バウチャー教育
出典: Jinkawiki
2016年7月31日 (日) 14:58の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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'''バウチャー政策''' | '''バウチャー政策''' | ||
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バウチャーとは、利用券や引換券を意味する英語であり、個人を対象とする目的制限のある補助金。私立学校の学費など、学校教育に使用する目的として「クーポン」を子どもや保護者に直接支給し、家庭の学費の支払いの負担を軽減することで、子どもの学校選択肢を広げ、 | バウチャーとは、利用券や引換券を意味する英語であり、個人を対象とする目的制限のある補助金。私立学校の学費など、学校教育に使用する目的として「クーポン」を子どもや保護者に直接支給し、家庭の学費の支払いの負担を軽減することで、子どもの学校選択肢を広げ、 | ||
アメリカ合衆国では従来、公立学校が地域の教育をほぼ独占的に行ってきたが、教育の質の低下を懸念され、1950年代にバウチャー制度が提案された。それにより学校間の競争が起こり、教育の質を引き上げることにつながると考えられている。日本では学校教育以外にも、塾や習い事、スポーツ活動など学校外の教育にも使用されている。 | アメリカ合衆国では従来、公立学校が地域の教育をほぼ独占的に行ってきたが、教育の質の低下を懸念され、1950年代にバウチャー制度が提案された。それにより学校間の競争が起こり、教育の質を引き上げることにつながると考えられている。日本では学校教育以外にも、塾や習い事、スポーツ活動など学校外の教育にも使用されている。 | ||
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'''各国のバウチャー政策''' | '''各国のバウチャー政策''' | ||
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'''・ウィスコンシン州ミルウォーキー市1990年''' | '''・ウィスコンシン州ミルウォーキー市1990年''' | ||
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アメリカ最初の公的な私立学校バウチャー政策。 | アメリカ最初の公的な私立学校バウチャー政策。 | ||
対象は低所得家庭の小学生(あるいは通う予定の子ども)、非宗教で、市が定める最低基準を満たしているもの。 | 対象は低所得家庭の小学生(あるいは通う予定の子ども)、非宗教で、市が定める最低基準を満たしているもの。 | ||
抽選で選抜された生徒は学費が無料。 | 抽選で選抜された生徒は学費が無料。 | ||
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'''・オハイオ州クリーブランド市1995年''' | '''・オハイオ州クリーブランド市1995年''' | ||
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幼園から小学3年生までが対象だったが、現在は高校生までとなった。 | 幼園から小学3年生までが対象だったが、現在は高校生までとなった。 | ||
受得額に差があるが、所得や宗教に関係なくバウチャーを得ることができる。 | 受得額に差があるが、所得や宗教に関係なくバウチャーを得ることができる。 | ||
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'''・フロリダ州 1999年~2006年''' | '''・フロリダ州 1999年~2006年''' | ||
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全ての公立学校は統一テストを実施し、過去4年間で2回、落第点を取った生徒が対象。 | 全ての公立学校は統一テストを実施し、過去4年間で2回、落第点を取った生徒が対象。 | ||
私立学校に転出する権利を与える。 | 私立学校に転出する権利を与える。 | ||
「公的資金を使って均質な公教育を提供する」と定めた州憲法に違反するとされ、廃止となった。 | 「公的資金を使って均質な公教育を提供する」と定めた州憲法に違反するとされ、廃止となった。 | ||
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'''・オランダ1917年''' | '''・オランダ1917年''' | ||
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ほとんどの私立学校に公立学校と同様の補助金をバウチャーの形で支出する。その結果、初等教育の私立学校シェアは70%を占める。 | ほとんどの私立学校に公立学校と同様の補助金をバウチャーの形で支出する。その結果、初等教育の私立学校シェアは70%を占める。 | ||
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'''・チリ1980年''' | '''・チリ1980年''' | ||
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私立学校は学費を徴収しなければ生徒数に応じて公立学校と同額の補助金を得る。 | 私立学校は学費を徴収しなければ生徒数に応じて公立学校と同額の補助金を得る。 | ||
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'''・コロンビア1991年~1998年''' | '''・コロンビア1991年~1998年''' | ||
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貧困家庭に属する公立の中・高校生を対象に、世界銀行の支援のもと、抽選によりバウチャーを配布した。 | 貧困家庭に属する公立の中・高校生を対象に、世界銀行の支援のもと、抽選によりバウチャーを配布した。 | ||
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市町村に対して、義務教育段階の私立学校へ補助金の支払い義務が設定された。1997年以降は私立学校も学費無料化。 | 市町村に対して、義務教育段階の私立学校へ補助金の支払い義務が設定された。1997年以降は私立学校も学費無料化。 | ||
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参考文献 | 参考文献 | ||
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http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/kyouikuvoucher1.html | http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/kyouikuvoucher1.html | ||
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC | https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC |
最新版
バウチャー政策
バウチャーとは、利用券や引換券を意味する英語であり、個人を対象とする目的制限のある補助金。私立学校の学費など、学校教育に使用する目的として「クーポン」を子どもや保護者に直接支給し、家庭の学費の支払いの負担を軽減することで、子どもの学校選択肢を広げ、 アメリカ合衆国では従来、公立学校が地域の教育をほぼ独占的に行ってきたが、教育の質の低下を懸念され、1950年代にバウチャー制度が提案された。それにより学校間の競争が起こり、教育の質を引き上げることにつながると考えられている。日本では学校教育以外にも、塾や習い事、スポーツ活動など学校外の教育にも使用されている。
各国のバウチャー政策
アメリカ
・ウィスコンシン州ミルウォーキー市1990年
アメリカ最初の公的な私立学校バウチャー政策。 対象は低所得家庭の小学生(あるいは通う予定の子ども)、非宗教で、市が定める最低基準を満たしているもの。 抽選で選抜された生徒は学費が無料。
・オハイオ州クリーブランド市1995年
幼園から小学3年生までが対象だったが、現在は高校生までとなった。 受得額に差があるが、所得や宗教に関係なくバウチャーを得ることができる。
・フロリダ州 1999年~2006年
全ての公立学校は統一テストを実施し、過去4年間で2回、落第点を取った生徒が対象。 私立学校に転出する権利を与える。 「公的資金を使って均質な公教育を提供する」と定めた州憲法に違反するとされ、廃止となった。
・オランダ1917年
ほとんどの私立学校に公立学校と同様の補助金をバウチャーの形で支出する。その結果、初等教育の私立学校シェアは70%を占める。
・チリ1980年
私立学校は学費を徴収しなければ生徒数に応じて公立学校と同額の補助金を得る。
・コロンビア1991年~1998年
貧困家庭に属する公立の中・高校生を対象に、世界銀行の支援のもと、抽選によりバウチャーを配布した。
・スウェーデン1993年
市町村に対して、義務教育段階の私立学校へ補助金の支払い義務が設定された。1997年以降は私立学校も学費無料化。
参考文献
http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/kyouikuvoucher1.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC