BRICs4

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2014年7月25日 (金) 20:58の版
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BRICs(ブリックス)とは、21世紀に著しい経済成長が見込まれるブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4か国の総称。2003年10月に、米国のゴールドマン・サックス経済調査部による、「Dreaming with BRICs: The Path to 2050(BRICsについての大胆な予測:2050年への道程)」と題する調査レポートにおいて、世界で初めてBRICsという名称が用いられた。同レポートでは、今後の世界経済にとって極めて大きな存在になりうる4か国の経済成長について述べられた。レポートの発表後、BRICsという名称は、成長が著しい発展途上国の代名詞として数多くのメディアに取り上げられ、世界中に馴染みのある言葉として浸透した。 BRICs(ブリックス)とは、21世紀に著しい経済成長が見込まれるブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4か国の総称。2003年10月に、米国のゴールドマン・サックス経済調査部による、「Dreaming with BRICs: The Path to 2050(BRICsについての大胆な予測:2050年への道程)」と題する調査レポートにおいて、世界で初めてBRICsという名称が用いられた。同レポートでは、今後の世界経済にとって極めて大きな存在になりうる4か国の経済成長について述べられた。レポートの発表後、BRICsという名称は、成長が著しい発展途上国の代名詞として数多くのメディアに取り上げられ、世界中に馴染みのある言葉として浸透した。
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この4か国で経済発展が見込まれる理由の共通点としては、国土が広大で、天然資源が豊富である、人口が多く、若い労働力が豊富にある、労働力単価が安く、低コストで製品を生産できる、人口が多く、市場としても有望である、という点が挙げられる。 この4か国で経済発展が見込まれる理由の共通点としては、国土が広大で、天然資源が豊富である、人口が多く、若い労働力が豊富にある、労働力単価が安く、低コストで製品を生産できる、人口が多く、市場としても有望である、という点が挙げられる。
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また、BRICsの成長スタイルは2つのタイプに分けられる。ひとつは中国とインドでの、生産力を武器にするタイプである。安価な労働力で、この2か国は先進国の生産工場としての機能を満たし、著しい発展を成し得ている。対してロシアとブラジルは、資源の輸出を中心として経済成長を続けている。ロシアでは原油や天然ガスの生産高が世界一であり、ブラジルも鉄鉱石の輸出量が世界一であるなど、両国においての豊富な天然資源の輸出が、経済成長を支えている。 また、BRICsの成長スタイルは2つのタイプに分けられる。ひとつは中国とインドでの、生産力を武器にするタイプである。安価な労働力で、この2か国は先進国の生産工場としての機能を満たし、著しい発展を成し得ている。対してロシアとブラジルは、資源の輸出を中心として経済成長を続けている。ロシアでは原油や天然ガスの生産高が世界一であり、ブラジルも鉄鉱石の輸出量が世界一であるなど、両国においての豊富な天然資源の輸出が、経済成長を支えている。
- +また、最後の「s」は単に複数形を現すSではなく、他の4カ国同様に急成長を続けている南アフリカ(SouthAfrica)のSとし、BRICSと記載されるべきである、という意見もある。
== 各国の特徴 == == 各国の特徴 ==
◆ブラジル ◆ブラジル
-豊富な天然資源を有し、特に鉄鉱石の埋蔵量は世界の4分の1を占めると推定されていて、鉄鉱石の輸出量は世界一である。現在、世界的な鉱山資源の不足であるが、その価格高騰が、ブラジル経済にとって大きなプラスとなっている。1998年8月の通貨危機により、通貨=レアルの為替相場は一時80パーセントもの大暴落に見舞われたが、IMF(国際通貨基金)の金融支援を受けたことにより、債務不履行を避けることができた。その後、財政の立て直しは着々と進んでいき、レアルの価値は安定化して、2005年度よりIMFの支援を打ち切ることができた。+豊富な天然資源を有し、特に鉄鉱石の埋蔵量は世界の4分の1を占めると推定されていて、鉄鉱石の輸出量は世界一である。現在、世界的な鉱山資源の不足であるが、その価格高騰が、ブラジル経済にとって大きなプラスとなっている。1998年8月の通貨危機により、通貨=レアルの為替相場は一時80%もの大暴落に見舞われたが、IMF(国際通貨基金)の金融支援を受けたことにより、債務不履行を避けることができた。その後、財政の立て直しは着々と進んでいき、レアルの価値は安定化して、2005年度よりIMFの支援を打ち切ることができた。
◆ロシア ◆ロシア
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◆中国 ◆中国
-BRICs諸国の中でも、最も経済成長が著しい。近年の改革開放政策によって年平均10パーセント前後の高度成長を続けている。国連の常任理事国でもあり、発展途上国の立場でありながらも国際社会での発言力は強大なものである。中国経済の最大の武器である安い労働力を生かして安価に製品を製造することが可能であり、世界中の大企業は製造コストの削減を図るために製品の生産拠点を中国に移している。そのため、世界の工場とまで呼ばれるようになった。この目覚ましい経済成長により、失業率はわずか4%と低い水準である。また、13億人を超える人口を持ち、この人口も当面増え続けると推測されているため、今後は「市場(消費地)」として世界経済に大きな影響を与えるであろうと言われている。しかし、資本主義と社会主義が入り混じった、様々なひずみを生む危うい政治体制が続いているため、今後もこのような高い経済成長が続く保証はないと言われているのも事実である。+BRICs諸国の中でも、最も経済成長が著しい。近年の改革開放政策によって年平均10%前後の高度成長を続けている。国連の常任理事国でもあり、発展途上国の立場でありながらも国際社会での発言力は強大なものである。中国経済の最大の武器である安い労働力を生かして安価に製品を製造することが可能であり、世界中の大企業は製造コストの削減を図るために製品の生産拠点を中国に移している。そのため、世界の工場とまで呼ばれるようになった。この目覚ましい経済成長により、失業率はわずか4%と低い水準である。また、13億人を超える人口を持ち、この人口も当面増え続けると推測されているため、今後は「市場(消費地)」として世界経済に大きな影響を与えるであろうと言われている。しかし、資本主義と社会主義が入り混じった、様々なひずみを生む危うい政治体制が続いているため、今後もこのような高い経済成長が続く保証はないと言われているのも事実である。
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 +◆南アフリカ共和国
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 +豊富な天然資源を武器に高成長を続けている。その高い成長率から、BRICsの最後の「s」を南アフリカ(SouthAfrica)のSとすべであるという意見もある。しかし、南アフリカ国内では経済格差・雇用格差の問題が存在する。1991年にアパルトヘイトは廃止されており、名目上、人種差別は撤廃されているが、依然として差別は存在し、そのため経済格差・雇用格差が大きくなり、黒人の住む地域では失業率の劇的な悪化で、犯罪多発の元凶となってしまっている。失業率においては、南アフリカ全体で25%程度と推測されているが、ヨハネスブルグでの黒人の失業率は40%に上るとも言われている。そのため、雇用対策こそが南アフリカが抱える最大の問題点である。
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 +== 今後のBRICs==
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 +・2050年には世界のGDPランキング上位10ヵ国のうち、6ヵ国はBRICsを中心に、現在の「新興国」が占めると推測されている。
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 +・すでに世界人口の約43%を占めているBRICsは、今後さらに生産年齢人口(15歳~64歳)が増加することにより、生産性の拡大とともに消費需要の増大が期待される。
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 +・BRICsを含む人口の多い新興国の経済成長は、中間所得層の増大をもたらすため、2030年までに新たに20億人以上が世界の中間所得層に加わると予想されている。
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 +・新興国が中心となって世界の総人口は今後も増加し続け、2030年には約80億人を超え、そのうち約60%以上が都市部に住むと予測されている。世界的な人口の増加や都市化の発展から、持続的な「インフラ投資」や資源需要の拡大が予想される。
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 +== 参考文献 ==
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 +BRICs辞典 http://www.brics-jp.com/
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 +BRICsを知る4つのポイント - 三井住友銀行 http://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/pickup/tokushu/brics/point.html
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 +“BRICs”、“ネクスト11” - Goldman Sachs http://www.goldmansachs.com/japan/gsitm/column/emerging/brics/
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 +h.n miya

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目次

概要

BRICs(ブリックス)とは、21世紀に著しい経済成長が見込まれるブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4か国の総称。2003年10月に、米国のゴールドマン・サックス経済調査部による、「Dreaming with BRICs: The Path to 2050(BRICsについての大胆な予測:2050年への道程)」と題する調査レポートにおいて、世界で初めてBRICsという名称が用いられた。同レポートでは、今後の世界経済にとって極めて大きな存在になりうる4か国の経済成長について述べられた。レポートの発表後、BRICsという名称は、成長が著しい発展途上国の代名詞として数多くのメディアに取り上げられ、世界中に馴染みのある言葉として浸透した。 この4か国で経済発展が見込まれる理由の共通点としては、国土が広大で、天然資源が豊富である、人口が多く、若い労働力が豊富にある、労働力単価が安く、低コストで製品を生産できる、人口が多く、市場としても有望である、という点が挙げられる。 また、BRICsの成長スタイルは2つのタイプに分けられる。ひとつは中国とインドでの、生産力を武器にするタイプである。安価な労働力で、この2か国は先進国の生産工場としての機能を満たし、著しい発展を成し得ている。対してロシアとブラジルは、資源の輸出を中心として経済成長を続けている。ロシアでは原油や天然ガスの生産高が世界一であり、ブラジルも鉄鉱石の輸出量が世界一であるなど、両国においての豊富な天然資源の輸出が、経済成長を支えている。

また、最後の「s」は単に複数形を現すSではなく、他の4カ国同様に急成長を続けている南アフリカ(SouthAfrica)のSとし、BRICSと記載されるべきである、という意見もある。

各国の特徴

◆ブラジル

豊富な天然資源を有し、特に鉄鉱石の埋蔵量は世界の4分の1を占めると推定されていて、鉄鉱石の輸出量は世界一である。現在、世界的な鉱山資源の不足であるが、その価格高騰が、ブラジル経済にとって大きなプラスとなっている。1998年8月の通貨危機により、通貨=レアルの為替相場は一時80%もの大暴落に見舞われたが、IMF(国際通貨基金)の金融支援を受けたことにより、債務不履行を避けることができた。その後、財政の立て直しは着々と進んでいき、レアルの価値は安定化して、2005年度よりIMFの支援を打ち切ることができた。

◆ロシア

石油や天然ガスなどの豊富な鉱山資源を有していて、世界的な鉱山価格の高騰が経済を後押しし、経済成長が続いている。また、BRICsの定義である「新興国」という枠に、ロシアを当てはめるのは適当ではないと言う意見も多い。その理由として、国連の常任理事国であり、サミット(先進国首脳会議)のメンバーでもある、という点が挙げられる。しかし、ロシアはまだ先進国とは言えない面が残っていることも事実である。その原因は、旧ソ連時代の社会主義政策の影響であると考えられる。社会主義政策での平等主義が国民の労働意識を削ぎ、経済成長を遅らせてしまったという背景がある。また、ロシアの人口増加率の低さが経済成長にとってマイナスになっているのも事実である。出生率(合計特殊出生率=一人の女性が生む子供の数)が1.3人と低く、また、自殺率が世界で3番目に高いということが理由として挙げられる。

◆インド

人口は11億人と多く世界第2位であり、平均寿命も上昇傾向。労働力が安価で豊富であることから、経済発展を遂げつつある。しかしBRICs諸国の中でも、最も経済発展が遅れているのが事実である。一部の大都市以外では、道路や上下水道、電気などの社会インフラが行き渡っていないことに加えて、貧困層の数がとても多く、失業率は50%を超えると言われている。他のBRICs諸国である中国やロシアなど「先進国」と呼んでも過言ではない国々と同じ括りにするのは不適切だと言う声もある。言語においては、公用語のヒンディー語に加え、英語も第二言語と言えるくらいに広く普及している。英語を使いこなせることで世界のビジネスシーンに進出しやすくなり、近年ではIT企業を中心に、先進国の大企業に勤めるインド人が増加してきている。

◆中国

BRICs諸国の中でも、最も経済成長が著しい。近年の改革開放政策によって年平均10%前後の高度成長を続けている。国連の常任理事国でもあり、発展途上国の立場でありながらも国際社会での発言力は強大なものである。中国経済の最大の武器である安い労働力を生かして安価に製品を製造することが可能であり、世界中の大企業は製造コストの削減を図るために製品の生産拠点を中国に移している。そのため、世界の工場とまで呼ばれるようになった。この目覚ましい経済成長により、失業率はわずか4%と低い水準である。また、13億人を超える人口を持ち、この人口も当面増え続けると推測されているため、今後は「市場(消費地)」として世界経済に大きな影響を与えるであろうと言われている。しかし、資本主義と社会主義が入り混じった、様々なひずみを生む危うい政治体制が続いているため、今後もこのような高い経済成長が続く保証はないと言われているのも事実である。

◆南アフリカ共和国

豊富な天然資源を武器に高成長を続けている。その高い成長率から、BRICsの最後の「s」を南アフリカ(SouthAfrica)のSとすべであるという意見もある。しかし、南アフリカ国内では経済格差・雇用格差の問題が存在する。1991年にアパルトヘイトは廃止されており、名目上、人種差別は撤廃されているが、依然として差別は存在し、そのため経済格差・雇用格差が大きくなり、黒人の住む地域では失業率の劇的な悪化で、犯罪多発の元凶となってしまっている。失業率においては、南アフリカ全体で25%程度と推測されているが、ヨハネスブルグでの黒人の失業率は40%に上るとも言われている。そのため、雇用対策こそが南アフリカが抱える最大の問題点である。

今後のBRICs

・2050年には世界のGDPランキング上位10ヵ国のうち、6ヵ国はBRICsを中心に、現在の「新興国」が占めると推測されている。

・すでに世界人口の約43%を占めているBRICsは、今後さらに生産年齢人口(15歳~64歳)が増加することにより、生産性の拡大とともに消費需要の増大が期待される。

・BRICsを含む人口の多い新興国の経済成長は、中間所得層の増大をもたらすため、2030年までに新たに20億人以上が世界の中間所得層に加わると予想されている。

・新興国が中心となって世界の総人口は今後も増加し続け、2030年には約80億人を超え、そのうち約60%以上が都市部に住むと予測されている。世界的な人口の増加や都市化の発展から、持続的な「インフラ投資」や資源需要の拡大が予想される。


参考文献

BRICs辞典 http://www.brics-jp.com/

BRICsを知る4つのポイント - 三井住友銀行 http://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/pickup/tokushu/brics/point.html

“BRICs”、“ネクスト11” - Goldman Sachs http://www.goldmansachs.com/japan/gsitm/column/emerging/brics/


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