日本国憲法 5

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(明治憲法からの憲法改正の流れ)

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日本国憲法とは第日本帝国憲法(明治憲法)にかわって、1946年(昭和21年)11月3日に公布され 翌年5月3日に施行された現行の憲法のこと。 民主主義・国民主権主義・人権保障・平和主義が打ち出された憲法である。

目次

明治憲法からの憲法改正の流れ

第2次世界大戦は日本が連合国の出した日本に降伏を求める宣言であるポツダム宣言を受け入れる形で終結した。ポツダム宣言は日本の無条件降伏、天皇・日本政府は連合国軍最高司令官の従属の下に入ること・軍国主義の絶滅・民主化促進を条件としていた。これによって連合国軍最高司令官のマッカーサーによる間接統治が開始する。マッカーサーは「第一に、日本の憲法は改正しなければならん。憲法を改正して、自由主義的要素を充分取り入れる必要がある」とし、憲法改正が本格的に開始することとなる。

近衛文麿らによる草案

当時の東久邇宮内閣の副総理大臣である近衛文麿は京都帝国大学(現在の京都大学)在学中の恩師である佐々木惣一らを伴って草案起草に着手した。しかし、連合国軍総司令部(GHQ 後述はGHQ を用いる)は近衛を憲法改正の目的で専任されたのではないとし、近衛を解任してしまう東久邇宮内閣から変わった幣原喜重郎内閣に憲法改正を任せる形となった。失意の中、近衛はなおも草案起草を続ける。そして、近衛案は明治憲法の基本構造を残しつつも連合国側の要求も色濃く反映したものとなったが1945年12月6日に近衛は戦犯容疑者となり、16日に青酸カリを服毒し自殺した。

憲法研究会の草案

憲法研究会は高野岩三郎や鈴木安蔵らを中心として憲法草案を制作した民間の研究団体である。このような民間によって作られた憲法草案を「民間草案」と呼び、憲法研究会の草案はその代表的な例である。その内容は社会権や生存権を重視した。ドイツのワイマール憲法を模範とした形となっていた。またこの草案は後にGHQ民政局が制作したマッカーサー草案に影響をもたらした。

憲法問題調査委員会

1945年10月25日に憲法問題調査委員会が政府に設置された。幣原喜重郎内閣の国務大臣であった松本烝治を委員長とし、多数の法学者がメンバーに加わった。憲法問題調査委員会はその名の通り元々は改憲を目的としていなかった。しかし、ポツダム宣言には民主主義の推進が条件に明記されていたため、明治憲法の第一条(皇族の連続性を定めた)第四条(天皇主権)の改変は必要であるとする指摘が委員会内で出された。これに対し松本は「ポツダム宣言はこの問題は日本人の自由意思に基づいて決定すべきとしている。」として第一条・第四条は問題なしとされた。その後、明治憲法の全条項が検討がなされた。これを踏まえ松本は自ら一人で「憲法改正私案」を作り上げ、これを要綱の形に整えたものが「憲法改正要綱」となる。これが松本案である。しかし、松本案の内容は第日本帝国憲法と大差がなく マッカーサーは松本案を否定した。

GHQ案 日本国憲法の誕生

先述の日本国内の憲法改正の動きの中、GHQは憲法改正の草案を制作した。これはGHQがかなり早い段階において松本案の骨格を把握していたためだと考えられる。GHQはこの憲法草案を日本政府に押し付けるような形となった。日本政府はGHQを受け入れる形となり、若干の修正を加えて日本国憲法が誕生した

日本国憲法の概要・特徴

国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を3つの原則としている 国民主権や基本的人権の尊重が明確になっている点から西ヨーロッパやアメリカなどの人権宣言や憲法の流れを汲んでいる。国民が制定した民定憲法であることも表明しており、他国に類を見ない徹底した平和主義が特徴である。

憲法問題

1946年5月3日に日本国憲法が公布されてから2018年1月現在まで改憲はされていない。これは法律の改正手続きよりも厳しい硬性憲法であることが要因としてあげられるが解釈改憲は度々行われてきた。第九条と自衛隊の問題を始め、様々な問題が存在している。

引用文献

古関彰一 2017年 日本国憲法の誕生 増補改訂版 岩波書店

三浦 軍三 他 2014年 高等学校 政治・経済 第一学習社

政治・経済教育研究会 2014年 政治・経済用語集 山川出版


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