日本の高齢化社会

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日本の高齢化社会

日本の高齢化の背景

 高齢化社会とは人口構成において老年人口が増加した社会を意味する。日本では65歳以上の老齢人口の比率は1970年には国連の定める高齢社会の基準である7%を越え、高齢化社会に突入した。さらにそれからわずか24年後の1994年には14%に達し、さらに高齢社会はすすんだ。現在は超高齢化社会ともいえる。こうした背景には医学の進歩や衛生状態の改善、健康管理の徹底などにより平均寿命が伸びたことにある。さらに最も大きな要因はこの間における出生児数の減少であることにもある。

日本の高齢化の進展の特徴

 日本の高齢化の進展の特徴は大きく3点あげられる。  その第1は、高齢化のスピードがほかの先進諸国には無い早さであるということである。この高齢化国にふさわしい公共建築や交通手段のバリアフリー化などの社会資本の整備は間に合わず、公的な介護システムもようやく介護保険により制度化されたばかりである。  第2の特徴には高齢化の中でも、後期高齢者(75歳以上)、超高齢者(85歳以上)の増加が著しいということをあげられる。今後もその数が伸びていくと予測され、寝たきりや認知症などの要介護高齢者の数も増加していくと予測されている。そのため急激に増大する医療費や介護支援費用を誰がどのようにして負担するのかというだけでなく、医師や看護士、介護福祉士等のその担い手の養成、確保も大きな課題となっている。  第3の特徴には、高齢化の進展が子どもとの同居を前提に、子どもに扶養してもらい介護を受けることが当然とされる社会から、急速に核家族化、単身化による家族規模の縮小、生活の個人化が発展したことに関連した問題点があげられる。そのため老老介護や孤独死、介護保険制度の不足が問題となってくる。


高齢者福祉サービスの課題

 高齢者福祉サービスにおいて課題は3点あげられる。 第1に介護福祉サービスの質、内容、施設運営を利用者の視点で見直さなくてはならないということである。ハードな労働時間や仕事に見合わない報酬、人間関係の不和などから職員不足の問題もあり、フィリピンやインドネシアからの介護職員の受け入れもはじまっており、施設職員のサービスの質をどう一定に保つかが大きな課題となっている。 第2に高齢者の医療費の自己負担の増額の問題があげられる。高齢者の増大にともない日本の国民医療費は急増している。そのため国の予算だけではまかないきれず、医療費の自己負担の大幅な増額が予測されている。病気になっても医療機関にかかれない高齢者が今後は増加するのではないかと懸念されている。 第3に介護施設の不足があげられる。24時間のケアーを考えると施設サービスの方が在宅サービスよりも安くつくため、施設への入所希望者が増加し、施設の建設が間にあわない状況が全国に広がり、待機者が数十万人にのぼっている。


参考文献

・櫻井慶一(2014.4.10)『初めての社会福祉 増補改訂版』学文社

・池田敬正(1994.5.1)『日本における社会福祉のあゆみ』法律文化社


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