮していた。よって、ツバルにはゴミの焼却施設がなかったのである。+資源はほとんどない変わりに、周辺環境にある自然の恵みを受けて暮してきたツバル人は、ヤシの葉さえも上手に利用してゴミをほとんど出さずに暮していた。よって、ツバルにはゴミの焼却施設がなかったのである。
しかし、近代化が進み観光客や輸入品が増えたため大量のゴミが発生するようになり、その大量ゴミは処理することが出来ず、野積みにされて放置されている。そのため、ゴミから出る有毒物質によって水質汚染が起こり、島の基盤になっているサンゴにダメージを与えるなど、周辺環境への様々な影響が問題となっている。 しかし、近代化が進み観光客や輸入品が増えたため大量のゴミが発生するようになり、その大量ゴミは処理することが出来ず、野積みにされて放置されている。そのため、ゴミから出る有毒物質によって水質汚染が起こり、島の基盤になっているサンゴにダメージを与えるなど、周辺環境への様々な影響が問題となっている。
==== 塩害・水問題 ==== ==== 塩害・水問題 ====
- すでに進行している海面上昇の影響で水没している地域も出てきているが、水没する前に温暖化で多発している津波や高波によって広範囲にダメージを受ける可能性も高いのである。海面が上がることで、元々土壌の少ないツバルの土地には塩分を含んだ水が上がってきてしまい、塩害によって畑では作物が育たなくなってしまう。+すでに進行している海面上昇の影響で水没している地域も出てきているが、水没する前に温暖化で多発している津波や高波によって広範囲にダメージを受ける可能性も高いのである。海面が上がることで、元々土壌の少ないツバルの土地には塩分を含んだ水が上がってきてしまい、塩害によって畑では作物が育たなくなってしまう。
また、珊瑚礁の島であるツバルは真水が少なく人口が集中すると生活用水をはじめ、国全体の水が足りなくなってしまう状態になってしまいかねない。 また、珊瑚礁の島であるツバルは真水が少なく人口が集中すると生活用水をはじめ、国全体の水が足りなくなってしまう状態になってしまいかねない。
==== 再生プロジェクト ==== ==== 再生プロジェクト ====
-プロジェクト概要+プロジェクト概要
- ホシズナは有孔虫という原生動物の一種で、星の形をした石灰質の殻を作り、これが死骸となって砂になる。ツバルの国土の3分の2は、実はこの有孔虫の死骸からできている。そこで、このプロジェクトでは、有孔虫を育てることによって砂の生産を増やし、島が本来持つ海面上昇に対応するための力の再生を目指している。主に、1.有孔虫が増殖しやすい環境を調査する生物学的な研究、2.その砂を、島周辺の海流がどのように運び積もらせるかの理解に基づいて有効に運ぶための海岸工学的な研究の2つの柱から成ります。 + 
 +ホシズナは有孔虫という原生動物の一種で、星の形をした石灰質の殻を作り、これが死骸となって砂になる。ツバルの国土の3分の2は、実はこの有孔虫の死骸からできている。そこで、このプロジェクトでは、有孔虫を育てることによって砂の生産を増やし、島が本来持つ海面上昇に対応するための力の再生を目指している。主に、1.有孔虫が増殖しやすい環境を調査する生物学的な研究、2.その砂を、島周辺の海流がどのように運び積もらせるかの理解に基づいて有効に運ぶための海岸工学的な研究の2つの柱から成ります。
 + 
海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験 海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験
- 海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験。有孔虫の定着度合いを確かめている。+ 
 +海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験。有孔虫の定着度合いを確かめている。
具体的には、水槽で有孔虫の育つ最適条件を調べつつ飼育し、それらの有孔虫を植え付けた藻状の人工マットを海岸に導入することで新たな生息場所を創り出したり、人工衛星によるリモートセンシングの画像などによって作成した有孔虫の生息分布図をもとに年間の砂生産量を予測したりすることで、島自体が本来持っている力を最大限に活かした対策を立てている。 具体的には、水槽で有孔虫の育つ最適条件を調べつつ飼育し、それらの有孔虫を植え付けた藻状の人工マットを海岸に導入することで新たな生息場所を創り出したり、人工衛星によるリモートセンシングの画像などによって作成した有孔虫の生息分布図をもとに年間の砂生産量を予測したりすることで、島自体が本来持っている力を最大限に活かした対策を立てている。

最新版

目次

ツバルが水没する原因

温暖化と海面上昇

近年進む急激な地球温暖化によって、標高の高い場所にある氷河や永久凍土など、陸地にあった氷が溶け出し海に流れ込んでいる。

年々海面が上昇し、このままのスピードで温暖化が進むと、ツバルのなかでも海抜の低い地域からだんだんと水没してやがてすべてが海のそこに沈んでしまうといわれている。そのため、ニュージーランドでは毎年ツバルの人を数十人ずつ移住させるプロジェクトを進めている。

地盤沈下

地球温暖化による海抜の低い地域の水没が世界的にも注目され話題になっているが、水没の原因は温暖化だけではなく、人為的な開発によるところが大きい。

丈夫ではない珊瑚礁が基盤となっている島に、近代的な都市整備を行ったことでサンゴは削られ穴が開き、もろく崩れやすくなってしまっている。また、水没してしまう可能性の高いこの小さな島を一度訪れておこうと、沢山の旅行客が訪れている。

この観光客を受け入れるために周辺の海を埋め立てて敷地や飛行場として大規模な土木工事を行い、島中から土を集めてしまった。そのため、地盤はさらに弱くなり海水による侵食が進みやすくなり、地盤沈下によって自ら沈んでしまう道を歩んでいる。

深刻な環境問題

資源はほとんどない変わりに、周辺環境にある自然の恵みを受けて暮してきたツバル人は、ヤシの葉さえも上手に利用してゴミをほとんど出さずに暮していた。よって、ツバルにはゴミの焼却施設がなかったのである。 しかし、近代化が進み観光客や輸入品が増えたため大量のゴミが発生するようになり、その大量ゴミは処理することが出来ず、野積みにされて放置されている。そのため、ゴミから出る有毒物質によって水質汚染が起こり、島の基盤になっているサンゴにダメージを与えるなど、周辺環境への様々な影響が問題となっている。

塩害・水問題

すでに進行している海面上昇の影響で水没している地域も出てきているが、水没する前に温暖化で多発している津波や高波によって広範囲にダメージを受ける可能性も高いのである。海面が上がることで、元々土壌の少ないツバルの土地には塩分を含んだ水が上がってきてしまい、塩害によって畑では作物が育たなくなってしまう。

また、珊瑚礁の島であるツバルは真水が少なく人口が集中すると生活用水をはじめ、国全体の水が足りなくなってしまう状態になってしまいかねない。

再生プロジェクト

プロジェクト概要

ホシズナは有孔虫という原生動物の一種で、星の形をした石灰質の殻を作り、これが死骸となって砂になる。ツバルの国土の3分の2は、実はこの有孔虫の死骸からできている。そこで、このプロジェクトでは、有孔虫を育てることによって砂の生産を増やし、島が本来持つ海面上昇に対応するための力の再生を目指している。主に、1.有孔虫が増殖しやすい環境を調査する生物学的な研究、2.その砂を、島周辺の海流がどのように運び積もらせるかの理解に基づいて有効に運ぶための海岸工学的な研究の2つの柱から成ります。


海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験

海岸に新しい有孔虫の生息場所を作る実験。有孔虫の定着度合いを確かめている。 具体的には、水槽で有孔虫の育つ最適条件を調べつつ飼育し、それらの有孔虫を植え付けた藻状の人工マットを海岸に導入することで新たな生息場所を創り出したり、人工衛星によるリモートセンシングの画像などによって作成した有孔虫の生息分布図をもとに年間の砂生産量を予測したりすることで、島自体が本来持っている力を最大限に活かした対策を立てている。

参考資料 http://www.plus-ondanka.net/e01_tuvalu.html

http://www.jst.go.jp/global/case/environment_energy_3.html


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成