地球温暖化とオゾン層破壊

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2018年1月17日 (水) 00:07の版
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== 原因 == == 原因 ==
 +地球温暖化を引き起こす原因とされているものに、二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素・フロン類などの、いわゆる温室効果ガスがある。大気中の温室効果ガスは温室のガラスのようにエネルギーの放出を防ぎ、地球表層部でのエネルギーの滞留時間を長くするため、結果として地球の気温の上昇につながるのである。主として太陽光によってもたらされる地球上のエネルギーは、地表や大気に吸収される。こうして温まったエネルギーは主に赤外線として放出され、この赤外線を温室効果ガスは吸収する性質をもっている。よって、これらが大気中で増加することで気温が上がる。産業革命以降、あらゆる人間活動によって放出されてきた温室効果ガスの大気中においての濃度が増加し、その結果、気温が上昇しているのである。
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 +== 今後の影響 ==
 +現在の時点でも地球は温暖化による影響を受け、異常気象の増加やアラスカの永久凍土の融解、氷河の後退などの現象が発生しているが、今後さらに重大な影響が起こる可能性がある。それは、急激な温暖化によって生態系が攪乱状態に陥り、もはや回復不可避な重大な環境変化が起こるということ。本来、生物はそれぞれの種に適した気温や湿度の下で生活している。しかし、急激な温暖化では樹木類は枯死し、そこに住みついている生物も死滅の危機に陥ってしまう。このように大気中の気温の変化によって生態系が連鎖的に壊れていくのである。また、スイスのストッカーらは、現在のような急速な二酸化炭素の放出が続くと、海流などの海水の循環に変化が起こり、それによって気候の激変が起こるという研究結果を発表している。このように、温暖化によって地球が単に暖かくなるということに限らず、地域によっては取り返しのつかない気候変化に襲われる可能性がある。
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 +== オゾン層破壊の現状 ==
 +オゾン層には、太陽光に含まれる有害紫外線を吸収する作用がある。オゾン層の破壊は、地表の有害紫外線を増加させ、1%のオゾン減少は2%の紫外線増加を招き、紫外線の増加は人間の皮膚がんや白内障などを増加させ、生態系にも悪影響をもたらす。そのオゾン層の破壊が南極で発見されて以来、年々進行し、すでに地球規模に拡大している。
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 +== 地球温暖化とオゾン層破壊を防止する取り組み ==
 +温暖化とオゾン層破壊は相互に促進し合う関係にあり、両者を同時に食い止めていくことが最も重要なことなのである。環境破壊が深刻化するなか、世界ではこの環境の悪化をどうにかして抑えようと、温暖化に関しては「気候変動枠組み条約」や「京都議定書」、オゾン層の破壊に関しては「モントリオール議定書」が採択され、環境改善に向けての意向については足並みをそろえることができた。しかし、その内容に不十分な点があったことや、義務化されなったために取り組みはあまり進展してこなかった。これらの反省を基に現在も世界中で環境問題に関する議論が行われているが、まずは大量生産・大量消費社会から脱却し、石油と石炭の削減やフロン類の規制強化を積極的に進めていくことが非常に大切である。
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 +== 参考文献 ==
 +和田武編(1999)『環境問題を学ぶ人のために』世界思想社

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目次

地球温暖化の現状

現在、地球は確実に温暖化が進行しており、すでに各地で異常気象が頻発し、小さな島国においては海面上昇による海岸線の後退がみられるなど、その影響も徐々に現れている。今後さらに温暖化が進むと、地球や人類にとって大きな影響を与える可能性がある。これまで過去100年の記録によると、地球の平均気温は約0.6℃上昇し、特に最近の10年間は記録的な高温の年が続いている。また、気温だけに限らず、海水の表面温度も着実に上昇しているというデータがある。


原因

地球温暖化を引き起こす原因とされているものに、二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素・フロン類などの、いわゆる温室効果ガスがある。大気中の温室効果ガスは温室のガラスのようにエネルギーの放出を防ぎ、地球表層部でのエネルギーの滞留時間を長くするため、結果として地球の気温の上昇につながるのである。主として太陽光によってもたらされる地球上のエネルギーは、地表や大気に吸収される。こうして温まったエネルギーは主に赤外線として放出され、この赤外線を温室効果ガスは吸収する性質をもっている。よって、これらが大気中で増加することで気温が上がる。産業革命以降、あらゆる人間活動によって放出されてきた温室効果ガスの大気中においての濃度が増加し、その結果、気温が上昇しているのである。


今後の影響

現在の時点でも地球は温暖化による影響を受け、異常気象の増加やアラスカの永久凍土の融解、氷河の後退などの現象が発生しているが、今後さらに重大な影響が起こる可能性がある。それは、急激な温暖化によって生態系が攪乱状態に陥り、もはや回復不可避な重大な環境変化が起こるということ。本来、生物はそれぞれの種に適した気温や湿度の下で生活している。しかし、急激な温暖化では樹木類は枯死し、そこに住みついている生物も死滅の危機に陥ってしまう。このように大気中の気温の変化によって生態系が連鎖的に壊れていくのである。また、スイスのストッカーらは、現在のような急速な二酸化炭素の放出が続くと、海流などの海水の循環に変化が起こり、それによって気候の激変が起こるという研究結果を発表している。このように、温暖化によって地球が単に暖かくなるということに限らず、地域によっては取り返しのつかない気候変化に襲われる可能性がある。


オゾン層破壊の現状

オゾン層には、太陽光に含まれる有害紫外線を吸収する作用がある。オゾン層の破壊は、地表の有害紫外線を増加させ、1%のオゾン減少は2%の紫外線増加を招き、紫外線の増加は人間の皮膚がんや白内障などを増加させ、生態系にも悪影響をもたらす。そのオゾン層の破壊が南極で発見されて以来、年々進行し、すでに地球規模に拡大している。


地球温暖化とオゾン層破壊を防止する取り組み

温暖化とオゾン層破壊は相互に促進し合う関係にあり、両者を同時に食い止めていくことが最も重要なことなのである。環境破壊が深刻化するなか、世界ではこの環境の悪化をどうにかして抑えようと、温暖化に関しては「気候変動枠組み条約」や「京都議定書」、オゾン層の破壊に関しては「モントリオール議定書」が採択され、環境改善に向けての意向については足並みをそろえることができた。しかし、その内容に不十分な点があったことや、義務化されなったために取り組みはあまり進展してこなかった。これらの反省を基に現在も世界中で環境問題に関する議論が行われているが、まずは大量生産・大量消費社会から脱却し、石油と石炭の削減やフロン類の規制強化を積極的に進めていくことが非常に大切である。


参考文献

和田武編(1999)『環境問題を学ぶ人のために』世界思想社


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