大気汚染6
出典: Jinkawiki
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大気汚染とは
自然や人間が作り出した供給源から、大気中に放出された化学物質や微粒子をさす。これらの汚染物質はまだ人間の数が少なかった時代には、自然の浄化作用によって大気の質は保たれていた。しかし、文明の発展により人間は自然の浄化作用を上回って汚染物を出すようになった。大気中に排出された物質の量が自然の浄化作用を上回り、人間や生態系などに影響を及ぼすレベルに達したときに大気汚染が発生する。最初に大気汚染が大きな社会問題となったのは、産業革命による大量の石炭燃焼がもたらす煤煙である。その後、石炭が石油に変わり、大気汚染の内容も煤塵から硫黄酸化物へと変化していった。
大気汚染の発生源
大気を汚染する物質はさまざまあるが、どこから発生するのかという発生源で分類すると、自然起源と人為起源に分けられる。人為起源では、化石燃料の燃焼による排出物、生産活動により生成するガスや粉塵、廃棄物の処理に伴う粉塵や化学物質などがある。自然起源では、砕け散る波から生じた塩の粒子、植物から放出される花粉や胞子、森林火災による煙、風が運ぶほこり、火山灰などがある。また、大気汚染物質は発生源から直接発生するものと、環境大気中において化学変化により生成する二次汚染物質に分けられる。形態的にはガス状物質と粒子状物質がある。都市大気汚染の主要な発生源は自動車である。個々の自動車の単位排気量あたりの大気汚染物質排出濃度は、排ガス対策技術の進歩により低減したが、自動車台数の増加や大型化、大都市地域での交通渋滞などによって、大気中における窒素酸化物による大気汚染はあまり改善されていない。
大気汚染物質
人の健康に影響を及ぼす代表的な大気汚染物質については環境基準が定められており、環境中の濃度がその値を超えないように監視さえている。環境基準は人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい上限基準として、環境基本法第十六条に基づいて定められている。日本では1998年8月までで、二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化炭素、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの各物質に関して環境基準値が非メタン炭化水素、ダイオキシンに関しては指針値が定められている。環境基準値や指針値が定められている物質に関しては、一時間値、日平均値、年平均値などについての地上における環境濃度が評価される。
参考文献
広域大気汚染ーそのメカニズムから植物への影響までー 若松 伸司・篠崎 光夫 裳華房
温室の中の地球 Jon Erickson オーム社