ミュージック・オブ・ハート
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『ミュージック・オブ・ハート』(Music of the Heart)は、1999年公開のアメリカ映画である。実話を元にしており、メリル・ストリープが演じたロベルタ・ガスパーリも実在の人物である。主人公が荒れた小学校の臨時教師となり、音楽による子供たちとの交流を通じて互いに成長していく姿を描いた作品。 | 『ミュージック・オブ・ハート』(Music of the Heart)は、1999年公開のアメリカ映画である。実話を元にしており、メリル・ストリープが演じたロベルタ・ガスパーリも実在の人物である。主人公が荒れた小学校の臨時教師となり、音楽による子供たちとの交流を通じて互いに成長していく姿を描いた作品。 | ||
- | =ストーリー= | + | |
- | ロベルタはかつてヴァイオリンに情熱を燃やしていた主婦。軍人の夫と結婚して子供を2人もうけるが、夫は不倫をして出て行ってしまった。就職口を探していたところ、奇遇にも昔の知り合いのブライアンに出会い、彼の紹介によりニューヨークのハーレムの荒れた学校にヴァイオリンの臨時教師として就職する。 | + | == ストーリー == |
- | 当初は荒れた子供達に悪戦苦闘するものの、徐々に子供達もヴァイオリンを楽しむようになる。 | + | |
- | 演奏会を開き、結果は大成功、校長や親達から絶賛される。教育を通じロベルタも自立した強い女性へと成長する。 | + | ロベルタはかつてヴァイオリニストを目指していたが、年齢的な問題で諦めた。軍人の夫と結婚して子供を2人もうけるが、夫はロベルタの親友であった女性と不倫をして出て行ってしまった。就職口を探していたところ、奇遇にも昔の知り合いのブライアンに出会い、彼の紹介によりニューヨークのイースト・ハーレムの荒れた学校にヴァイオリンの臨時教師として就職することが決まる。当初は荒れた子供達に悪戦苦闘するものの、徐々に子供達もヴァイオリンを楽しむようになる。演奏会を開き、大成功を収め、校長や親達から絶賛される。教育を通じ、ロベルタも自立した強い女性へと成長する。 それから10年もの年月が過ぎ、ロベルタの授業は続いていたが、市の予算の都合でロベルタは解雇勧告され、クラスが閉鎖されることになった。ロベルタはを中心とし、クラスの存続に肯定的な意見をもつ親たちと協力し、チャリティーコンサートを開くことを決意。当初予定していたホールが水浸しとなり、危うく演奏会は中止になるところであったが、一流のヴァイオリニストなど様々な賛同者の協力を得てカーネギー・ホールでのコンサートを成功させる。 |
- | それから10年間、ロベルタの授業は続いていたが、市の予算の都合でロベルタは解雇勧告され、ロベルタのクラスが閉鎖されることになった。ロベルタはクラスを存続させるためチャリティーコンサートを開くことを決意。一流のヴァイオリニストなど様々な賛同者の協力を得てカーネギー・ホールでのコンサートを成功させる。 | + | |
- | -登場人物- | + | ==登場人物== |
- | ロベルタ・ガスパーリ | + | |
- | かつてヴァイオリンに情熱を注いでいた女性。その後主婦となったが夫が家を出て行き、生活費を稼ぐために小学校の音楽教師となり生徒たちにヴァイオリンを教える。小学生相手にも厳しい態度で授業に臨み、「下手な演奏だと親がゲロ吐く」など少々下品な言葉遣いを用いるなどして指導する。当初約50人の子供たちに教えていたが、好評になり10年後には同じ地区内の3つの小学校の生徒全員で150人ほどに教えるようになる。私生活では夫との離婚やニックの心の乱れなどで、自身も感情的な言動をすることがある。 | + | *ロベルタ・ガスパーリ |
- | ロベルタの主な関係者[編集] | + | :かつてヴァイオリンに情熱を注いでいた女性。その後主婦となったが夫が家を出て行き、生活費を稼ぐために小学校の音楽教師となり生徒たちにヴァイオリンを教える。小学生相手にも厳しい態度で授業に臨み、「下手な演奏だと親がゲロ吐く」など少々下品な言葉遣いを用いるなどして指導する。当初約50人の子供たちに教えていたが、好評になり10年後には同じ地区内の3つの小学校の生徒全員で150人ほどに教えるようになる。私生活では夫との離婚やニックの心の乱れなどで、自身も感情的な言動をすることがある。 |
- | ジャネット・ウィリアムズ校長 | + | *ロベルタの主な関係者[編集] |
- | 治安が悪い町の公立小学校の校長。一部で素行の悪い生徒たちがいることに頭を悩ます。ロベルタを臨時の音楽教師として採用し、その後ロベルタの良き理解者となる。 | + | *ジャネット・ウィリアムズ校長 |
- | ブライアン・ターナー | + | :治安が悪い町の公立小学校の校長。一部で素行の悪い生徒たちがいることに頭を悩ます。ロベルタを臨時の音楽教師として採用し、その後ロベルタの良き理解者となる。 |
- | ロベルタの旧友で作家。職探しをするロベルタをウィリアムズ校長に紹介する。高校の頃からロベルタに好意を寄せている。夫と別れたロベルタと親密になるが、ロベルタと恋愛観に違いが生じる。 | + | *ブライアン・ターナー |
- | ドロテア・フォン・ハフテン | + | :ロベルタの旧友で作家。職探しをするロベルタをウィリアムズ校長に紹介する。高校の頃からロベルタに好意を寄せている。夫と別れたロベルタと親密になるが、ロベルタと恋愛観に違いが生じる。 |
- | カメラマン。10年後にロベルタの活動を聞きつけて称え、音楽教育の特集でヴァイオリンの授業を取り上げる。作中では、有名ヴァイオリニストのアーノルド・スタインハートの妻という設定。 | + | *ドロテア・フォン・ハフテン |
- | ロベルタの家族[編集] | + | :カメラマン。10年後にロベルタの活動を聞きつけて称え、音楽教育の特集でヴァイオリンの授業を取り上げる。作中では、有名ヴァイオリニストのアーノルド・スタインハートの妻という設定。 |
- | ニック | + | *ロベルタの家族[編集] |
- | ロベルタの長男。素直な性格だったが両親の離婚で心を痛め、学校でケンカをしたりロベルタに反抗的な態度を取る。自分を取り戻しその後チェロを弾くようになる。 | + | *ニック |
- | レキシー | + | :ロベルタの長男。素直な性格だったが両親の離婚で心を痛め、学校でケンカをしたりロベルタに反抗的な態度を取る。自分を取り戻しその後チェロを弾くようになる。 |
- | ロベルタの次男。明るくわんぱくな性格。その後ピアノを弾くようになる。また独身のロベルタを心配して、ニックと二人で勝手にロベルタの恋人募集の広告を代筆で出してしまう。 | + | *レキシー |
- | アスンタ・ガスパーリ | + | :ロベルタの次男。明るくわんぱくな性格。その後ピアノを弾くようになる。また独身のロベルタを心配して、ニックと二人で勝手にロベルタの恋人募集の広告を代筆で出してしまう。 |
- | ロベルタの母。離婚後のロベルタの生活ぶりを心配するあまり、色々と口うるさく小言を言うためロベルタと衝突することが多い。ロベルタ母子が引っ越した後一人暮らしを経て、後にまた一緒に暮らし始める。 | + | *アスンタ・ガスパーリ |
- | アレグラ | + | :ロベルタの母。離婚後のロベルタの生活ぶりを心配するあまり、色々と口うるさく小言を言うためロベルタと衝突することが多い。ロベルタ母子が引っ越した後一人暮らしを経て、後にまた一緒に暮らし始める。 |
- | ニックとレキシーがねだって飼い始めた茶色い犬。兄弟が世話をすると約束したが、その後ロベルタやアスンタが世話をすることになる。 | + | *アレグラ |
- | ロベルタと関わる他の大人たち[編集] | + | :ニックとレキシーがねだって飼い始めた茶色い犬。兄弟が世話をすると約束したが、その後ロベルタやアスンタが世話をすることになる。 |
- | デニス・ラウシュ | + | *ロベルタと関わる他の大人たち[編集] |
- | 正規の音楽教師。治安が悪いこの地区の子供たちには集中力がなく真面目に教育しても無駄と過小評価している。デリケートさに欠け失礼なことを言う性格。 | + | *デニス・ラウシュ |
- | イザベル・ヴァスケス | + | :正規の音楽教師。治安が悪いこの地区の子供たちには集中力がなく真面目に教育しても無駄と過小評価している。デリケートさに欠け失礼なことを言う性格。 |
- | 2年生の担任教師。ロベルタに好意的に接しヴァイオリン・クラスを手伝う。後に自身の娘もロベルタのヴァイオリン・クラスの生徒となる。 | + | *イザベル・ヴァスケス |
- | ダン・パクストン | + | :2年生の担任教師。ロベルタに好意的に接しヴァイオリン・クラスを手伝う。後に自身の娘もロベルタのヴァイオリン・クラスの生徒となる。 |
- | 10年後に出演する、ロベルタの見合い相手。仕事はマスコミ科教授。ロベルタの恋人募集の広告を見て手紙を出し、その後実際に会って二人で出かける。 | + | *ダン・パクストン |
+ | :10年後に出演する、ロベルタの見合い相手。仕事はマスコミ科教授。ロベルタの恋人募集の広告を見て手紙を出し、その後実際に会って二人で出かける。 | ||
ロベルタが初めて受け持つ生徒たち[編集] | ロベルタが初めて受け持つ生徒たち[編集] | ||
- | デショーン | + | *デショーン |
- | 男がヴァイオリンを習うのはかっこ悪いと思っている。あまり積極的に練習にしないことをロベルタに注意されるたびに言い訳をする。 | + | :男がヴァイオリンを習うのはかっこ悪いと思っている。あまり積極的に練習にしないことをロベルタに注意されるたびに言い訳をする。 |
- | ナイーム | + | *ナイーム |
- | 本人はヴァイオリンの授業を楽しみにしていたが、「ヴァイオリンは、白人の音楽」と考える母から授業に出るのをとめられる。 | + | :本人はヴァイオリンの授業を楽しみにしていたが、「ヴァイオリンは、白人の音楽」と考える母から授業に出るのをとめられる。 |
- | グアダルペ | + | *グアダルペ |
- | 左足が不自由で補助器具を付けており、ヴァイオリンを弾く時はいつも座奏する。足が悪いことを理由に上手く弾けないと弱音を吐いた時にロベルタからイツァーク・パールマンを例に出して励まされる。 | + | :左足が不自由で補助器具を付けており、ヴァイオリンを弾く時はいつも座奏する。足が悪いことを理由に上手く弾けないと弱音を吐いた時にロベルタからイツァーク・パールマンを例に出して励まされる。 |
- | ルーシー | + | *ルーシー |
- | おちゃらけた性格だったが、ほどなくして祖母が亡くなったことで真面目に練習するようになる。指パッチンが得意。 | + | :おちゃらけた性格だったが、ほどなくして祖母が亡くなったことで真面目に練習するようになる。指パッチンが得意。 |
- | 10年後にロベルタが教える生徒たち[編集] | + | *10年後にロベルタが教える生徒たち[編集] |
- | ジャスティン | + | *ジャスティン |
- | ふざけるのが好きで、ヴァイオリンの授業中にラモンによくちょっかいを出してはロベルタに注意されている。 | + | :ふざけるのが好きで、ヴァイオリンの授業中にラモンによくちょっかいを出してはロベルタに注意されている。 |
- | ヴァネッサ | + | *ヴァネッサ |
- | 何度か授業に遅刻やヴァイオリン持ってくるのを忘れていたが、実は両親が離婚したため2つの家を行き来していたことが判明する。 | + | :何度か授業に遅刻やヴァイオリン持ってくるのを忘れていたが、実は両親が離婚したため2つの家を行き来していたことが判明する。 |
- | ラモン | + | *ラモン |
- | 始めた当初は音程がひどかったが練習して上達する。ジャスティンとは友達だが練習を邪魔されるのを嫌る。 | + | :始めた当初は音程がひどかったが練習して上達する。ジャスティンとは友達だが練習を邪魔されるのを嫌る。 |
- | カルロス | + | *カルロス |
- | ラモンたちとは別の小学校に通うヴァイオリンの上級クラスの生徒。ロベルタも認めるほどの技術はあるが、ヴァイオリンを持ち歩くのを恥ずかしがり授業以外では妹に持たせてる。 | + | :ラモンたちとは別の小学校に通うヴァイオリンの上級クラスの生徒。ロベルタも認めるほどの技術はあるが、ヴァイオリンを持ち歩くのを恥ずかしがり授業以外では妹に持たせてる。 |
- | レイチェル | + | *レイチェル |
- | ロベルタの自宅でヴァイオリンの個人レッスンを受ける生徒。ヴァイオリンの技術を認められジュリアード音楽院の奨学生としてロベルタから推薦を受ける。 | + | :ロベルタの自宅でヴァイオリンの個人レッスンを受ける生徒。ヴァイオリンの技術を認められジュリアード音楽院の奨学生としてロベルタから推薦を受ける。 |
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+ | ==作品解説== | ||
- | 作品解説[編集] | ||
メリル・ストリープは役作りのためにヴァイオリンの猛特訓を行い、本番もJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲などを自分で演奏している。 | メリル・ストリープは役作りのためにヴァイオリンの猛特訓を行い、本番もJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲などを自分で演奏している。 | ||
アイザック・スターン、アーノルド・スタインハート、イツァーク・パールマン、マーク・オコーナー、ジョシュア・ベルなどの著名な演奏家が本人として登場している。 | アイザック・スターン、アーノルド・スタインハート、イツァーク・パールマン、マーク・オコーナー、ジョシュア・ベルなどの著名な演奏家が本人として登場している。 | ||
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ロベルタの授業方法は鈴木鎮一が考案したスズキ・メソードに基づいており、劇中使用される練習曲はそれぞれ鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集各巻に依っている。「どんな子供でもきちんと教えれば、必ずヴァイオリンを弾けるようになる」という台詞も、鈴木鎮一の教育理念そのままである。なお、劇中本人役で登場するジョシュア・ベルは、アメリカにおけるスズキ・メソード出身者のひとり。 | ロベルタの授業方法は鈴木鎮一が考案したスズキ・メソードに基づいており、劇中使用される練習曲はそれぞれ鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集各巻に依っている。「どんな子供でもきちんと教えれば、必ずヴァイオリンを弾けるようになる」という台詞も、鈴木鎮一の教育理念そのままである。なお、劇中本人役で登場するジョシュア・ベルは、アメリカにおけるスズキ・メソード出身者のひとり。 | ||
- | 受賞・ノミネート[編集] | + | == 受賞・ノミネート == |
2000年第72回アカデミー賞 主演女優賞(メリル・ストリープ)・オリジナル歌曲賞 ノミネート | 2000年第72回アカデミー賞 主演女優賞(メリル・ストリープ)・オリジナル歌曲賞 ノミネート | ||
1999年第56回ヴェネツィア国際映画祭 特別招待作品 | 1999年第56回ヴェネツィア国際映画祭 特別招待作品 | ||
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2000年全米映画俳優組合賞 最優秀主演女優賞(メリル・ストリープ) ノミネート | 2000年全米映画俳優組合賞 最優秀主演女優賞(メリル・ストリープ) ノミネート | ||
2000年NAACPイメージ・アワード 助演女優賞受賞(アンジェラ・バセット) | 2000年NAACPイメージ・アワード 助演女優賞受賞(アンジェラ・バセット) | ||
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+ | == 参考文献 == |
2019年1月19日 (土) 03:23の版
『ミュージック・オブ・ハート』(Music of the Heart)は、1999年公開のアメリカ映画である。実話を元にしており、メリル・ストリープが演じたロベルタ・ガスパーリも実在の人物である。主人公が荒れた小学校の臨時教師となり、音楽による子供たちとの交流を通じて互いに成長していく姿を描いた作品。
目次 |
ストーリー
ロベルタはかつてヴァイオリニストを目指していたが、年齢的な問題で諦めた。軍人の夫と結婚して子供を2人もうけるが、夫はロベルタの親友であった女性と不倫をして出て行ってしまった。就職口を探していたところ、奇遇にも昔の知り合いのブライアンに出会い、彼の紹介によりニューヨークのイースト・ハーレムの荒れた学校にヴァイオリンの臨時教師として就職することが決まる。当初は荒れた子供達に悪戦苦闘するものの、徐々に子供達もヴァイオリンを楽しむようになる。演奏会を開き、大成功を収め、校長や親達から絶賛される。教育を通じ、ロベルタも自立した強い女性へと成長する。 それから10年もの年月が過ぎ、ロベルタの授業は続いていたが、市の予算の都合でロベルタは解雇勧告され、クラスが閉鎖されることになった。ロベルタはを中心とし、クラスの存続に肯定的な意見をもつ親たちと協力し、チャリティーコンサートを開くことを決意。当初予定していたホールが水浸しとなり、危うく演奏会は中止になるところであったが、一流のヴァイオリニストなど様々な賛同者の協力を得てカーネギー・ホールでのコンサートを成功させる。
登場人物
- ロベルタ・ガスパーリ
- かつてヴァイオリンに情熱を注いでいた女性。その後主婦となったが夫が家を出て行き、生活費を稼ぐために小学校の音楽教師となり生徒たちにヴァイオリンを教える。小学生相手にも厳しい態度で授業に臨み、「下手な演奏だと親がゲロ吐く」など少々下品な言葉遣いを用いるなどして指導する。当初約50人の子供たちに教えていたが、好評になり10年後には同じ地区内の3つの小学校の生徒全員で150人ほどに教えるようになる。私生活では夫との離婚やニックの心の乱れなどで、自身も感情的な言動をすることがある。
- ロベルタの主な関係者[編集]
- ジャネット・ウィリアムズ校長
- 治安が悪い町の公立小学校の校長。一部で素行の悪い生徒たちがいることに頭を悩ます。ロベルタを臨時の音楽教師として採用し、その後ロベルタの良き理解者となる。
- ブライアン・ターナー
- ロベルタの旧友で作家。職探しをするロベルタをウィリアムズ校長に紹介する。高校の頃からロベルタに好意を寄せている。夫と別れたロベルタと親密になるが、ロベルタと恋愛観に違いが生じる。
- ドロテア・フォン・ハフテン
- カメラマン。10年後にロベルタの活動を聞きつけて称え、音楽教育の特集でヴァイオリンの授業を取り上げる。作中では、有名ヴァイオリニストのアーノルド・スタインハートの妻という設定。
- ロベルタの家族[編集]
- ニック
- ロベルタの長男。素直な性格だったが両親の離婚で心を痛め、学校でケンカをしたりロベルタに反抗的な態度を取る。自分を取り戻しその後チェロを弾くようになる。
- レキシー
- ロベルタの次男。明るくわんぱくな性格。その後ピアノを弾くようになる。また独身のロベルタを心配して、ニックと二人で勝手にロベルタの恋人募集の広告を代筆で出してしまう。
- アスンタ・ガスパーリ
- ロベルタの母。離婚後のロベルタの生活ぶりを心配するあまり、色々と口うるさく小言を言うためロベルタと衝突することが多い。ロベルタ母子が引っ越した後一人暮らしを経て、後にまた一緒に暮らし始める。
- アレグラ
- ニックとレキシーがねだって飼い始めた茶色い犬。兄弟が世話をすると約束したが、その後ロベルタやアスンタが世話をすることになる。
- ロベルタと関わる他の大人たち[編集]
- デニス・ラウシュ
- 正規の音楽教師。治安が悪いこの地区の子供たちには集中力がなく真面目に教育しても無駄と過小評価している。デリケートさに欠け失礼なことを言う性格。
- イザベル・ヴァスケス
- 2年生の担任教師。ロベルタに好意的に接しヴァイオリン・クラスを手伝う。後に自身の娘もロベルタのヴァイオリン・クラスの生徒となる。
- ダン・パクストン
- 10年後に出演する、ロベルタの見合い相手。仕事はマスコミ科教授。ロベルタの恋人募集の広告を見て手紙を出し、その後実際に会って二人で出かける。
ロベルタが初めて受け持つ生徒たち[編集]
- デショーン
- 男がヴァイオリンを習うのはかっこ悪いと思っている。あまり積極的に練習にしないことをロベルタに注意されるたびに言い訳をする。
- ナイーム
- 本人はヴァイオリンの授業を楽しみにしていたが、「ヴァイオリンは、白人の音楽」と考える母から授業に出るのをとめられる。
- グアダルペ
- 左足が不自由で補助器具を付けており、ヴァイオリンを弾く時はいつも座奏する。足が悪いことを理由に上手く弾けないと弱音を吐いた時にロベルタからイツァーク・パールマンを例に出して励まされる。
- ルーシー
- おちゃらけた性格だったが、ほどなくして祖母が亡くなったことで真面目に練習するようになる。指パッチンが得意。
- 10年後にロベルタが教える生徒たち[編集]
- ジャスティン
- ふざけるのが好きで、ヴァイオリンの授業中にラモンによくちょっかいを出してはロベルタに注意されている。
- ヴァネッサ
- 何度か授業に遅刻やヴァイオリン持ってくるのを忘れていたが、実は両親が離婚したため2つの家を行き来していたことが判明する。
- ラモン
- 始めた当初は音程がひどかったが練習して上達する。ジャスティンとは友達だが練習を邪魔されるのを嫌る。
- カルロス
- ラモンたちとは別の小学校に通うヴァイオリンの上級クラスの生徒。ロベルタも認めるほどの技術はあるが、ヴァイオリンを持ち歩くのを恥ずかしがり授業以外では妹に持たせてる。
- レイチェル
- ロベルタの自宅でヴァイオリンの個人レッスンを受ける生徒。ヴァイオリンの技術を認められジュリアード音楽院の奨学生としてロベルタから推薦を受ける。
作品解説
メリル・ストリープは役作りのためにヴァイオリンの猛特訓を行い、本番もJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲などを自分で演奏している。 アイザック・スターン、アーノルド・スタインハート、イツァーク・パールマン、マーク・オコーナー、ジョシュア・ベルなどの著名な演奏家が本人として登場している。 最後の演奏シーンはカーネギー・ホールで収録された。 ロベルタの授業方法は鈴木鎮一が考案したスズキ・メソードに基づいており、劇中使用される練習曲はそれぞれ鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集各巻に依っている。「どんな子供でもきちんと教えれば、必ずヴァイオリンを弾けるようになる」という台詞も、鈴木鎮一の教育理念そのままである。なお、劇中本人役で登場するジョシュア・ベルは、アメリカにおけるスズキ・メソード出身者のひとり。
受賞・ノミネート
2000年第72回アカデミー賞 主演女優賞(メリル・ストリープ)・オリジナル歌曲賞 ノミネート 1999年第56回ヴェネツィア国際映画祭 特別招待作品 2000年第57回ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(メリル・ストリープ) ノミネート 2000年グラミー賞 最優秀主題歌賞(ミュージック・オブ・マイ・ハート) ノミネート 2000年全米映画批評家協会賞 受賞 2000年全米映画俳優組合賞 最優秀主演女優賞(メリル・ストリープ) ノミネート 2000年NAACPイメージ・アワード 助演女優賞受賞(アンジェラ・バセット)