絶滅危惧種2

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== 絶滅危惧種とは == == 絶滅危惧種とは ==
- さまざまな要因により、個体数が減少し絶滅の危機に瀕している種・亜種を指す。進化の過程では絶滅することも自然のプロセスだが、今日の絶滅は、自然のプロセスとはまったく異なり、さまざまな人間活動の影響のもと、かつてない速さと規模で進んでおり、絶滅の防止は地球環境保全上の重要な課題となっている。+ さまざまな要因により、個体数が減少し絶滅の危機に瀕している種・亜種を指す。進化の過程では絶滅することも自然のプロセスだが、今日の絶滅は自然のプロセスとはまったく異なり、さまざまな人間活動の影響のもと、かつてない速さと規模で進んでいる。絶滅の防止は地球環境保全上の重要な問題となっている。では、なぜ問題なのか。それは生物多様性のバランスが保たれている時、地球上の生き物は相互依存して生きられるが、バランスが崩れるとそれは難しくなるからだ。そして、地上の生物の絶滅は最終的には人類の存続に関わってくる。つまり、絶滅しても良い動物はいない。
== 国際自然保護連合(IUCN) == == 国際自然保護連合(IUCN) ==
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== レッドリスト == == レッドリスト ==
- 「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」(以下レッドリスト)とは、IUCNの種の保存委員会(SSC)が提供する、自然保護の優先順位を決定する手助けをするもの。レッドリストは、絶滅の危機にさらされている植物や動物の種のパーセンテージを分析し、生物多様性の損失について統計上の警告を出す。すべての種の状態、とりわけ、樹木や淡水の生物といった具体的なグループを監視することは、地球規模での保護の優先度を識別する助けになる。+ 「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」(以下、レッドリスト)とは、IUCNの種の保存委員会(SSC)が提供する、自然保護の優先順位を決定する手助けをするもの。レッドリストは、絶滅の危機にさらされている植物や動物の種のパーセンテージを分析し、生物多様性の損失について統計上の警告を出す。すべての種の状態、とりわけ、樹木や淡水の生物といった具体的なグループを監視することは、地球規模での保護の優先度を識別する助けになる。2014年のレッドリストには動物、植物など合計約2万2千種以上記載された。レッドリストの項目は以下の通り。
-''' レッドリストの項目'''+'''絶滅 Extinct(EX)''' すでに絶滅したと考えられる種。
-'' 絶滅 Extinct(EX)'' すでに絶滅したと考えられる種。 +
- +
-Extinct in Wild(EW)+
- 飼育・栽培下であるいは過去の分布域外に、個体(個体群)が帰化して生息している状態のみ生存している種。 +'''野生絶滅 Extinct in Wild(EW)''' 飼育・栽培下であるいは過去の分布域外に、個体(個体群)が帰化して生息している状態のみ生存している種。
-絶滅危惧IA類 +
-Critically Endangered(CR)+
- ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。 +'''絶滅危惧IA類 Critically Endangered(CR)''' ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
-絶滅危惧IB類 +
-Endangered(EN)+
- ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。 +'''絶滅危惧IB類 Endangered(EN)''' ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。
-絶滅危惧Ⅱ類 +
-Vulnerable(VU)+
- 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。+'''絶滅危惧Ⅱ類 Vulnerable(VU)''' 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。
- +'''準絶滅危惧 Near Threatened(NT)''' 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。
-準絶滅危惧 +
-Near Threatened(NT)+
- 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。+'''軽度懸念 Least Concern(LC)''' 基準に照らし、上記のいずれにも該当しない種。分布が広いものや、個体数の多い種がこのカテゴリーに含まれる。
- +'''情報不足 Data Deficient(DD)''' 評価するだけの情報が不足している種。
-軽度懸念(LC)+
- 基準に照らし、上記のいずれにも該当しない種。分布が広いものや、個体数の多い種がこのカテゴリーに含まれる。+== 日本における絶滅危惧種 ==
 + 日本では2007年10月時点の環境省によるレッドリストによると、約2100種数記載されている。その中のいくつかを紹介する。
- +'''アオウミガメ''' カメ目ウミガメ科
-情報不足 + アオウミガメの肉や卵は、昔から食用として人気があった。そのため、たくさんのアオウミガメが捕まり、数が減少。また、砂浜が少なくなっていることも一つの原因。卵は砂浜で産むため、コンクリートの海岸では産卵ができない。
-Data Deficient(DD) 評価するだけの情報が不足している種。 +
 +'''ノグチゲラ''' キツツキ目キツツキ科
 + 沖縄本島のみにすむキツツキ。人間が島の外から持ち込んだ動物に襲われてしまう。また、ハシブトガラスがノグチゲラの巣を襲うことも分かっており、数は増加する一方。原因の一つは、人間が捨てるごみである。そのため、少しでもごみを減らすことが大切になってくる。
 +'''オオワシ''' タカ目タカ科
 + 環境破壊により、巣を作る森やエサの魚が減少。そのため、立派なくちばしと爪でサケなどの大型の魚や子どものアザラシを捕まえることが得意だったが、環境破壊には勝つことができなかった。現在5000羽ほどにまで減少。
-[http://www.pz-garden.stardust31.com/zetumetu.html]+'''タンチョウ''' ツル目 ツル科
-[http://www.eic.or.jp/]+ 湿地が減って田んぼになってしまったり、人間の食料として捕まったりしたために、日本では絶滅したと思われていたが、保護活動で少しずつ数は増加。現在、1000羽以上。しかし、日本以外の国では湿地が畑や工場になってしまい、減少し始めている。
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 +'''ツキノワグマ''' 食肉目(ネコ目)クマ科
 + 森林の減少や、薬にするための狩猟によって絶滅の危機があるツキノワグマ。森林伐採によって、主な食べ物の木の実や果実が実らなくなり、お腹をすかせて人里に来てしまう。[[画像:ツキノワグマ.jpg]]
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 +== 国内希少野生動植物 ==
 + 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律では、日本に生息する絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」に指定し、捕獲や譲渡し等を禁止している。
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 +== 減少してしまう原因 ==
 + 私たち人間が豊かな生活を望むが故に、動物や植物たちの居場所がなくなってしまっている。その主な理由は下記にある通り。
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 +'''乱獲''' 食料はもちろん、毛皮や装飾品、インテリアとして高価で売れるため。保護されるようになってからも、監視の網をくぐって密猟者は動物たちを捕獲。既に絶滅したり、動物園でしか見られなくなった動物の数が増加。
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 +'''外来種''' 本来の生息地ではない場所に、人間が意図的に外来種を持ち込むのは非常に危険。大抵の在来種の生息地が乗っ取られ、免疫の無い病気が広まる可能性も高い。沖縄で、ハブを退治しようとして持ち込んだマングースが、ヤンバルクイナやアマミノクロウサギを襲ったというような事例がある。
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 +'''人口増加''' 20世紀、特に第二次世界大戦後は「人口爆発」と呼ばれる勢いで人口が増加。1950年には50億人、2000年には61億人を突破。2050年には90億人を突破すると予測されている。つまり、人間が生活圏を広げる=他の生き物の生息地が無くなるということ。さらに、ある種の絶滅により関連する別の種が絶滅するという連鎖反応が生じる。
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 +'''地球温暖化''' 地球の急激な温暖化により、ある動物は食べ物を失い、住む場所さえ失うことになる。
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 +'''環境破壊''' 家庭廃水や工場排水、農薬汚染などによる環境破壊。
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 +'''森林破壊''' 森林の役割は、動物たちの生活を守る、光合成によって酸素を生み出す、雨水を地下に溜めこんで川に流れこむ水の量を安定させるなど。しかし、牧場や農場を開拓するためや、道路や住宅地の開発、家具や家の材料、紙の原料にすることなどの理由で森林破壊が考えられる。
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 +'''酸性雨''' 湖や沼が汚れて魚などが住めなくなったり、植物が枯れてしまったりする。酸性雨とは、自動車や工場から出る廃棄ガスなどが、空気中で酸性の物質に変化し、雨に混じって降ること。
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 +== 私たちができること ==
 + 絶滅危惧種の原因を辿ってみると、すべて人間に端を発するものである。私たちができることはなんだろうか。
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 +'''地球環境を守る''' 細かくいうと、ごみを減らす、節水節電を意識する。また、移動手段としてできる限り、公共交通機関や自転車もしくは徒歩を心がけるなど。地球環境を守ることは、生物多様性を守ることにつながる。 
 + 
 +'''無駄を出さない''' 修理して使えるものは何度も使ったり、無駄な包装をしている商品は買わないなど。
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 +'''外来種のペットを飼わない''' 珍しいからという理由だけで、外来種のペットを飼わないこと。
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 +''ミドリガメの例'' 正式にはアカミミガメという外来種。買ったときは5センチほどだが、30センチほどまで成長する。寿命は約40年。多くの人が持て余して川に放した結果、在来種のイシガメは絶滅危惧種に。そのため環境省はミドリガメをカミツキガメなどとともに、輸入・販売と飼育を規制することにした。
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 +== 参考文献 ==
 + 
 +『絶滅危機生物の世界地図』 Richard Mackay[著] 武田正倫、川田伸一郎訳 東京:丸善
 + 
 +『「図説」生物多様性と現代社会:「生命(いのち)の環」30の物語』 小島望著 東京:農山漁村文化協会
 + 
 +== 外部リンク ==
 + 
 +[http://www.iucn.jp/about-iucn-13.html]IUCNとは-IUCN日本委員会
 + 
 +[http://www.eic.or.jp/]EICネット
 + 
 +[http://www.konicaminolta.jp/kids/animals/index.html]絶滅危惧動物図鑑 みんなで守ろうぼくらのなかま
 + 
 +[http://http://www.env.go.jp/index.html]環境省へようこそ!
 + 
 +[https://www.wwf.or.jp/]WWFジャパン

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目次

絶滅危惧種とは

 さまざまな要因により、個体数が減少し絶滅の危機に瀕している種・亜種を指す。進化の過程では絶滅することも自然のプロセスだが、今日の絶滅は自然のプロセスとはまったく異なり、さまざまな人間活動の影響のもと、かつてない速さと規模で進んでいる。絶滅の防止は地球環境保全上の重要な問題となっている。では、なぜ問題なのか。それは生物多様性のバランスが保たれている時、地球上の生き物は相互依存して生きられるが、バランスが崩れるとそれは難しくなるからだ。そして、地上の生物の絶滅は最終的には人類の存続に関わってくる。つまり、絶滅しても良い動物はいない。

国際自然保護連合(IUCN)

 国際自然保護連合(以下IUCN)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークのこと。IUCNは、International Union for Conservation of Natureの略であり、自然保護に関する世界最大のネットワークでもある。

レッドリスト

 「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」(以下、レッドリスト)とは、IUCNの種の保存委員会(SSC)が提供する、自然保護の優先順位を決定する手助けをするもの。レッドリストは、絶滅の危機にさらされている植物や動物の種のパーセンテージを分析し、生物多様性の損失について統計上の警告を出す。すべての種の状態、とりわけ、樹木や淡水の生物といった具体的なグループを監視することは、地球規模での保護の優先度を識別する助けになる。2014年のレッドリストには動物、植物など合計約2万2千種以上記載された。レッドリストの項目は以下の通り。

絶滅 Extinct(EX) すでに絶滅したと考えられる種。

野生絶滅 Extinct in Wild(EW) 飼育・栽培下であるいは過去の分布域外に、個体(個体群)が帰化して生息している状態のみ生存している種。

絶滅危惧IA類 Critically Endangered(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。

絶滅危惧IB類 Endangered(EN) ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。

絶滅危惧Ⅱ類 Vulnerable(VU) 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。

準絶滅危惧 Near Threatened(NT) 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。

軽度懸念 Least Concern(LC) 基準に照らし、上記のいずれにも該当しない種。分布が広いものや、個体数の多い種がこのカテゴリーに含まれる。

情報不足 Data Deficient(DD) 評価するだけの情報が不足している種。

日本における絶滅危惧種

 日本では2007年10月時点の環境省によるレッドリストによると、約2100種数記載されている。その中のいくつかを紹介する。

アオウミガメ カメ目ウミガメ科  アオウミガメの肉や卵は、昔から食用として人気があった。そのため、たくさんのアオウミガメが捕まり、数が減少。また、砂浜が少なくなっていることも一つの原因。卵は砂浜で産むため、コンクリートの海岸では産卵ができない。

ノグチゲラ キツツキ目キツツキ科  沖縄本島のみにすむキツツキ。人間が島の外から持ち込んだ動物に襲われてしまう。また、ハシブトガラスがノグチゲラの巣を襲うことも分かっており、数は増加する一方。原因の一つは、人間が捨てるごみである。そのため、少しでもごみを減らすことが大切になってくる。

オオワシ タカ目タカ科  環境破壊により、巣を作る森やエサの魚が減少。そのため、立派なくちばしと爪でサケなどの大型の魚や子どものアザラシを捕まえることが得意だったが、環境破壊には勝つことができなかった。現在5000羽ほどにまで減少。

タンチョウ ツル目 ツル科  湿地が減って田んぼになってしまったり、人間の食料として捕まったりしたために、日本では絶滅したと思われていたが、保護活動で少しずつ数は増加。現在、1000羽以上。しかし、日本以外の国では湿地が畑や工場になってしまい、減少し始めている。

ツキノワグマ 食肉目(ネコ目)クマ科  森林の減少や、薬にするための狩猟によって絶滅の危機があるツキノワグマ。森林伐採によって、主な食べ物の木の実や果実が実らなくなり、お腹をすかせて人里に来てしまう。画像:ツキノワグマ.jpg  

国内希少野生動植物

 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律では、日本に生息する絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」に指定し、捕獲や譲渡し等を禁止している。

減少してしまう原因

 私たち人間が豊かな生活を望むが故に、動物や植物たちの居場所がなくなってしまっている。その主な理由は下記にある通り。

乱獲 食料はもちろん、毛皮や装飾品、インテリアとして高価で売れるため。保護されるようになってからも、監視の網をくぐって密猟者は動物たちを捕獲。既に絶滅したり、動物園でしか見られなくなった動物の数が増加。

外来種 本来の生息地ではない場所に、人間が意図的に外来種を持ち込むのは非常に危険。大抵の在来種の生息地が乗っ取られ、免疫の無い病気が広まる可能性も高い。沖縄で、ハブを退治しようとして持ち込んだマングースが、ヤンバルクイナやアマミノクロウサギを襲ったというような事例がある。

人口増加 20世紀、特に第二次世界大戦後は「人口爆発」と呼ばれる勢いで人口が増加。1950年には50億人、2000年には61億人を突破。2050年には90億人を突破すると予測されている。つまり、人間が生活圏を広げる=他の生き物の生息地が無くなるということ。さらに、ある種の絶滅により関連する別の種が絶滅するという連鎖反応が生じる。

地球温暖化 地球の急激な温暖化により、ある動物は食べ物を失い、住む場所さえ失うことになる。

環境破壊 家庭廃水や工場排水、農薬汚染などによる環境破壊。

森林破壊 森林の役割は、動物たちの生活を守る、光合成によって酸素を生み出す、雨水を地下に溜めこんで川に流れこむ水の量を安定させるなど。しかし、牧場や農場を開拓するためや、道路や住宅地の開発、家具や家の材料、紙の原料にすることなどの理由で森林破壊が考えられる。

酸性雨 湖や沼が汚れて魚などが住めなくなったり、植物が枯れてしまったりする。酸性雨とは、自動車や工場から出る廃棄ガスなどが、空気中で酸性の物質に変化し、雨に混じって降ること。

私たちができること

 絶滅危惧種の原因を辿ってみると、すべて人間に端を発するものである。私たちができることはなんだろうか。

地球環境を守る 細かくいうと、ごみを減らす、節水節電を意識する。また、移動手段としてできる限り、公共交通機関や自転車もしくは徒歩を心がけるなど。地球環境を守ることは、生物多様性を守ることにつながる。 

無駄を出さない 修理して使えるものは何度も使ったり、無駄な包装をしている商品は買わないなど。

外来種のペットを飼わない 珍しいからという理由だけで、外来種のペットを飼わないこと。

ミドリガメの例 正式にはアカミミガメという外来種。買ったときは5センチほどだが、30センチほどまで成長する。寿命は約40年。多くの人が持て余して川に放した結果、在来種のイシガメは絶滅危惧種に。そのため環境省はミドリガメをカミツキガメなどとともに、輸入・販売と飼育を規制することにした。


参考文献

『絶滅危機生物の世界地図』 Richard Mackay[著] 武田正倫、川田伸一郎訳 東京:丸善

『「図説」生物多様性と現代社会:「生命(いのち)の環」30の物語』 小島望著 東京:農山漁村文化協会

外部リンク

[1]IUCNとは-IUCN日本委員会

[2]EICネット

[3]絶滅危惧動物図鑑 みんなで守ろうぼくらのなかま

[4]環境省へようこそ!

[5]WWFジャパン


  人間科学大事典

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