沖縄戦4
出典: Jinkawiki
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- | 沖縄戦は、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の1945年(昭和20年)3月26日から6月23日の約3ヶ月間にかけて、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍と日本軍との間で行われた戦闘であり、日本で唯一の地上戦である。連合軍側は日本を降伏させるための第一段階として沖縄占領作戦を立て、作戦名をアイスバーグ作戦と名付けた。アメリカ軍の目的は日本本土攻略のための航空基地・補給基地の確保であった。日本軍側はアメリカ軍に大きなダメージを与え、本土への攻撃を1分1秒でも足止めしようとしたため、この沖縄戦は長期戦へともつれ込む形になった。したがって被害も大きく、沖縄の日本軍は全滅し、島民を含む約20万人が死亡。その内訳は、本土出身の軍人65,908人、沖縄出身の軍人軍属28,228人、住民・戦闘参加者55,246人、一般住民38,754人、アメリカ軍人12,520人と、どれほど激しい戦いだったのかが伺える。 | + | '''沖縄戦は、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の1945年(昭和20年)3月26日から6月23日の約3ヶ月間にかけて、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍と日本軍との間で行われた戦闘であり、日本で唯一の地上戦である。連合軍側は日本を降伏させるための第一段階として沖縄占領作戦を立て、作戦名をアイスバーグ作戦と名付けた。アメリカ軍の目的は日本本土攻略のための航空基地・補給基地の確保であった。日本軍側はアメリカ軍に大きなダメージを与え、本土への攻撃を1分1秒でも足止めしようとしたため、この沖縄戦は長期戦へともつれ込む形になった。したがって被害も大きく、沖縄の日本軍は全滅し、島民を含む約20万人が死亡。その内訳は、本土出身の軍人65,908人、沖縄出身の軍人軍属28,228人、住民・戦闘参加者55,246人、一般住民38,754人、アメリカ軍人12,520人と、どれほど激しい戦いだったのかが伺える。 |
陸・海・空と、立体的攻撃を展開するアメリカ軍に対して日本軍は地下戦術で反撃し、勝利を目前としていたアメリカ軍側の最高指揮官バックナー中将までもが、日本陸軍の攻撃で戦死した。 | 陸・海・空と、立体的攻撃を展開するアメリカ軍に対して日本軍は地下戦術で反撃し、勝利を目前としていたアメリカ軍側の最高指揮官バックナー中将までもが、日本陸軍の攻撃で戦死した。 | ||
戦闘に使用された銃弾・砲弾の数は、アメリカ軍側だけで2,716,691発。このほか、砲弾60,018発と手榴弾392,304発、ロケット弾20,359発、機関銃弾3,000万発弱が発射された。激しい艦砲射撃が毎日のように行われたため、地形が変わってしまったという。このことは「鉄の暴風」と言われる。70年以上経った現在でも、不発弾は大量に発見されており、陸上自衛隊による処理が現在も進められている。 | 戦闘に使用された銃弾・砲弾の数は、アメリカ軍側だけで2,716,691発。このほか、砲弾60,018発と手榴弾392,304発、ロケット弾20,359発、機関銃弾3,000万発弱が発射された。激しい艦砲射撃が毎日のように行われたため、地形が変わってしまったという。このことは「鉄の暴風」と言われる。70年以上経った現在でも、不発弾は大量に発見されており、陸上自衛隊による処理が現在も進められている。 |
2016年7月30日 (土) 20:37の版
沖縄戦4
1.概要 沖縄戦は、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の1945年(昭和20年)3月26日から6月23日の約3ヶ月間にかけて、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍と日本軍との間で行われた戦闘であり、日本で唯一の地上戦である。連合軍側は日本を降伏させるための第一段階として沖縄占領作戦を立て、作戦名をアイスバーグ作戦と名付けた。アメリカ軍の目的は日本本土攻略のための航空基地・補給基地の確保であった。日本軍側はアメリカ軍に大きなダメージを与え、本土への攻撃を1分1秒でも足止めしようとしたため、この沖縄戦は長期戦へともつれ込む形になった。したがって被害も大きく、沖縄の日本軍は全滅し、島民を含む約20万人が死亡。その内訳は、本土出身の軍人65,908人、沖縄出身の軍人軍属28,228人、住民・戦闘参加者55,246人、一般住民38,754人、アメリカ軍人12,520人と、どれほど激しい戦いだったのかが伺える。 陸・海・空と、立体的攻撃を展開するアメリカ軍に対して日本軍は地下戦術で反撃し、勝利を目前としていたアメリカ軍側の最高指揮官バックナー中将までもが、日本陸軍の攻撃で戦死した。 戦闘に使用された銃弾・砲弾の数は、アメリカ軍側だけで2,716,691発。このほか、砲弾60,018発と手榴弾392,304発、ロケット弾20,359発、機関銃弾3,000万発弱が発射された。激しい艦砲射撃が毎日のように行われたため、地形が変わってしまったという。このことは「鉄の暴風」と言われる。70年以上経った現在でも、不発弾は大量に発見されており、陸上自衛隊による処理が現在も進められている。 1945年5月末、首里司令部は落とされ、日本軍は南部に撤退したが6月下旬までに組織的戦力を失い、6月23日に牛島司令官は天皇に対する義務を果たしたと確信して自死した。アメリカ軍は7月2日に沖縄戦終了を宣言し、沖縄戦を終わらせる正式な降伏文書は、1945年9月7日に現在嘉手納空軍基地がある場所で調印された。
2.沖縄戦に巻き込まれた住民 沖縄戦では、圧倒的兵力を保持するアメリカ軍に対抗するため、一木一草戦力化というスローガンを抱え、成人男性に限らず、女性・老人・子どもまでも兵士として根こそぎ動員し、兵力不足を補った。主な任務は飛行場の整備などの補助的なものだったが、土地勘を活かして敵の気づかないところから攻撃させるなど、最前線に出された者たちもいる。
3.沖縄戦における少年兵 地上戦が始まる1年半以上前から、学校の授業はアメリカ軍上陸に備えた軍事訓練へと切り替わっていった。 学生たちは壕を掘ったり飛行場を作ったり、モールス信号を打って解読する教育を受けた。また、実践的なものとして、タコツボ攻撃や斬り込みといった対人的なものの訓練も受けた。タコツボ攻撃とは、爆弾が入った箱を背負い、あらかじめ掘っておいた穴に入り身を潜め、敵の戦車が目の前まで来たらキャタピラの下に捨て身で爆弾を投げつける攻撃である。
4.鉄血勤皇隊 沖縄戦において陸軍省は、次々に陸軍省令を発して、施行規制を改正した。1944年12月の陸軍省令により、一部地域のみ防衛招集の対象年齢が17歳以上から14歳以上に引き下げられた。 この部隊は「志願制」とされていたが、「学校ぐるみ」であったり、学校や配属将校が同意を得ずに印鑑を作り、「志願」のために必要な書類を偽造したりするなど、事実上は強制であった。これによって、1945年3月に防衛招集された旧制中学生1780人で編成された部隊が鉄血勤皇隊である。 鉄血勤皇隊の主な任務は戦闘行為であり、「10人敵を殺したら帰してやる」と指揮官から言われ、敵を殺すことを強制され、心や感情は失われていったという。まだ若かった少年兵の半数は戦死した。
5.ひめゆり学徒隊 少年兵と同じように、沖縄県立高等女学校や沖縄師範学校女子部など、およそ500名にものぼる16歳、17歳の少女たちが「ひめゆり学徒隊」の名で、従軍看護婦として野戦病院に送り込まれた。真っ暗な壕や洞窟の中で十分な食事もないまま、運ばれてくる負傷兵の手当てをして下の世話を行い、ちぎれた手足を運んだり、遺体の埋葬をしたりするなど、働く環境は非常に劣悪なものだった。 そして洞窟から洞窟へと飛び回って働いているときに砲弾に当たって亡くなったり、洞窟の中でアメリカ兵のガス弾で殺されたり、捕虜になることを拒み、手榴弾で自死したりして、若い命を失った。戦死者は半数以上にも達した。
6.集団自決 戦争下の沖縄では、いたるところで一般住民が集団で自殺する行為、「集団自決」が行われた。これは、「捕虜になるより潔く自決せよ」という日本軍の戦陣訓を民間に強制したことが原因である。また、アメリカ軍の捕虜になると、女性は暴行された後に惨殺され、子供や老人は股を裂かれたり地面に叩きつけられて殺され、男性はローラーの下敷きにされて海へ沈められるというようなデマが流されていたことも原因のひとつである。 集団自決では、力の強い者が弱いものを殺したうえで最後に自殺することが多い。父は老いた両親や子を、夫は妻を、母は子をというように。いわば、家族内での殺人である。戦争下で精神は限界まで追い込まれて異常心理となり、敵に殺されるよりはせめて自分の手でと考えての行動だろう。
7.集団投降 日本軍が居なかった避難壕では、アメリカ軍の投降の呼びかけに応じ、集団投降した例もある。日本軍の主陣地が構築された地区では、集団投降することを禁じられていたが、日本軍陣地のない地区では、日本軍による「鬼畜米英」の洗脳に囚われていなかった例も多いという。
8.参考文献
「戦争と沖縄」池宮城秀意 岩波ジュニア新書 1980.7.21
「ひめゆりたちの祈り」 香川京子 朝日新聞社 1992.6.25
「沖縄の70年」石川文洋 岩波新書 2015.4.21
沖縄戦-wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E6%88%A6
鉄血勤皇隊-wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E8%A1%80%E5%8B%A4%E7%9A%87%E9%9A%8A
沖縄戦の経過について http://okinawasen.nomaki.jp/
沖縄戦 http://www.geocities.jp/toyobox1/okinawasen.html
natsu