環境問題17

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'''酸性雨への国際的な取り組み''' '''酸性雨への国際的な取り組み'''
ヨーロッパでは枠組み条約として締結された「長距離越境大気汚染防止条約」(1979年)、硫黄排出量を各国一律での削減を目的とした「ヘルシンキ議定書」(1985年)などが一連の取り組みとして挙げられる。アメリカでは「酸性雨降下物法」の制定(1980年)による全国酸性降下物調査計画(NAPAP)が実施され、1990年にはSOxやNOxの総量削減を含むかたちで、大気清浄法を大幅改正した。日本では各国の協力のもと、東アジア酸性雨モニタリングネットワークを試行稼働し、酸性雨の状況に関する情報の収集と情報提供を行っている。(2000年から本格的に稼働した。) ヨーロッパでは枠組み条約として締結された「長距離越境大気汚染防止条約」(1979年)、硫黄排出量を各国一律での削減を目的とした「ヘルシンキ議定書」(1985年)などが一連の取り組みとして挙げられる。アメリカでは「酸性雨降下物法」の制定(1980年)による全国酸性降下物調査計画(NAPAP)が実施され、1990年にはSOxやNOxの総量削減を含むかたちで、大気清浄法を大幅改正した。日本では各国の協力のもと、東アジア酸性雨モニタリングネットワークを試行稼働し、酸性雨の状況に関する情報の収集と情報提供を行っている。(2000年から本格的に稼働した。)
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 +'''公害に対する取り組み'''
 +四台公害についてはいずれも問題の発生源が明らかであったため、苦しめられた住民は、各地で公害反対運動を組織し、郊外に対する批判を開始し、公害問題に対する関心を全国に広めていった。争われた多くの公害裁判では、公害原因とされた企業が敗訴し、その結果、国は1967年に「公害対策基本法」を制定し、公害対策への取り組みを開始するようになった。さらに1971年には公害や環境行政を集中して扱う「環境庁」が設置された。この環境庁は
 +2001年に「環境省」となり、今後さらなる環境行政を行うことが期待されている。
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 +こういった環境問題は決して他人ごとではない。これらの問題がこれ以上深刻になってしまうと人類の生存の危機に陥るだろう。大事なのは一人一人が環境問題に関心を持つことである。エアコンの設定温度を夏は高めに、冬は低めに設定する、電気をつけっぱなしにしない、使ってない物のコンセントを抜く、洗剤を使いすぎないようにあらかじめ汚れを拭き取るなど小さなことだが私たちにできることはたくさんある。環境問題は全員で取り組むことが大事である。
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 +== 参考文献 ==
 +『21世紀の環境概論-環境革命の時代』(2002年2月15日) 発行者:河内義勝 発行所:東京書籍株式会社

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目次

環境問題の深刻化

 20世紀の世界の先進国は経済発展の中で大量生産、大量消費、大量廃棄の繰り返しにより地球環境に大きな負荷を与えており、このまま地球温暖化などの環境問題が深刻になれば人類滅亡の危機が訪れるとされている。環境問題はいくつも存在しており「オゾン層の破壊」「地球温暖化」「酸性雨」「公害問題」などが代表的なものである。


オゾン層の破壊

 オゾン層はフロンガスによって破壊されるということが最近の研究で示された。特定のフロンは科学的に安定な物質であるために、放出されたフロンのほとんどが分解されずに成層圏まで達する。成層圏で紫外線を吸収したフロンは塩素原子を放出し、成層圏のオゾンを酸素分子に連続的に分解することでオゾン層は徐々に破壊されていくのである。オゾン層破壊の結果による紫外線の増加が及ぼす影響として、皮膚がんの増加、免疫機能の低下、白内障の増加などの人体への影響、農作物の被害、生態系への影響があると考えられている。


地球温暖化とは

 地球の表面は、太陽から地球に届く熱エネルギーによって暖められるが、その一方で熱は地球から宇宙空間へも放出されているため地表は冷えることになる。この暖められる作用と放出されて冷える作用がバランスの良い状態で保たれていれば地球の表面温度は安定することになる。人類は石炭や石油などの化石燃料の発見により、燃やすことによってエネルギーを作る出すようになった。この発見によって人類は大きな発展を遂げたが、化石燃料を燃やすことによって発生する温室効果ガスの二酸化炭素発生することによって大気中での温室効果ガスの濃度が高くなり熱の放出が難しくなってしまったのである。地表に放出されない熱がたまりエネルギー収支のバランスが崩れることが地球温暖化を引き起こす原因である。


酸性雨とは

化石燃料の燃焼などにより大気中に放出された硫黄酸化物や窒素酸化物は、太陽光による酸化などにより硫酸や硝酸およびこれらの塩に変換され、大気を酸性化する。これらの酸が大気から地上へ沈着し、生態系を酸性化するといった一連の現象が酸性雨とよばれる。一般的には、大気中の酸が雨や雪などに解けて降水、沈着する、酸性「雨」(湿性沈着)に限らず、酸が水に溶解することなく粒状の状態で地上に拡散・沈着(乾性沈着)するものを含み、「酸性雨」として捉えられることが多い。酸性雨による被害としては、湖沼などの酸性化による魚などの水域生態系への影響や地下水汚染、土壌の酸性化による樹木・森林・農作物への影響、建造物・歴史的な遺跡や石像などの腐食などがある。


日本の公害問題

日本の公害問題は、古いものでは1880年の前後の足尾銅山鉱毒事件や、1890年代の別子鉱山煙毒事件などが挙げられる。この二つの公害は、産業の発展が国家の優先課題であったことから発生した問題である。特に足尾銅山鉱毒事件は、全国で反公害運動が行われるきっかけとなった事件である。日本が高度経済成長の中で深刻な公害問題が発生した。熊本県水俣市でチッソ工場からの排水に含まれる有機水銀によって発症する「水俣病」、富山県の神通川流域の工場から排出されたカドミウムによって発症する「イタイイタイ病」、三重県四日市市で石油コンビナート群の煙突からの化学物質で汚染された大気によって発症する「四日市ぜんそく」、熊本県水俣市と同様の被害が発生した「新潟水俣病」などの四つが代表的のものである。これらは「四大公害病」といわれている。


対策とこれからの課題

環境問題の改善に向けた取り組みは世界全体で行われている。

オゾン層破壊物質の全廃に向けて オゾン層破壊物質の全廃するために1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(モントリオール議定書)」が採択された。この議定書により、5種類の特定フロン(CFC)および、3種類の特定ハロンの生産量を減らすことが合意された。その後、数回にわたる締約国会議を通して、四塩化炭素、HCFC、HBFC、臭化メチル等がオゾン層の破壊物質として追加され、段階的に規制が強化されている。

進む温暖化防止への取り組み 地球温暖化を防止する最初の国際的な取り組みとして、1992年5月に地球サミットで「気候変動に関する国際連合枠組み条約」が採択され、1994年3月に発効した。この条約では、1990年代末までに二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出量を1990年代レベルに戻すことに重点が置かれたが、法的な拘束力を持つものではなかった。そこで1997年12月には地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、京都議定書が定められた。ここでは、2000年以降に削減しなければならない温室効果ガスの数値目標が決定された。工業先進国全体では、温室効果ガスの排出量を2008~2012年までに1990年の排出量から5.2%削減することが定められた。

酸性雨への国際的な取り組み ヨーロッパでは枠組み条約として締結された「長距離越境大気汚染防止条約」(1979年)、硫黄排出量を各国一律での削減を目的とした「ヘルシンキ議定書」(1985年)などが一連の取り組みとして挙げられる。アメリカでは「酸性雨降下物法」の制定(1980年)による全国酸性降下物調査計画(NAPAP)が実施され、1990年にはSOxやNOxの総量削減を含むかたちで、大気清浄法を大幅改正した。日本では各国の協力のもと、東アジア酸性雨モニタリングネットワークを試行稼働し、酸性雨の状況に関する情報の収集と情報提供を行っている。(2000年から本格的に稼働した。)

公害に対する取り組み 四台公害についてはいずれも問題の発生源が明らかであったため、苦しめられた住民は、各地で公害反対運動を組織し、郊外に対する批判を開始し、公害問題に対する関心を全国に広めていった。争われた多くの公害裁判では、公害原因とされた企業が敗訴し、その結果、国は1967年に「公害対策基本法」を制定し、公害対策への取り組みを開始するようになった。さらに1971年には公害や環境行政を集中して扱う「環境庁」が設置された。この環境庁は 2001年に「環境省」となり、今後さらなる環境行政を行うことが期待されている。

こういった環境問題は決して他人ごとではない。これらの問題がこれ以上深刻になってしまうと人類の生存の危機に陥るだろう。大事なのは一人一人が環境問題に関心を持つことである。エアコンの設定温度を夏は高めに、冬は低めに設定する、電気をつけっぱなしにしない、使ってない物のコンセントを抜く、洗剤を使いすぎないようにあらかじめ汚れを拭き取るなど小さなことだが私たちにできることはたくさんある。環境問題は全員で取り組むことが大事である。


参考文献

『21世紀の環境概論-環境革命の時代』(2002年2月15日) 発行者:河内義勝 発行所:東京書籍株式会社


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