チャータースクール16

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(チャータースクール急成長の背景)
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 +1991年にチャータースクールという公立学校開校・運営システムがミネソタ州で制度化された。同州会議でチャータースクール法が成立し、同法に基づき全米初のチャータースクール「シティー・アカデミー」が1992年にセントポール市に開校した。チャータースクールとは、特別認可でスタートした学校のこと。地元の教育委員会に相談するなどして、当局に公立学校としての特別認可(チャーター)を申請することができ、そのチャーターが許可されれば公立学校をつくれる。他の公立校と同様に年間4000ドル~5000ドル程度の公的資金が下りてきて、そのお金で教育内容、方法もチャーターで認められた通りなら自由な手作りの学校を運営していく。その代わりに、チャーター契約の際に同意した期間内に所定の教育成果を挙げなければ閉校となる。チャータースクールとはそれ相応の結果責任を引き受ける新種の公立学校のこと。
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 +=チャータースクールの基本概念=
 +(1)学校は複数の当事者によって組織、所有、運営される
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 +(2)組織社はチャーターの為に二つ以上の公共機関に申請できる
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 +(3)学校は法人格をもつ
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 +(4)学校は公立であり、非宗教的、授業料なし、入学者を選抜しない、構成・安全に関する法に従う
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 +(5)学校は生徒の学業成績に責任を負う。その目的を達成できなければチャーターを失う
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 +(6)学校は制度上、運営の慣習から自由である
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 +(7)学校は選択される学校であり、いかなる生徒も入学を規制されない
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 +(8)州は学校予算の正当な部分を生徒の学区からチャータースクールへ委譲する
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 +(9)新しい学校の設計に参加する場合、教員は恩給の権利を残したまま本務校から出校許可を受ける
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 +=チャータースクール急成長の背景=
 +(1)政治レベルの超党派的コンセンサスがあり、超党派的な支持を得た教育政策として珍しい改革案である。共和党にとってチャーター・スクールは公教育に規制緩和と競争をもたらすだけでなく、教育成果を上げて公教育の責任を果たすという公的資金を使用するというものである以上、税金の無駄遣いを減らす政策だと見なされている。これまで地元公立高校に独占され停滞してきた教育システムに競争、選択、責任を導入するきっかけとなった。つまり有権者の「学校選択」の要求に応えることができる政策であった。
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 +(2)開設・運営者にとって、チャーター・スクールは開設・運営の権利が教育委員会から現場に委譲されている。いったん発足すると学区オフィスから独立し、認可・更新する以外に干渉することはないので、生徒の父母の支持さえあればカリキュラム、教育方法、学校運営の方針について開設者は自主路線を貫くことが可能である。つまりどのような教育を実践するかについては、自分たちに任されるいわば一校だけのミニ学区
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 +(3)父母にとってもチャーター・スクールは公教育の分権化を意味する。通学路を決める権利だけでなく、公立校を開設・運営する権利が認められているからである。
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 +(4)行政にとってチャーター・スクールは公教育に私立校の長をもたらし、従来校との競争により学区全体を「競争と選択」を原動力とする一種の「教育市場」に変える。公教育内部だけで学校選択を実現させ、公教育民営化論に対する防波堤となる。また、自ら改革案を考案する必要も実施する必要もなく、革新的なアイディアを持つ人たちを募集し、その中から期待できそうな申請を選び、公立校開設のチャンスを与えればよいのである。
=参考資料= =参考資料=
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大沼裕(2003)希望としてのチャーター・スクール~学校を公設民営~ 本の泉社 大沼裕(2003)希望としてのチャーター・スクール~学校を公設民営~ 本の泉社
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目次

概要

1991年にチャータースクールという公立学校開校・運営システムがミネソタ州で制度化された。同州会議でチャータースクール法が成立し、同法に基づき全米初のチャータースクール「シティー・アカデミー」が1992年にセントポール市に開校した。チャータースクールとは、特別認可でスタートした学校のこと。地元の教育委員会に相談するなどして、当局に公立学校としての特別認可(チャーター)を申請することができ、そのチャーターが許可されれば公立学校をつくれる。他の公立校と同様に年間4000ドル~5000ドル程度の公的資金が下りてきて、そのお金で教育内容、方法もチャーターで認められた通りなら自由な手作りの学校を運営していく。その代わりに、チャーター契約の際に同意した期間内に所定の教育成果を挙げなければ閉校となる。チャータースクールとはそれ相応の結果責任を引き受ける新種の公立学校のこと。

チャータースクールの基本概念

(1)学校は複数の当事者によって組織、所有、運営される

(2)組織社はチャーターの為に二つ以上の公共機関に申請できる

(3)学校は法人格をもつ

(4)学校は公立であり、非宗教的、授業料なし、入学者を選抜しない、構成・安全に関する法に従う

(5)学校は生徒の学業成績に責任を負う。その目的を達成できなければチャーターを失う

(6)学校は制度上、運営の慣習から自由である

(7)学校は選択される学校であり、いかなる生徒も入学を規制されない

(8)州は学校予算の正当な部分を生徒の学区からチャータースクールへ委譲する

(9)新しい学校の設計に参加する場合、教員は恩給の権利を残したまま本務校から出校許可を受ける

チャータースクール急成長の背景

(1)政治レベルの超党派的コンセンサスがあり、超党派的な支持を得た教育政策として珍しい改革案である。共和党にとってチャーター・スクールは公教育に規制緩和と競争をもたらすだけでなく、教育成果を上げて公教育の責任を果たすという公的資金を使用するというものである以上、税金の無駄遣いを減らす政策だと見なされている。これまで地元公立高校に独占され停滞してきた教育システムに競争、選択、責任を導入するきっかけとなった。つまり有権者の「学校選択」の要求に応えることができる政策であった。

(2)開設・運営者にとって、チャーター・スクールは開設・運営の権利が教育委員会から現場に委譲されている。いったん発足すると学区オフィスから独立し、認可・更新する以外に干渉することはないので、生徒の父母の支持さえあればカリキュラム、教育方法、学校運営の方針について開設者は自主路線を貫くことが可能である。つまりどのような教育を実践するかについては、自分たちに任されるいわば一校だけのミニ学区

(3)父母にとってもチャーター・スクールは公教育の分権化を意味する。通学路を決める権利だけでなく、公立校を開設・運営する権利が認められているからである。

(4)行政にとってチャーター・スクールは公教育に私立校の長をもたらし、従来校との競争により学区全体を「競争と選択」を原動力とする一種の「教育市場」に変える。公教育内部だけで学校選択を実現させ、公教育民営化論に対する防波堤となる。また、自ら改革案を考案する必要も実施する必要もなく、革新的なアイディアを持つ人たちを募集し、その中から期待できそうな申請を選び、公立校開設のチャンスを与えればよいのである。

参考資料

鵜浦裕(2001)チャーター・スクール~アメリカ公教育における独立運動~ 勁草書房

大沼裕(2003)希望としてのチャーター・スクール~学校を公設民営~ 本の泉社

ハンドルネーム tari


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