環境問題18

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(地球温暖化)
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== 環境とは == == 環境とは ==
- 環境とは、自然と人間との関係に関わるものである。よって、環境が人間と離れてそれ自身で良し悪しが問われるわけではない。+環境とは、自然と人間との関係に関わるものである。よって、環境が人間と離れてそれ自身で良し悪しが問われるわけではない。人間と環境との関係は、人間が環境をどのように見るか、環境に対してどのような態度をとるか、そして環境を総体としてどのように価値つけ、概念化するかによって決まる。
- 人間と環境との関係は、人間が環境をどのように見るか、環境に対してどのような態度をとるか、そして環境を総体としてどのように価値つけ、+
- 概念化するかによって決まる。+
== 主な環境問題 == == 主な環境問題 ==
- ・オゾン層の破壊・森林伐採・酸性雨・砂漠化・地球温暖化・熱帯雨林の減少+オゾン層の破壊・森林伐採・酸性雨・砂漠化・地球温暖化・熱帯雨林の減少
== オゾン層の破壊 == == オゾン層の破壊 ==
「フロンが原因でオゾンが破壊される。」 「フロンが原因でオゾンが破壊される。」
-1974年からアメリカで唱えられていたこの説が現実に確認されたのは、1980年代のことだった。南極の成層圏でオゾンの濃度が半分程度まで減った結果、オゾンホールが観測された。1990年代には北極でもオゾン層の減少が報告されている。+1974年からアメリカで唱えられていたこの説が現実に確認されたのは、1980年代のことだった。南極の成層圏でオゾンの濃度が半分程度まで減った結 果、オゾンホールが観測された。1990年代には北極でもオゾン層の減少が報告されている。この現象は、フロンなどの人工化学物質、特にCFCs*¹が成層圏で太陽の紫外線を受けて分解され、塩素原子を放出してオゾン分子を連鎖的に分解す ることで起きる。オゾンは通常、有害な紫外線をさえぎってくれているので、薄まると地表に届く紫外線が増え、生物に影響を与える。例えば、オゾン層が1パーセント 破壊されると、地表に届く紫外線は1・5~2パーセント増え、皮膚がんの発生率は2パーセント高まる。
-この現象は、フロンなどの人工化学物質、特にCFCs*¹が成層圏で太陽の紫外線を受けて分解され、塩素原子を放出してオゾン分子を連鎖的に分解することで起きる。+ 
-オゾンは通常、有害な紫外線をさえぎってくれているので、薄まると地表に届く紫外線が増え、生物に影響を与える。例えば、オゾン層が1パーセント破壊されると、地表に届く紫外線は1・5~2パーセント増え、皮膚がんの発生率は2パーセント高まる。+
*¹:クロロフルオロカーボンズ(塩化フッ化炭化水素の総称) *¹:クロロフルオロカーボンズ(塩化フッ化炭化水素の総称)
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== 地球温暖化 == == 地球温暖化 ==
-空気中にはCO2やメタンのように、熱を吸収する気体が含まれている。地表からの放射熱はほとんどが宇宙へ逃がされるが、これらの気体に吸収された熱は再び地表へ放射され、その分は熱が大気圏にとどまる。これが温室効果*¹である。そもそもこの作用がなければ、地球の平均気温はいまよいも約30℃ほど低く、地表は氷に閉ざされていただろうと言われている。+空気中にはCO2やメタンのように、熱を吸収する気体が含まれている。地表からの放射熱はほとんどが宇宙へ逃がされるが、これらの気体に吸収された熱は再び地表へ放射され、その分は熱が大気圏にとどまる。これが温室効果*¹である。そもそもこの作用がなければ、地球の平均気温はいまよいも約 30℃ほど低く、地表は氷に閉ざされていただろうと言われている。しかし、産業革命以後、化石燃料の大量消費などにより、この温室効果ガス*²が大気中に増大し過ぎたため、気温が少しずつ上昇している。これが地球 温暖化で、降水量や気温など長期的な変化する気候変動にも影響を与えている。
-しかし、産業革命以後、化石燃料の大量消費などにより、この温室効果ガス*²が大気中に増大し過ぎたため、気温が少しずつ上昇している。これが地球温暖化で、降水量や気温など長期的な変化する気候変動にも影響を与えている。+ 
 + 
*¹:温室効果の用語は、英語の「グリーンハウス・エファクト」から *¹:温室効果の用語は、英語の「グリーンハウス・エファクト」から
*²:二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン類など。 *²:二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン類など。
== 森林伐採 == == 森林伐採 ==
 +国連食糧農業機関(FAO)の推計によれば、1990年から2010年の間に、世界の森林面積は約1億2526万6000ヘクタール(日本の国土の約3・3倍減少した。森林減少の理由としては、主に①人口増加②貧困③焼畑農耕*¹④商業伐採⑤過放牧⑥薪炭林*²の過剰摂取⑦山火事などがある。
 +例えば、熱帯アジアでは焼畑が増える、一方、ラワンやチークといった商業木材が大量に不法伐採された。また、アマゾンでは、広大な森林がが放牧地 になった。これらの背景には、人口圧力や貧困の問題と、先進国における大量の木材、紙、牛肉の需要がある。森林を壊しているのは、豊かさと貧しさ のアンバランスである。
 +*¹:森林を伐採し、焼き払った土地で行う農耕。熱帯雨林の場合はもともと土壌の栄養分が豊かでないので、3年から5年もすると別の森林で焼畑をし なければならなくなる。ただし、過剰な焼畑の責任は地域の農民ではなく、先進国の産業資本にある。
== 参考文献 == == 参考文献 ==
- 「地球環境問題とは何か」 著者:米本昌平 出版:岩波書店 発行日:1994年4月20日+「地球環境問題とは何か」 著者:米本昌平 出版:岩波書店 発行日:1994年4月20日
- 「環境問題の基本がわかる本」 著者:門倉仁 出版:秀和システム 発行日:2011年12月20日+「環境問題の基本がわかる本」 著者:門倉仁 出版:秀和システム 発行日:2011年12月8日

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目次

環境とは

環境とは、自然と人間との関係に関わるものである。よって、環境が人間と離れてそれ自身で良し悪しが問われるわけではない。人間と環境との関係は、人間が環境をどのように見るか、環境に対してどのような態度をとるか、そして環境を総体としてどのように価値つけ、概念化するかによって決まる。

主な環境問題

オゾン層の破壊・森林伐採・酸性雨・砂漠化・地球温暖化・熱帯雨林の減少

オゾン層の破壊

「フロンが原因でオゾンが破壊される。」 1974年からアメリカで唱えられていたこの説が現実に確認されたのは、1980年代のことだった。南極の成層圏でオゾンの濃度が半分程度まで減った結 果、オゾンホールが観測された。1990年代には北極でもオゾン層の減少が報告されている。この現象は、フロンなどの人工化学物質、特にCFCs*¹が成層圏で太陽の紫外線を受けて分解され、塩素原子を放出してオゾン分子を連鎖的に分解す ることで起きる。オゾンは通常、有害な紫外線をさえぎってくれているので、薄まると地表に届く紫外線が増え、生物に影響を与える。例えば、オゾン層が1パーセント 破壊されると、地表に届く紫外線は1・5~2パーセント増え、皮膚がんの発生率は2パーセント高まる。

  • ¹:クロロフルオロカーボンズ(塩化フッ化炭化水素の総称)

地球温暖化

空気中にはCO2やメタンのように、熱を吸収する気体が含まれている。地表からの放射熱はほとんどが宇宙へ逃がされるが、これらの気体に吸収された熱は再び地表へ放射され、その分は熱が大気圏にとどまる。これが温室効果*¹である。そもそもこの作用がなければ、地球の平均気温はいまよいも約 30℃ほど低く、地表は氷に閉ざされていただろうと言われている。しかし、産業革命以後、化石燃料の大量消費などにより、この温室効果ガス*²が大気中に増大し過ぎたため、気温が少しずつ上昇している。これが地球 温暖化で、降水量や気温など長期的な変化する気候変動にも影響を与えている。    

  • ¹:温室効果の用語は、英語の「グリーンハウス・エファクト」から
  • ²:二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン類など。

森林伐採

国連食糧農業機関(FAO)の推計によれば、1990年から2010年の間に、世界の森林面積は約1億2526万6000ヘクタール(日本の国土の約3・3倍減少した。森林減少の理由としては、主に①人口増加②貧困③焼畑農耕*¹④商業伐採⑤過放牧⑥薪炭林*²の過剰摂取⑦山火事などがある。 例えば、熱帯アジアでは焼畑が増える、一方、ラワンやチークといった商業木材が大量に不法伐採された。また、アマゾンでは、広大な森林がが放牧地 になった。これらの背景には、人口圧力や貧困の問題と、先進国における大量の木材、紙、牛肉の需要がある。森林を壊しているのは、豊かさと貧しさ のアンバランスである。

  • ¹:森林を伐採し、焼き払った土地で行う農耕。熱帯雨林の場合はもともと土壌の栄養分が豊かでないので、3年から5年もすると別の森林で焼畑をし なければならなくなる。ただし、過剰な焼畑の責任は地域の農民ではなく、先進国の産業資本にある。

参考文献

「地球環境問題とは何か」 著者:米本昌平 出版:岩波書店 発行日:1994年4月20日

「環境問題の基本がわかる本」 著者:門倉仁 出版:秀和システム 発行日:2011年12月8日


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