県民性
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2017年7月27日 (木) 13:25の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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== 概要 == | == 概要 == | ||
- | 県民性とは、日本の各都道府県ごとの、県民の性質や行動についての、なんらかの傾向を指す言葉である。県民性という言葉が指しているのは、考え方や気質だけでなく、摂食するものの傾向、住宅や自動車などの購買金額の差、預貯金の金額の差などの、きわめて具体的で統計的・科学的にも正確に把握しやすいものまで含んでいる概念である。要素ごとに、それがはっきりと現れる県と、漠然としてあまり明確には現れない県がある。地域ごとの気質や文化の違いは古くから人々の関心を集め、調査の対象とされてきた。 | + | 日本の各地方ごとに,気候や風土,また地域固有の歴史での独自で個性的な文化を築きあげてきたことによって、そこから価値観や気質,風習や暮らしぶりといった地域固有の文化,価値観を県民性という。 |
+ | また、それぞれの人の性格は生まれ育った土地の風土だけでなく,性別や両親や友人の影響,その後の個人の生活環境なども後天的なものとしても、県民性が形成される。したがって,生まれ育った土地が同じでも、その同じ地域に暮らす人達がみんな、同じ気質ということはいえない。だが,その土地ならではの独特な気質や生活慣習などが県民性としての共通性が存在する。 | ||
+ | イメージされる県民性は、その土地の気候や環境が影響していることが多く、雪が降る土地は忍耐深いとか暗いとかはそこの気候のイメージであるし、海に開けた土地に住む人は開放的な性格というのも環境のイメージである。気候や環境から考えられるイメージはそのまま性格に重ねられ、そのままそこの土地の人々の気質として認識される。その土地の歴史の経緯や職業特性も積み重なり、性格または県民性のイメージが形成される。 | ||
- | == 県民性の形成条件 == | + | == 県民性を形成する条件 == |
- | (1)歴史的条件 | + | 県民性は、その土地の風土や人間関係、歴史的背景が関係している。県民性を形成する条件として、歴史的条件、自然的条件、社会的条件の三つがある。 |
- | それぞれの地域でどんなことが起こったのか、誰がその地域を治めていたのかによって県民性が形成される。また、統治する人や出来事によってそこに住む人々の気質や価値観が変化し、県民性に影響を及ぼす条件である。 | + | |
- | (2)自然的条件 | + | ①歴史的条件 |
- | 近くに海や川や山があるかないか、年間の平均気温や日照時間、雨や雪の降る回数や量などの地理的な特徴や気象条件によって、その地に住む人々の生業や行動範囲、ライフスタイルが変わり、県民性に影響を及ぼす条件である。 | + | |
- | (3)社会的条件 | + | 歴史的条件とは、それぞれの地域でどんなことが起こったのか、また誰がその地域を治めていたのかによって決まる条件で統治する人や出来事によってそこに住む人々の気質や価値観が変化する。 |
- | どのような産業が盛んなのか、社会的背景、交通、通信の便の状況によって県民性に影響する条件である。 | + | |
- | + | ②自然的条件 | |
- | == 県民性の主な例 == | + | 自然的条件とは、地理的な特徴や気象条件によって決まる条件で近くに海や川や山があるかないか、年間の平均気温や日照時間だったり、雨や雪の降る回数や量が関係しているため、その土地に住む人々の生業や行動範囲、ライフスタイルが変わってくる。 |
- | 茨城県では、 水戸っぽ。水戸の三ぽい(怒りっぽい・理屈っぽい・骨っぽい)。茨城の三ぽい(怒りっぽい・忘れっぽい・飽きっぽい)。 | + | |
- | 群馬県では、 カカア天下。「上毛かるた」を暗誦できる。ギャンブル好き。 | + | ③社会的条件 |
- | 埼玉県では、埼玉都民。JR線・東武鉄道・西武鉄道・埼玉高速鉄道など鉄道のほとんどが東京方面に直通しており、県内市町村の横つながりが薄い。県民の多くが自県や地域に関心が無く、さいたま市に合併した後も「旧浦和市」「旧大宮市」で対立することもあり、ダ埼玉と自虐することもある。 | + | 社会的条件とは、社会的背景や交通、通信の便の状況によって決まる条件で、どのような産業が盛んなのかといったものでその土地の人々の価値観などが変わってくる。 |
- | 東京都では、江戸っ子。江戸の飲み倒れ(酔い倒れ)。江戸の買い倒れ。宵越しの銭は持たない。近隣県を「ぐんたまちばらき」と侮蔑する。プロ野球と言えば読売巨人軍ファン(東京ヤクルトスワローズファンというイメージは少ない)。 | + | == 具体的例 == |
- | + | ・関東の味付けが濃いという背景と関西の味付けが薄いという背景 | |
- | 神奈川県では、ハマッ子(横浜)、スカッ子(横須賀)、湘南ボーイ(逗子、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎)。関東地方で唯一東京コンプレックスを持たない。 | + | |
+ | まず、関東の味付けが濃いという背景は江戸では徳川家康が江戸幕府を開くまで,主都の京都からは離れた田舎であった。この時代の人々は、関東武士や東国の武士団と呼ばれる人達もいたが,その人たちも普段は農業に従事していたため、江戸の住民のほとんどは農民であった。このように、体を駆使する人々は,塩分の強い食べ物を好む。こうした背景から,関東では濃い味付けとなった。 | ||
+ | 次に、関西の味付けが薄いという背景は、西の文化圏の中心は京と大阪である。京は8世紀末頃より都として,政治の文化の中心地であった。大阪は商業都市として発展して一大消費地となっていった。こうした土地柄から,ごく自然に料理の味付けは,薄味が主流となった。 | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
- | ・wikipedia 「県民性」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%8C%E6%B0%91%E6%80%A7 | + | ・県民性の人間学―出身県でわかる人柄の本 (新潮OH!文庫) 祖父江 孝男 |
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+ | ・『県民性の人間学』 祖父江 孝男 http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-1088.html | ||
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+ | ・ 県民性-風土記 http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/cha/kenmin0.htm | ||
- | 「県民性仕事術」 岩中祥史 2006 中央公論新社 | + | ・「県民性仕事術」 岩中祥史 2006 中央公論新社 |
+ | ・日本47都道府県の県民性 http://www.suginami-s.net/travelrep/world_japan/character.html | ||
ハンドルネーム みっつ | ハンドルネーム みっつ |
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目次 |
概要
日本の各地方ごとに,気候や風土,また地域固有の歴史での独自で個性的な文化を築きあげてきたことによって、そこから価値観や気質,風習や暮らしぶりといった地域固有の文化,価値観を県民性という。 また、それぞれの人の性格は生まれ育った土地の風土だけでなく,性別や両親や友人の影響,その後の個人の生活環境なども後天的なものとしても、県民性が形成される。したがって,生まれ育った土地が同じでも、その同じ地域に暮らす人達がみんな、同じ気質ということはいえない。だが,その土地ならではの独特な気質や生活慣習などが県民性としての共通性が存在する。 イメージされる県民性は、その土地の気候や環境が影響していることが多く、雪が降る土地は忍耐深いとか暗いとかはそこの気候のイメージであるし、海に開けた土地に住む人は開放的な性格というのも環境のイメージである。気候や環境から考えられるイメージはそのまま性格に重ねられ、そのままそこの土地の人々の気質として認識される。その土地の歴史の経緯や職業特性も積み重なり、性格または県民性のイメージが形成される。
県民性を形成する条件
県民性は、その土地の風土や人間関係、歴史的背景が関係している。県民性を形成する条件として、歴史的条件、自然的条件、社会的条件の三つがある。
①歴史的条件
歴史的条件とは、それぞれの地域でどんなことが起こったのか、また誰がその地域を治めていたのかによって決まる条件で統治する人や出来事によってそこに住む人々の気質や価値観が変化する。
②自然的条件
自然的条件とは、地理的な特徴や気象条件によって決まる条件で近くに海や川や山があるかないか、年間の平均気温や日照時間だったり、雨や雪の降る回数や量が関係しているため、その土地に住む人々の生業や行動範囲、ライフスタイルが変わってくる。
③社会的条件
社会的条件とは、社会的背景や交通、通信の便の状況によって決まる条件で、どのような産業が盛んなのかといったものでその土地の人々の価値観などが変わってくる。
具体的例
・関東の味付けが濃いという背景と関西の味付けが薄いという背景
まず、関東の味付けが濃いという背景は江戸では徳川家康が江戸幕府を開くまで,主都の京都からは離れた田舎であった。この時代の人々は、関東武士や東国の武士団と呼ばれる人達もいたが,その人たちも普段は農業に従事していたため、江戸の住民のほとんどは農民であった。このように、体を駆使する人々は,塩分の強い食べ物を好む。こうした背景から,関東では濃い味付けとなった。 次に、関西の味付けが薄いという背景は、西の文化圏の中心は京と大阪である。京は8世紀末頃より都として,政治の文化の中心地であった。大阪は商業都市として発展して一大消費地となっていった。こうした土地柄から,ごく自然に料理の味付けは,薄味が主流となった。
参考文献
・県民性の人間学―出身県でわかる人柄の本 (新潮OH!文庫) 祖父江 孝男
・『県民性の人間学』 祖父江 孝男 http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-1088.html
・ 県民性-風土記 http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/cha/kenmin0.htm
・「県民性仕事術」 岩中祥史 2006 中央公論新社
・日本47都道府県の県民性 http://www.suginami-s.net/travelrep/world_japan/character.html
ハンドルネーム みっつ