打楽器

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2019年1月18日 (金) 17:39の版
Daijiten2014 (ノート | 投稿記録)

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打楽器とは、「打つ」、「擦る」、「振る」などの方法で音を出す楽器の総称で、各民族によって様々な楽器がある。ただし弦楽器や管楽器、鍵盤楽器に含まれる楽器は通常は打楽器から除外される。弦楽器や管楽器と比較し、原始的であることから長い歴史を持つと考えられている。楽器分類学では体鳴楽器と膜鳴楽器に分けられる。 打楽器とは、「打つ」、「擦る」、「振る」などの方法で音を出す楽器の総称で、各民族によって様々な楽器がある。ただし弦楽器や管楽器、鍵盤楽器に含まれる楽器は通常は打楽器から除外される。弦楽器や管楽器と比較し、原始的であることから長い歴史を持つと考えられている。楽器分類学では体鳴楽器と膜鳴楽器に分けられる。
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 +*人類が誕生してから最初に作り出された音楽用の道具は打楽器とされていたが、近年の発掘調査により、動物の骨で作られた筒状の楽器が発見され、形状からフルートであるとされる。
 +*「世界最古の打楽器」と⾔われるのはフレームドラムである。これはタンバリンの祖先であり、シンプルながら表現力は非常に高く、サウンドも多種多様であるが、日本ではそれほど普及はしていない。現在は、ドイツのカホンを中心としたパーカッションメーカーである「Schlagwerk(シュラグヴェルク) 」により、製造・販売されている。
 +*現在、オーケストラや吹奏楽で使用されている楽器の多くは、アフリカ大陸の少数民族が儀式などを行う際に使用してきた民族楽器に由来している。
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 += 特徴 =
 +*打楽器には明確な音高を持つものと持たないものとがある。後者はリズムで奏でるが、前者はリズムだけではなく、単音の演奏により旋律を奏でたり、和音の演奏による和声も奏でたりする。
 +*打楽器は合奏の「背骨」や「心拍」と形容され、低音楽器と緊密に連携して機能する。ジャズやその他のポピュラー音楽では、ベーシストとドラマーはリズム隊と呼ばれる。ハイドンやモーツァルトの時代以降に作曲されたフルオーケストラのためのクラシック作品の大半は、擦弦楽器・木管楽器・金管楽器に重点を置くように作られている。しかしながら、少なくとも1対のティンパニは含められていることが多い。継続的に演奏することは稀で、どちらかと言えば必要に応じて付加的なアクセントを添える役割を担う。18・19世紀には、他の小物楽器(トライアングルやシンバル)も使われたが、ここでも全体としては控え目にであった。20世紀のクラシック音楽では打楽器は、より頻繁に使用されるようになった。
 +*ありとあらゆる形の音楽で、打楽器は枢要な機能を演じている。軍隊のマーチングバンドやパイプバンドでは、バスドラムのビートが兵士を行軍させ続け一定の速度を保たせ、スネアドラムが楽隊のメロディにあのキビキビとした決然たる空気を与えている。古典的なジャズでは、「スイング」という言葉を聞けば、誰もがすぐにハイハットやライドシンバルの独特のリズムを思い浮かべる。打楽器は多種多様なので、打楽器のみで構成される大きな楽団も存在する。こうした音楽グループではリズム、メロディ、ハーモニーはいずれも鮮明で活き活きとしたものであり、その生演奏は実に壮観である。
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 +*アゴゴ Agogo
 +:大小2つのベルをつなげた楽器。ブラジル音楽のサンバなどによく使われる楽器であるが、ラテン系の音楽や吹奏楽の中でも多用されれている。倍音を含んだ甲高い音が特徴でアンサンブルの中でもよく目立つ。
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 +*アピート Apito
 +:ブラジル音楽のサンバに使われる木製のサンバホイッスル。プラスチック製や金属製のサンバホイッスルに比べると音量が小さいため、楽曲の中で使われることも少ない。
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 +*アンクルン Angklung
 +:ガムラン音楽などに使われている竹でできた楽器。たくさんの竹筒をひもに並べて吊るしているものを一人で演奏してメロディーを奏でたり、2本の竹筒を吊るしたアンクルンを一人1個、または2個ずつ持って大勢で合奏することもある。
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 +*ウインドチャイム(ツリーチャイム) Wind Chime (Tree Chime)
 +:長さの異なる金属の棒を吊り下げて並べたもので効果音的な役割を持った楽器。あらゆるシーンで多用されバラードやアコースティックの曲などでは抜群の効果をもたらす。最近、人気があるカホンのオプション楽器として使われている。
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 +*ウッドブロック Wood Block
 +:その名の通り、木の塊。仕組みは木魚と同じで木の大きさ、素材によって音色も多種多様である。クラシック音楽や打楽器アンサンブルの中でもよく使われ、この楽器を使った有名な曲にルロイ・アンダーソンのシンコペーテドクロックがある。
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 +*ウドゥドラム Udu Drum
 +:ナイジェリアのイボ族の宗教儀式で使われていた陶器型の楽器。「ウドゥ」とは素焼きという意味で、陶器の側面に穴があいている。穴のあいた部分を手のひらで押さえ込むようにして叩くと「ドゥーン」といった深みのある独特の低音が鳴るのが特徴的なエスニック的な要素たっぷりの打楽器。
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 +*エナジーチャイム Energy Chime
 +:金属の棒。グロッケンやトライアングルと同様、金属製の楽器であるが、この楽器は音に真があり、長続きするのが特徴である。とても純粋で心地良い音色なのでヒーリング系のアイテムとしても用いられることもある。
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 +*オーシャンドラム Ocean Drum
 +:波の音を再現する擬音楽器。小さいアルミボールや小豆を貼り合わせた大きさの同じ2枚のヘッド(スネアヘッド、バスドラなど)の中にいれるだけで簡単に作ることもできる。ヘッドの大きさに比例して波の音も大きくなる。
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 +*カウベル Cow Bell
 +:その名の通り、牛に付ける鐘のこと。楽器用に改良され、ラテン音楽の代表的な楽器の1つになっている。手に持って響きを調整しながらバチで叩いたり、ティンバレスやドラムのセットに組み込んで演奏されたりと幅広く使われている。
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 +*カシシ Caxixi
 +:細い木の枝で編んだ籠の中に乾燥させた種子などを入れた楽器。シェイカーのように振ることで音を出し、籠の底の素材によって音色も異なる。岐阜県にカシシを専門に製作する「エスペランサ」というカシシ工房があるが、音に対するこだわりを感じられる上、カシシの色使いがとても素敵なお店である。
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 +*カスタネット Castanet
 +:名称は栗の実を意味するスペイン語「カスターニャ」に由来する。タンバリンやトライアングルなどの小物打楽器と同様、カスタネットも教育楽器として広く用いられる。カスタネットの種類としては、小学校などの教育現場でおなじみの赤青カスタネット(ミハルス)から本格的なフラメンコカスタネットまで様々なタイプのものがある。教育用カスタネット(ミハルス)の叩き方は、カスタネットを手のひらに置くか固定させ、もう片方の手で叩き合わせるのが一般的である。フラメンコカスタネットの奏法は、左右の親指にそれぞれカスタネットのひもを固定させ、他の4本の指で打ち合わせるのが一般的であるが、音色や音量など細かいニュアンスを表現するのがとても難しい。オーケストラ、吹奏楽にも多用され、最近では叩きやすくするため「柄」がついているものやテーブルに固定されているもの、スタンドに取り付け可能なものなど様々な種類のカスタネットがある。しかし、その見た目の華やかさ、そして幅広い表現を可能にする「フラメンコ奏法」をマスターするべく、音大生やプロの打楽器奏者も夢中になって練習するほど、魅力的かつ奥深い楽器である。全国にカスタネットを広め、その魅力を知ってもらう目的で活動している「日本カスタネット協会」が、元札幌交響楽団首席ティンパニー・打楽器奏者の真貝裕司氏により設立されている。
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 +*カバサ Cabasa
 +:南米発祥の楽器。ポルトガル語で「ひょうたん」を意味する。中を空洞にしたひょうたんのまわりに溝をつけ、糸を通して巻きつけた数珠玉をこすりつけたり叩いたりすることで音を出す。耐久性や扱いやすさなどを考えて改良されたメタルカバサが多用されている。
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 +*カホン Cajon
 +:ペルー発祥の楽器。楽器を取り上げられた黒人奴隷がコンテナや引き出しの底を叩いて楽器代わりに楽しんでいたのが始まりだったとされている。一見ただの箱であるが、一台で低音から高音まで多彩な音を出せるので、ドラムセットの代用としても幅広いジャンルにおいて使われている。現在、日本でも爆発的に人気が出ている。あらゆる打楽器の中でもカホンは楽器初心者にも気軽に始められる楽器としておすすめされている。引き締まった中低音とキレのあるバズ音がバランスよくまとまって、コストパフォーマンスに優れている。
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 +*カリンバ Kalimba
 +:アフリカの親指ピアノ「ムビラ」の名前でも知られる楽器。音程の異なった細い金属板を親指ではじいて音を出す。素朴であたたかいサウンドが特徴である。エスニックショップでも安くで売られているが、楽器用として使用するにはチューニングが必要になってきている。
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 +*ガングルー Ghungroo
 +:インド製の小さな鈴。ダンサーが足に巻いて使用するのを打楽器用に応用し、カホンやジェンベなどの演奏と一緒にリズムを刻むスタイルで活躍している。
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 +*ガンザ Ganza
 +:主にブラジル音楽で使われる、いわばシェイカーの類似楽器で、空き缶に小石などを入れてふたをするだけで簡単に作ることもできる。アルミニウム製のガンザはシェイカーとしては大きな音量が出せる。
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 +*ガンバン Ganban
 +:ガンバンとはインドネシア語で「鍵盤楽器」を意味する。ジャワ、バリ島において行われる打楽器中心の大合奏楽ガムラン音楽で使われます。ガムラン音楽で使われるガンバン属の楽器は他にも金属(青銅)でできたサロン、竹でできたアンクルンなどがあり、木でできたガムラン楽器を単に「ガンバン」と呼ぶこともある。
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 +*キハーダ Quijada
 +:ロバや馬の骨でできたキューバの楽器。ヴィブラスラップの生みの親でもあるキハーダの奏法は、骨の側面を叩くと振動で歯がカタカタと揺れることで、ヴィブラスラップのような音、歯の部分を棒でこすることでギロのような音、というように2つの打楽器の音を兼ね備えている。見た目のインパクトが強い。
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 +*ギロ Giro
 +:ラテン音楽などに使われる楽器。ひょうたんの中をくり抜いて作る元来のキューバ系のギロを改良、アレンジされ木製、金属製、竹、プラスチックといった様々なギロが市販されている。
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 +*クイーカ Cuica
 +:ブラジル音楽のサンバなどに使われる楽器。太鼓の片面の皮(内側)の中央に垂直につけられた細い棒を湿った布で擦り合わせると独特な音が出る。皮を押さえることで張力が変わり変化に富んだ音を出すことができる。
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 +*クラベス Claves
 +:ラテン音楽のサルサなどの基本となるクラーべを演奏する楽器。ラテン音楽以外にもクラシック音楽、ポピュラー音楽、ジャズなど幅広く使われる。材質はローズウッドや黒檀といった硬質の木材でできており、材質が硬いほど音圧が増しクリアな音が出る。この楽器を使った打楽器アンサンブルの曲にス5組のクラベスのために作曲されたティーヴ・ライヒ「木片のための音楽」という曲がある。
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 +*グロッケンシュピール Glockenspiel
 +:金属製の音板をピアノの鍵盤状に配列した楽器で、単に「グロッケン」や「鉄琴」と呼ばれる。オーケストラでは、モーツァルトの歌劇「魔笛」のパパゲーノの鈴の音にこの楽器が用いられた後、多くの作曲家によって使われてきた。女性がアクセサリーをするように、オーケストラにおいてグロッケンが旋律の上にキラキラと装飾を施す。
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 +*口琴
 +:見た目はビールの栓抜きのようであるが、正真正銘の楽器である。
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 +*コンガ Conga
 +:キューバ発祥の楽器で、ラテンパーカッションにおいてボンゴと同じく代表的な楽器。胴の部分には木製の素材が使われており、表面にだけ皮(牛や山羊)が張られている。最近は、胴にファイバーグラス、表面にはプラスチックといった人工素材で作られたコンガも浸透してきている。奏法は多彩にあり奥深い楽器。大きさの異なる2台1組のコンガをセットにして手で叩くのが主流であるが、打楽器アンサンブルや打楽器ソロなどにおいては3台以上のセットを組み、バチを用いて演奏することもある。
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 +*コンサートチャイム Concert Chime
 +:のど自慢でおなじみ、金属管をピアノの鍵盤と同じく半音階に配列させた楽器。頭頂部をハンマーで叩いて演奏し、ダンパーペダルを踏むことで余韻の調整ができる。オーケストラでも多用され、単に「チャイム」と呼ばれることもある。
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 +*コンサートトムトム Concert Tom-tom
 +:主にクラシック音楽や打楽器ソロ・アンサンブルにおいて使用される楽器。単に「トム」や「タム」とも呼ばれる。ドラムセットのトムと比べ、構造上の差異はないが、クラシック音楽とポピュラー音楽では求められる音色が異なってくるため、別のカテゴリーに分けられて製造されている。この楽器は比較的に深胴のものがが多く、そのため余韻が長く音程感があるのが特徴である。
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 +*コンサートバスドラム(大太鼓) Concert Bass Drum
 +:吹奏楽・オーケストラでは欠くことのできない重要な役割を持った太鼓。ヘッドには、もともとスキンヘッド(牛皮)が使われていたが、スキンヘッドは湿気に敏感なためメンテナンスが難しい上に高価などの理由から、比較的に安価で湿気にあまり影響を受けないプラスチック製のヘッドが、中・高の吹奏楽部では基本装備となっている。プロの楽団においては、殆どが本皮を使用しており、その中でもレフィーマ(ドイツの打楽器メーカー)のバスドラムは絶大な信頼を置かれている。
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 +*サイレンホイッスル Siren Whistle
 +:「ヒューン」というアニメーション等効果音でおなじみの笛(打楽器に属する)。息を吹き込むと中のファンが回転してサイレンのような音が出る。トロンボーンのような動きで音程が操れるため、効果音のみならず音程楽器として用いている曲もある。
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 +*サンバホイッスル Samba whistle
 +:ブラジルの代表的な音楽、サンバで使われる笛。ブラジルでは、笛全般のことをアピートと呼び、もともと木製のものが用いられていたが、現在はプラスチック製や金属製のアピートが多用されている。木製はやわらかい音色、プラスチック製は力強く遠くまで響く。
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 +*シェイカー Shaker
 +:振って音をだす楽器のことで、同類の楽器にカシシ、マラカス、ガンザなどがある。形の種類も円柱、角柱、卵型、ペットボトル型(自家製)と多彩である。音色を左右する要素は2つ、楽器本体の材質(ウッド、メタル、プラスチックなど)と、中に入っている粒の材質である。選び方としては、粗く大きい音を求めるならサイズの大きいメタル製で中の粒も大きいもの、繊細でアンサンブルに溶け込みやすい音を求める場合はウッド製で粒が小さいものである。この楽器は、ポピュラー音楽を中心に幅広いジャンルの音楽シーンになじみやすいため、パーカッショニストにとっては必要不可欠なアイテムの1つになっている。また、音を鳴らすのが比較的簡単なので、他の楽器演奏者も気軽に振って楽しむことができる。
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 +*シェケレ Shekere
 +:アフリカに起源をもつ楽器。糸に通したビーズなどを、ひょうたんの周りに張り巡らせてある。作りはカバサと似ているが、カバサは主にこすって音を出すのに対し、シェケレは振ったり叩いたりして音を出す。
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 +*ジェンベ Djembe
 +:西アフリカ発祥の楽器。ジャンベとも呼ばれるこの太鼓は、近年、コンガやボンゴなどのポピュラーパーカッションと並んで強い存在感を見せている。 打面には主に羊の皮が使われており、基本的に素手で叩く。1本の木を切り抜いて胴を作り、ヤギの皮のロープを使って固定するトラディショナルなものから、チューニングのしやすさ、強度の面などを追求されて作られる合成素材のものまで多様化してきている。この楽器を世界に広めたジェンベの第一人者ママディ・ケイタ氏は、日本においてのジャンベ普及に大きく貢献している。
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 +*シロフォン Xylophone
 +:アフリカと東南アジアで発達した木琴の一種であり、ローズウッド(紫檀)など堅い木の音板をピアノの鍵盤と同じに配列させた鍵盤楽器。同じく木琴の種類であるマリンバに比べ、楽器自体の大きさは小さく音は明るく鋭い。音域は一般的に3オクターブ半~4オクターブ。演奏用のマレットには、木、プラスチックが適しているが、曲想によって毛巻きのマレットが使われることもある。オーケストラの曲に用いられることが多く、その中でも有名な曲にハチャトゥリヤン作曲、バレエ音楽「ガイーヌ」より“剣の舞”がある。音楽教育用の楽器としても広く使われていまる。
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 +*シンバル Cymbal
 +:シンバル群の総称であり、2枚1組で演奏する「合わせシンバル」を指すこともある。
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 +*①クラッシュ・シンバル Crash Cymbal
 +:一般的にサイズ14~19インチのシンバルでドラムセットにおいて主にアクセントをつける役割があり、曲を華やかに演出する。この楽器は、ドラムセットに左右に1枚ずつセッティングするパターンが多い。右側に置くのは、フィルインがフロアタムで終わった次にクラッシュ・シンバルを叩きたいとき近くにあると便利であるから。左側に置く理由は、スネアドラムやハイハットとの絡みの中でクラッシュ・シンバルを入れたいときに便利であるから。また、サイズやウェイトの異なるクラッシュ・シンバルを組み込むことで多彩なクラッシュ・サウンドを楽しむことができることから、3枚以上セッティングするドラマーもいる。 クラッシュ・シンバルは他の種類のシンバルにと比べても各メーカー扱うラインナップが豊富で、そのサウンドキャラクター(音色)は合金(銅、錫)の配分割合、口径、厚さなどの違いによって変わってくるので1枚1枚個性がある。
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 +*②サスペンド・シンバル Suspend Cymbal
 +:主にオーケストラや吹奏楽に使われるシンバルの一種。他の種類のシンバルより比較的に余韻が長く、倍音が多いのが特徴である。楽譜上で音の長さを指定される場合が多いクラシック音楽において、1小節間、音を持続させる場合は全音符で記譜されるが、この場合の奏法はスティックやマレットなどで一度叩いてその音を小節間じゅうぶんに伸ばす必要がある。他にも、この楽器の奏法の特徴としてトレモロ(連打)がある。特にバラードのような曲で盛り上がりの場面に合わせてトレモロ奏法を使ってクレッシェンド(だんだん強く)すると効果的である。
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 +*③スプラッシュ・シンバル Splash Cymbal
 +:一般的に6~12インチの小径シンバルのことで、ドラムセットの中ではエフェクト的な役割である。サステインが短く、歯切れのよい「パシャッ」とした音が特徴で、短いアクセントがほしいときやフィルイン時などに使用される。ドラムセットの標準的なセット内容には組み込まれていないが、手数の多いドラマーやフージョン系で使われることが多く、異なるサウンドのする複数枚を組み込むのこともある。この楽器は、他のシンバルに比べると薄く、割れやすいのでスティックで叩く際は必要以上に強く叩きすぎないなど注意が必要である。素手でも十分鳴らせるため、最近ではカホンのようなハンドパーカッションのセットに組み込まれることも多い。小出シンバルにハンド・シリーズという微かなタッチにも素早く反応するように開発されており、カホン用のシンバルとして極薄仕様なのでスティックでの演奏は控えたほうがよいものもある。
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 +*④チャイニーズ・シンバル Chinese Cymbal
 +:その名の通り、中国のシンバル。縁が反り返っているのが特徴で、倍音が多く含む個性的なサウンドは叩くだけで存在感は抜群である。メタルやハードロックにおいては、ハイハットやライド・シンバルのように連続して叩くことでリズムを刻む場合もあるが、ドラムセットの中でスプラッシュ・シンバルと同じく、エフェクト系のアイテムとして組み込まれることが多く、基本的には曲の盛り上がりを演出したいときや強烈なアクセントを必要とするときに使われる。標準サイズは16~20インチであるが、メーカーやシリーズによっては、22インチや14インチもラインナップされている。他にも、8~10インチのチャイニーズ・スプラッシュという2つの要素を含んだシンバルもあり、普通のチャイニーズ・シンバルに比べて余韻が短く軽い音である。サウンド的にもビジュアル的にもインパクトがある。
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 +*⑤ハイハット・シンバル Hight-hat Cymbal
 +:高い(hight)帽子(hat)という意味で名前がつけられた、通称「ハイハット」と呼ばれる楽器。この楽器は、ハイハットスタンドに取り付けられた13~15インチの2枚1組のシンバルを、ぺダルを踏むことで開閉することのできる画期的なアイテムである。主にドラムセットの一部として使われビートを刻んだり、叩きながら「オープン」「クローズ」させることで、シンバル同士が接触する音や余韻の調節ができる。2枚のうち上のものを「トップ」、下のものを「ボトム」といい、厚さは同じ、もしくはトップのほうがやや薄い組み合わせをする。また、上下で同じシリーズの組み合わせをするのが一般的であるが、あえて違う種類を組み合わせているドラマーも多い。また、ボトムのシンバルに丸い小さい穴が空いたものやシンバルのエッジ(端)の部分が波状になっているサウンドエッジ・ハイハットというものがある。これは、ハイハットを閉じたときに空気が逃げることで切れのよいシャープな音が出るように工夫されたものである。
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 +*⑥フィンガーシンバル Finger cymbal
 +:直径5~6センチほどの小さいシンバル。歴史は古代にさかのぼるほど古く、現在もベリーダンスなどの踊りに用いられている。親指と中指にひもを通し、カスタネットのように打ち合わせて音を出す。これと似た楽器に「マンジーラ」という楽器があるが、用途や奏法などが違っている。
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 +*⑦ライド・シンバル Ride Cymbal
 +:ドラムセットに組み込まれ、主にリズムを刻むシンバルでトップ・シンバルとも呼ばれる。サイズは18~24インチが一般的で厚さはミディアムからヘビーといった比較的厚めのものが多い。一般的にはドラムセットの右手側、クラッシュシンバルより低い位置にセッティングされるが、クラッシュシンバルの要素も兼ねて演奏するジャズドラマーも多く、その場合は右手側のシンバルは1枚である。ジャズドラムの肝「レガート」を刻むこのライド・シンバルは、ジャズドラマーが特にこだわりを持つアイテムで、叩く場所やスティックの当てる角度によって多彩な音色を引き出すことができる。
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 +*スネアドラム Snare Drum
 +:数多くの打楽器の中で代表的な楽器で、「スネアドラム」、「サイドドラム」や単に「たいこ」と呼ばれる。表側と裏側に皮が張ってあり、この楽器の最大の特徴は裏側の皮にスナッピーを接触させることで「ジャッ」という歯切れの良い音が加わるところである。ジャンルを問わず使用頻度の高い楽器なので、その分プレイヤーや各製造メーカーがこだわりを持っているアイテムでもある。シェルの素材は大きく分けて金属製シェルと木製シェルの2種類に分類される。金属製シェルには、主にスチールやブラスなどが用いられており、音抜けがよくシャープな音色が特徴であり、木製シェルには、主にメイプル、バーチ、ビーチが用いられており、あたたかみのある落ち着いたサウンドが特徴である。また、シェルの直径、深さもいくつか異なるサイズがあり、直径は14”、深さは5”~6 1/2”が主流である。胴が深いほど音の立ち上がりは遅くなり、重厚なサウンドになり、胴が浅いほど音の立ち上がりも速く、鋭い音色になる。
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 +*スライドホイッスル Slide Whistle
 +:笛の一種であるが、打楽器奏者の受け持ちになっている。管の中を柄のついた、たんぽ状のものをスライドさせることで音程を作る。ただ、楽譜上で音程を指定されることはほとんどなく、低音から高音、または高音から低音へグリッサンドして、「ヒューー」という効果音的な役割として使われることが多い。
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 +*スラップスティック(ウィップスラップ) Slap Stick (Whipslap)
 +:ムチを打つときの音を出す擬音楽器。単に「Whip(ムチ)」とも呼ばれ、2枚の長い板を勢いよく合わせて音を出す。
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 +*スリットドラム Slit Drum
 +:丸太に縦に細長い溝を作り丸太の中をくりぬいて空洞にしたもので、原理は木魚やウッドブロックと似ている楽器。アメリカ、マライ、インドネシア、アフリカなどに分布しており、用途も様々で、祭りや儀式または警報機として用いられる。木箱に複数の切れ目を入れ調律されたログドラムが楽器用として打楽器アンサンブルなどに使われている。
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 +*スルド Surdo
 +:ブラジル音楽のサンバなどによく使われる楽器。サンバにおいてテンポを刻むバスドラムのような役割である。両面に皮が張られており、胴には主に木やアルミが使われ、サイズのバリエーションも多彩である。基本的には、利き手にマレットを持ち、もう一方の手でミュートしたり、素手で叩いて演奏する。
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 +*スレイベル Sleigh Bell
 +:「そりすべり」などのクリスマスソングでもおなじみの鈴。 鈴というと日本では神楽鈴、大きなものでは神社の賽銭箱の前にある本坪鈴などがあるが、クラシック音楽でつかわれる楽器は主にスレイベルである。奏法としては、楽器自体を振ったり、叩いたり、ひねるように回したりしますが、それぞれ響き方が違うので曲の雰囲気に合わせて奏法を使い分ける。
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 +*タイゴング Thai Gong
 +:「ゴング」とは銅鑼の仲間の総称を意味し、ここでは「タイゴング」のことで、オーケストラなどで使われる中国製の「銅鑼(タムタム)」とは異なる楽器。特徴としては、表面の真ん中にコブがあり、他の銅鑼に比べ音程感があることである。ガムラン音楽では、様々なゴング属(クノン、クトック、ボナンなど)とガンバン族がリズムを刻んだり旋律を奏でたりする。
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 +*タムタム Tam-tam
 +:中国の楽器、銅鑼の一種。ガムラン音楽などで使われる「タイゴング」と違って平面で大型、また真ん中のコブがない。銅や錫などの合金で作られ、はっきりとした音程はない。基本的に、専用のマレットで叩くが、現代音楽や打楽器アンサンブルにおいてはトライアングルビーターやゴム製のマレットで擦ったり、コントラバスの弓でこすったりする特殊な奏法もある。ドラムセットのタム(トム)をタムタムと呼ぶこともあるので、区別するために単に「ドラ」と呼ばれることが多い。
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 +*タンバリン Tambourine
 +:様々な音楽で使用されるおなじみの楽器。この楽器は世界最古の打楽器といわれているフレームドラムの一種。枠の各所にジングル(小さなシンバル)がついており、手のひらや指、拳で叩く以外にも、楽器自体を振ったり指先でこすったりすることで音を鳴らす。タンバリンの種類は各製造メーカーにより、とてもたくさんのラインナップが用意されているが、その種類を2つに大きく分けると、ヘッド(皮)付きのものとヘッドなしのものに分類される。ヘッド付きは主にオーケストラや吹奏楽で用いられ、「カルメン」をはじめ多くの曲で活躍する。オーケストラに用いられたのは1787年にモーツァルトによって作曲された6つのドイツ舞曲が最初である。ポピュラー音楽では、リズムに合わせて振りながら、アクセントの必要なところで手や体や身に打ちつける奏法が主体であるため、皮のない「モンキータンバリン」が多用されている。それ以外にも多種多様な種類があるが、音色のキャラクターはジングルの素材の違いによるところが大きい。ドライで明るいサウンドが特徴のスチール、打楽器奏者に愛用者が多いジャーマンシルバー、柔らかく倍音豊かでアンサンブルに溶け込みやすいブロンズなどがある。
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 +*タンボリン Tamborim
 +:ブラジル音楽のサンバやボサノヴァなどに使われる楽器。名前が似ているタンバリンと違って枠にジングル(小さいシンバル)がなく、サイズは6インチほどである。片手でタンボリンを持ち、もう一方の手でバチで叩いて演奏するが、このとき左手でヘッドを裏から押し音程を変えたりして音にバリエーションをつける。
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 +*チャイナドラ
 +:中国の代表的な伝統演劇「京劇」で使われる小型の銅鑼。大きさは直径18~60センチほどで、タムタム(Tam Tam)に比べ音程感があり音程が一定なもの、打後音程が下がるもの、打後音程が上がるものがあり、形や大きさによって音の個性も様々である。
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 +*ティンパニ Timpani
 +:「第二の指揮者」と言われるほど、オーケストラにおいて重要な役割を持った楽器。歴史は14世紀までさかのぼり、17世紀後半にオーケストラで使われるまでは、主に儀式や軍事用に用いられることが多く、馬の背に乗せて叩いたりしたので大きさも現在のものに比べると小さい。その特徴でもある「音程のある打楽器」ティンパニは、それまでの軍事的な用途から音楽的な楽器として認められ、多くの音楽家や作曲者の要求とともに発展・改良されて現在の形に至った。ペダルでヘッドの張力を変えることで音程が瞬時に調整できるペダル式ティンパニが主流になっており、その構造は製品メーカーによって多少異なっている。釜形の胴の素材には主に銅が使われており、ヘッドには子牛の皮やプラスチック製のものが使われている。動物の皮は湿気や温度に敏感に反応するため、扱いが非常に難しい。チューニングゲージという装置が付属しているが、本皮を張っている場合、そのゲージはあくまでも目安にしかならず、より正確な音程をとるには奏者の音感が頼りになってくる。本皮のティンパニを使いこなすには、正確な音感と長年の経験が必要なため、湿気などに左右されにくいプラスチック製のヘッドが多用されている。
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 +*ティンバレス Timbales
 +:キューバ発祥のラテン楽器。大きさの異なる2つの太鼓を組み合わせたもので、それぞれ片面にだけヘッドが張ってある。奏法やリズムのバリエーションが多様で、カウベル、シンバル、ウッドブロックをセットの中に組み込んで演奏するスタイルが、ラテンプレーヤーの主流になっている。
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 +*テナードラム Tenor Drum
 +:胴の深い中型の太鼓のことで「フィールドドラム」または「中太鼓」とも呼ばれる。スネアドラムとくらべ音色が暗くて低く、スナッピーがついていないのが特徴である。クラシック音楽の楽譜上でこのテナードラムの指定がある場合でも、小太鼓やトムトムなどで代用する場合もある。19世紀初期に軍楽隊で使われるようになったこの楽器は、日本のパレードにおいても音楽隊が使用している。マーチング用のスネアドラムを使用する団体が多いが、フィールドドラムでの行進はその音や雰囲気に威厳があり、重厚な風格を感じさせる。
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 +*テンプルブロック(木魚) Templ Block
 +:丸型の木に割れ目を入れて中をくりぬいて空洞にしたもの。本来は読経のリズムをとるときに使われるものであるが、1920年代ジャズに使われて以来、オーケストラや吹奏楽でも用いられるようになった。各メーカーが楽器用として開発し、四角いものや合成樹脂製のものなどバリエーションも豊富である。大きさの違うテンプルブロック2~5個をスタンドに取り付けて演奏することが多い。テンプルブロックが活躍する吹奏楽の楽曲にジョン・バーンズ・チャンス作曲「朝鮮民謡の主題による変奏曲」がある。
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 +*トムトム Tom-tom
 +:スナッピーのついていない中型の太鼓。クラシック音楽などで使うコンサートトムトムと、ドラムセットの中のトムトムとでは構造上での差異はなく、一般的にタムタムや単にタムと呼ばれる。また、中国の楽器である銅鑼(タムタム)と区別するため、トムトムと呼ばれることもある。ドラムセットに大きさの異なるトムトムを2、3個組み込むスタイルが主流であるが、ドラマーによっては4個以上使うパターンもある。他の楽器にも共通しているが、トムトムはチューニングが大事であり、それぞれのサイズによって鳴りの良い音域がある。複数使う場合は、それを考慮したうえで、セットとしてのバランス(音程差)を整える必要がある。
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 +*トライアングル Triangle
 +:その名の通り、三角形(トライアングル)の金属楽器。オーケストラや吹奏楽において欠かすことのできない打楽器であるが、教育楽器としても幼稚園や小学校などで多用されている。この楽器は、シンバルなどと同様に、チューニングによる音の調整ができず、素材そのものが音色となるため、交響楽団は素材、サイズ、形の異なるものをいくつか所有している。プロに愛用者が多いドイツのメーカー「スタジオ49」をはじめ、教育楽器としておすすめの「ヤマハ」「ゼンオン」「スズキ」など、トライアングルを取り扱う製造メーカーは数多い。奏法については、「ビーター」と呼ばれるトライアングル専用の金属棒が用いられる。楽器は直接手に持つと響きが得られないため、ひもに通し吊るした状態にする必要があり、他の打楽器と同時に演奏する場合や持ち替えを急ぐ場合にはあらかじめスタンドなどに吊るす。非常に余韻が長いので、場面によっては手で楽器をおさえつけ、ミュート(響きをとめる奏法)をします。また、ポピュラー音楽においては、あえてミュートした状態で鳴らす「クローズ」とミュートしていない「オープン」の音を組み合わせて様々なリズム・バリエーションをつくることも多い。他にも、内角の部分を使って細かいリズムを刻んだり、トレモロをしたりと、シンプルながら奥深い楽器でもある。
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 +*ドラムセット Drumset
 +:1人の奏者が手と足を同時に使って演奏する打楽器類一式のこと。一般的なセットにはスネアドラム、バスドラム、トムトム(タム)、フロアタム、ハイハット、クラッシュ・シンバル、ライド・シンバルが組み込まれている。数ある打楽器の中で不動の人気と需要があるため、その要求に応えるべく、各製品メーカーが力を入れて開発に取り組んでいる。最近では、電子ドラムも充実してきており、その中でもローランド社は、生のドラムに近い感覚での練習を可能にし、多くのドラマーの支持を得ているメーカーである。
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 +*バスドラム Bass Drum
 +:ドラムセットにおいて重要な役割を持った欠かせない楽器。基本的にフットペダルを用いて演奏され、コンサートバスドラムと違ってスティックやマッレトで叩くことはほとんどない。サイズは18~26インチほどでジャンルによってプレイヤーの好む大きさが違ってきます(例:ジャズ⇒小さめ、ポピュラー⇒中くらい、ロック⇒大きめ)。バスドラムの中に毛布などを入れることで余韻や倍音が軽減され「ドゥン」といったタイトな音になる。これは、胴の鳴りやヘッドの振動を抑えることで、ミュートの役割を持ち、前後に当てる面積、圧力によって効果の大きさも変わってくる。2つのバスドラムをドラムセットに組み込んで使用することをツーバスといい、ツインペダルを用いることで、1つのバスドラムでもツーバスとほぼ同じ効果を得ることもできる。
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 +*パンデイロ Pandeiro
 +:ブラジル音楽のサンバには欠かせないタンバリ型の楽器。タンバリンと同じく枠にジングル(鈴)がついているが、ジングルはハイハットシンバルのように閉じ合わせるようについており、そのジングルを指で叩いたりすることでいろいろなリズムバリエーションを作ることができる。ヘッドには、主に山羊皮が使われている。
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 +*ハンドベル Hand Bell
 +:イギリスで生まれた楽器で正式には「イングリッシュ・ハンドベル」という。ベルを振ると中の振り子(クラッパー)が金属部分にあたることで音がでるようになっている。また、振り子はスプリングで調整されているため1回振る度に一度だけ音が出るように工夫されている。数人~数十人のチームで一人それぞれ2~5つの音(ベル)を受け持ち、メロディーの流れの中で自分の担当の音がきたらベルを振り鳴らす、という集中力、チームワークが重要な楽器でもある。現在では、教育楽器、リハビリに用いる楽器としても注目されている。
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 +*ビブラスラップ Vibraslap
 +:演歌や時代劇の「カ~~~~ッ」という効果音でおなじみの楽器。中が空洞になっている木の箱とおもりがLの字に折り曲げられた金属の棒でつながっている。L字型の底部を片手で持ち、もう一方の手でおもりを叩くと、木箱の中に入っている鉄片が振動し木箱の内面に接触することで音がでる構造になっている。とても特殊な音なので、楽曲中でも使われる場面は限られている。
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 +*ビブラフォン Vibraphone
 +:金属製の音板をピアノの鍵盤と同じように配列させた楽器。各音板の下には電動のファンがある共鳴管がついており、ファンを回転させることで音にヴィブラートをかけることができる。また、ダンパ-ペダルにより余韻の長さの調整もできる。元々、1921年にジャズ用として楽器メーカーのディーガン社が開発したこの楽器は、その後、クラシックやポピュラー音楽でも幅広く使われている。
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 +*フレクサトーン Flexatone
 +:アニメの効果音でおなじみの楽器。薄い金属板の両面に小さな玉がついた棒がとりつけてあり、その玉を金属板にあてることで音を出す。また、この楽器の最大の特徴は、指で金属板を曲げることで音程を変えるところである。一般的な奏法としては、片手で楽器を細かく振りながら玉を金属板にトレモロのように打ちつけながら、親指で板を押し曲げて「ヒュルルルル~ン」といったお化けの登場シーンでよく使われる音を出すことが多い。現代音楽にも幅広く使われ、興味を示す作曲家も多い。
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 +*フレームドラム Fram Drum
 +:世界で最古の打楽器といわれ、その歴史はメソポタミア文明期までさかのぼる。10インチ~22インチの円形のフレームに片面だけ皮を張られただけのシンプルな構造で、タンバリンなどもその仲間である。元来、女性神官が儀式の際に用いていたこのフレームドラムは、現在に至るまでに世界中に広く分布しており、主に民謡や踊りに用いられている。その豊かな倍音によって放たれる神秘的な音に多くの人が魅了されている。
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 +*フロアタム Floor Tom
 +:その名の通り、床に置くトムのことで主にドラムセットに組み込まれている。サイズは14~18インチのものがあり、同じ口径のサイズでも胴の深さの違いにによって音に差がある。浅胴はアタック音が強調されキレのある音、深胴は音が太く、ボリューム感が増強される。
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 +*ベルツリー Bell Tree
 +:1本の軸に大きさの異なる多数のベルを通した楽器で、ベルは27個ほどで一番大きいベルを上にしてあるものが多い。神秘的な音で効果音として使われることが多い。
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 +*ボンゴ Bongo
 +:ラテン音楽には欠かせないキューバ発祥の楽器。 大小2つの太鼓が一対になったもので上部にだけ皮(子牛、豚、羊など)が張られている。基本的な奏法としては、椅子に座った状態で足にボンゴを挟んで素手で叩くのが主流であるが、専用スタンドに取りつけてコンガと並べて叩いたりスティックで演奏したりする場合もある。スティックで叩いたときの音抜けが良く、打楽器ソロやアンサンブルの曲などに多用されている。
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 +*マラカス Maracas
 +:マラカという実を感想させると中に種子が残るため、それを振ることで出していたものが元来のマラカスのかたちである。現在、楽器用として使われるのは木製やプラスチック製のものが一般的で、振って音を出す同類の楽器にシェイカー、ガンザ、カシシなどがある。
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 +*マリンバ Marimba
 +:語源は、アフリカのバントゥー諸語の複数を示す接頭辞「マ」と「平らな物体」を意味する「リンバ」を組み合わせたものにある。木の音板をピアノの鍵盤と同様に配列させた楽器のことで、木琴の一種。原産地はアフリカであるが、黒人によってアメリカに伝わり、ジャズの発展につれ、改善されることで現在のような構造を持つようになったといわれている。各音板についている共鳴管は音板からでた音を増幅させる役割がある。同じ木琴の種類のシロフォンと違って音板は広く薄いので、音は柔らかく特に低音域は豊かな音色であたたかみがある。マリンバがもつ美しい音色に多くの人が魅せられており、マリンバ界の第一人者である安倍圭子氏をはじめ、多くのマリンバ奏者がその魅力を広めている。
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 +*ラチェット Ratchet
 +:馬車を回すことで薄い木の板がはじかれ、ガラガラと音を出す楽器。ハンドル式のものと振り回し式のものがあるが、ハンドル式のほうが扱いやすく比較的大きな音が出る。
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 +*ロートトム Rototom
 +:シェル(胴)を持たない太鼓。この楽器の特徴としては、枠を回転させることでヘッドの張力を変え、音程を瞬時に調整できるところにある。ドラムセットの中にトムと並べて使用しているドラマーもいる。
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 += 参考文献 =
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 +*パーカッションライブラリー:打楽器専門の情報サイト http://drum-percussion.info
 +*執筆協力 平子久恵/荻原松美『はじめての打楽器メンテナンスブック』監修 ヤマハ株式会社
 +*網代啓介/岡田知之著『新版 打楽器事典』音楽之友社

最新版

打楽器とは、「打つ」、「擦る」、「振る」などの方法で音を出す楽器の総称で、各民族によって様々な楽器がある。ただし弦楽器や管楽器、鍵盤楽器に含まれる楽器は通常は打楽器から除外される。弦楽器や管楽器と比較し、原始的であることから長い歴史を持つと考えられている。楽器分類学では体鳴楽器と膜鳴楽器に分けられる。

目次

 歴史 

  • 人類が誕生してから最初に作り出された音楽用の道具は打楽器とされていたが、近年の発掘調査により、動物の骨で作られた筒状の楽器が発見され、形状からフルートであるとされる。
  • 「世界最古の打楽器」と⾔われるのはフレームドラムである。これはタンバリンの祖先であり、シンプルながら表現力は非常に高く、サウンドも多種多様であるが、日本ではそれほど普及はしていない。現在は、ドイツのカホンを中心としたパーカッションメーカーである「Schlagwerk(シュラグヴェルク) 」により、製造・販売されている。
  • 現在、オーケストラや吹奏楽で使用されている楽器の多くは、アフリカ大陸の少数民族が儀式などを行う際に使用してきた民族楽器に由来している。

 特徴 

  • 打楽器には明確な音高を持つものと持たないものとがある。後者はリズムで奏でるが、前者はリズムだけではなく、単音の演奏により旋律を奏でたり、和音の演奏による和声も奏でたりする。
  • 打楽器は合奏の「背骨」や「心拍」と形容され、低音楽器と緊密に連携して機能する。ジャズやその他のポピュラー音楽では、ベーシストとドラマーはリズム隊と呼ばれる。ハイドンやモーツァルトの時代以降に作曲されたフルオーケストラのためのクラシック作品の大半は、擦弦楽器・木管楽器・金管楽器に重点を置くように作られている。しかしながら、少なくとも1対のティンパニは含められていることが多い。継続的に演奏することは稀で、どちらかと言えば必要に応じて付加的なアクセントを添える役割を担う。18・19世紀には、他の小物楽器(トライアングルやシンバル)も使われたが、ここでも全体としては控え目にであった。20世紀のクラシック音楽では打楽器は、より頻繁に使用されるようになった。
  • ありとあらゆる形の音楽で、打楽器は枢要な機能を演じている。軍隊のマーチングバンドやパイプバンドでは、バスドラムのビートが兵士を行軍させ続け一定の速度を保たせ、スネアドラムが楽隊のメロディにあのキビキビとした決然たる空気を与えている。古典的なジャズでは、「スイング」という言葉を聞けば、誰もがすぐにハイハットやライドシンバルの独特のリズムを思い浮かべる。打楽器は多種多様なので、打楽器のみで構成される大きな楽団も存在する。こうした音楽グループではリズム、メロディ、ハーモニーはいずれも鮮明で活き活きとしたものであり、その生演奏は実に壮観である。

 楽器 

  • アゴゴ Agogo
大小2つのベルをつなげた楽器。ブラジル音楽のサンバなどによく使われる楽器であるが、ラテン系の音楽や吹奏楽の中でも多用されれている。倍音を含んだ甲高い音が特徴でアンサンブルの中でもよく目立つ。
  • アピート Apito
ブラジル音楽のサンバに使われる木製のサンバホイッスル。プラスチック製や金属製のサンバホイッスルに比べると音量が小さいため、楽曲の中で使われることも少ない。
  • アンクルン Angklung
ガムラン音楽などに使われている竹でできた楽器。たくさんの竹筒をひもに並べて吊るしているものを一人で演奏してメロディーを奏でたり、2本の竹筒を吊るしたアンクルンを一人1個、または2個ずつ持って大勢で合奏することもある。
  • ウインドチャイム(ツリーチャイム) Wind Chime (Tree Chime)
長さの異なる金属の棒を吊り下げて並べたもので効果音的な役割を持った楽器。あらゆるシーンで多用されバラードやアコースティックの曲などでは抜群の効果をもたらす。最近、人気があるカホンのオプション楽器として使われている。
  • ウッドブロック Wood Block
その名の通り、木の塊。仕組みは木魚と同じで木の大きさ、素材によって音色も多種多様である。クラシック音楽や打楽器アンサンブルの中でもよく使われ、この楽器を使った有名な曲にルロイ・アンダーソンのシンコペーテドクロックがある。
  • ウドゥドラム Udu Drum
ナイジェリアのイボ族の宗教儀式で使われていた陶器型の楽器。「ウドゥ」とは素焼きという意味で、陶器の側面に穴があいている。穴のあいた部分を手のひらで押さえ込むようにして叩くと「ドゥーン」といった深みのある独特の低音が鳴るのが特徴的なエスニック的な要素たっぷりの打楽器。
  • エナジーチャイム Energy Chime
金属の棒。グロッケンやトライアングルと同様、金属製の楽器であるが、この楽器は音に真があり、長続きするのが特徴である。とても純粋で心地良い音色なのでヒーリング系のアイテムとしても用いられることもある。
  • オーシャンドラム Ocean Drum
波の音を再現する擬音楽器。小さいアルミボールや小豆を貼り合わせた大きさの同じ2枚のヘッド(スネアヘッド、バスドラなど)の中にいれるだけで簡単に作ることもできる。ヘッドの大きさに比例して波の音も大きくなる。
  • カウベル Cow Bell
その名の通り、牛に付ける鐘のこと。楽器用に改良され、ラテン音楽の代表的な楽器の1つになっている。手に持って響きを調整しながらバチで叩いたり、ティンバレスやドラムのセットに組み込んで演奏されたりと幅広く使われている。
  • カシシ Caxixi
細い木の枝で編んだ籠の中に乾燥させた種子などを入れた楽器。シェイカーのように振ることで音を出し、籠の底の素材によって音色も異なる。岐阜県にカシシを専門に製作する「エスペランサ」というカシシ工房があるが、音に対するこだわりを感じられる上、カシシの色使いがとても素敵なお店である。
  • カスタネット Castanet
名称は栗の実を意味するスペイン語「カスターニャ」に由来する。タンバリンやトライアングルなどの小物打楽器と同様、カスタネットも教育楽器として広く用いられる。カスタネットの種類としては、小学校などの教育現場でおなじみの赤青カスタネット(ミハルス)から本格的なフラメンコカスタネットまで様々なタイプのものがある。教育用カスタネット(ミハルス)の叩き方は、カスタネットを手のひらに置くか固定させ、もう片方の手で叩き合わせるのが一般的である。フラメンコカスタネットの奏法は、左右の親指にそれぞれカスタネットのひもを固定させ、他の4本の指で打ち合わせるのが一般的であるが、音色や音量など細かいニュアンスを表現するのがとても難しい。オーケストラ、吹奏楽にも多用され、最近では叩きやすくするため「柄」がついているものやテーブルに固定されているもの、スタンドに取り付け可能なものなど様々な種類のカスタネットがある。しかし、その見た目の華やかさ、そして幅広い表現を可能にする「フラメンコ奏法」をマスターするべく、音大生やプロの打楽器奏者も夢中になって練習するほど、魅力的かつ奥深い楽器である。全国にカスタネットを広め、その魅力を知ってもらう目的で活動している「日本カスタネット協会」が、元札幌交響楽団首席ティンパニー・打楽器奏者の真貝裕司氏により設立されている。
  • カバサ Cabasa
南米発祥の楽器。ポルトガル語で「ひょうたん」を意味する。中を空洞にしたひょうたんのまわりに溝をつけ、糸を通して巻きつけた数珠玉をこすりつけたり叩いたりすることで音を出す。耐久性や扱いやすさなどを考えて改良されたメタルカバサが多用されている。
  • カホン Cajon
ペルー発祥の楽器。楽器を取り上げられた黒人奴隷がコンテナや引き出しの底を叩いて楽器代わりに楽しんでいたのが始まりだったとされている。一見ただの箱であるが、一台で低音から高音まで多彩な音を出せるので、ドラムセットの代用としても幅広いジャンルにおいて使われている。現在、日本でも爆発的に人気が出ている。あらゆる打楽器の中でもカホンは楽器初心者にも気軽に始められる楽器としておすすめされている。引き締まった中低音とキレのあるバズ音がバランスよくまとまって、コストパフォーマンスに優れている。
  • カリンバ Kalimba
アフリカの親指ピアノ「ムビラ」の名前でも知られる楽器。音程の異なった細い金属板を親指ではじいて音を出す。素朴であたたかいサウンドが特徴である。エスニックショップでも安くで売られているが、楽器用として使用するにはチューニングが必要になってきている。
  • ガングルー Ghungroo
インド製の小さな鈴。ダンサーが足に巻いて使用するのを打楽器用に応用し、カホンやジェンベなどの演奏と一緒にリズムを刻むスタイルで活躍している。
  • ガンザ Ganza
主にブラジル音楽で使われる、いわばシェイカーの類似楽器で、空き缶に小石などを入れてふたをするだけで簡単に作ることもできる。アルミニウム製のガンザはシェイカーとしては大きな音量が出せる。
  • ガンバン Ganban
ガンバンとはインドネシア語で「鍵盤楽器」を意味する。ジャワ、バリ島において行われる打楽器中心の大合奏楽ガムラン音楽で使われます。ガムラン音楽で使われるガンバン属の楽器は他にも金属(青銅)でできたサロン、竹でできたアンクルンなどがあり、木でできたガムラン楽器を単に「ガンバン」と呼ぶこともある。
  • キハーダ Quijada
ロバや馬の骨でできたキューバの楽器。ヴィブラスラップの生みの親でもあるキハーダの奏法は、骨の側面を叩くと振動で歯がカタカタと揺れることで、ヴィブラスラップのような音、歯の部分を棒でこすることでギロのような音、というように2つの打楽器の音を兼ね備えている。見た目のインパクトが強い。
  • ギロ Giro
ラテン音楽などに使われる楽器。ひょうたんの中をくり抜いて作る元来のキューバ系のギロを改良、アレンジされ木製、金属製、竹、プラスチックといった様々なギロが市販されている。
  • クイーカ Cuica
ブラジル音楽のサンバなどに使われる楽器。太鼓の片面の皮(内側)の中央に垂直につけられた細い棒を湿った布で擦り合わせると独特な音が出る。皮を押さえることで張力が変わり変化に富んだ音を出すことができる。
  • クラベス Claves
ラテン音楽のサルサなどの基本となるクラーべを演奏する楽器。ラテン音楽以外にもクラシック音楽、ポピュラー音楽、ジャズなど幅広く使われる。材質はローズウッドや黒檀といった硬質の木材でできており、材質が硬いほど音圧が増しクリアな音が出る。この楽器を使った打楽器アンサンブルの曲にス5組のクラベスのために作曲されたティーヴ・ライヒ「木片のための音楽」という曲がある。
  • グロッケンシュピール Glockenspiel
金属製の音板をピアノの鍵盤状に配列した楽器で、単に「グロッケン」や「鉄琴」と呼ばれる。オーケストラでは、モーツァルトの歌劇「魔笛」のパパゲーノの鈴の音にこの楽器が用いられた後、多くの作曲家によって使われてきた。女性がアクセサリーをするように、オーケストラにおいてグロッケンが旋律の上にキラキラと装飾を施す。
  • 口琴
見た目はビールの栓抜きのようであるが、正真正銘の楽器である。
  • コンガ Conga
キューバ発祥の楽器で、ラテンパーカッションにおいてボンゴと同じく代表的な楽器。胴の部分には木製の素材が使われており、表面にだけ皮(牛や山羊)が張られている。最近は、胴にファイバーグラス、表面にはプラスチックといった人工素材で作られたコンガも浸透してきている。奏法は多彩にあり奥深い楽器。大きさの異なる2台1組のコンガをセットにして手で叩くのが主流であるが、打楽器アンサンブルや打楽器ソロなどにおいては3台以上のセットを組み、バチを用いて演奏することもある。
  • コンサートチャイム Concert Chime
のど自慢でおなじみ、金属管をピアノの鍵盤と同じく半音階に配列させた楽器。頭頂部をハンマーで叩いて演奏し、ダンパーペダルを踏むことで余韻の調整ができる。オーケストラでも多用され、単に「チャイム」と呼ばれることもある。
  • コンサートトムトム Concert Tom-tom
主にクラシック音楽や打楽器ソロ・アンサンブルにおいて使用される楽器。単に「トム」や「タム」とも呼ばれる。ドラムセットのトムと比べ、構造上の差異はないが、クラシック音楽とポピュラー音楽では求められる音色が異なってくるため、別のカテゴリーに分けられて製造されている。この楽器は比較的に深胴のものがが多く、そのため余韻が長く音程感があるのが特徴である。
  • コンサートバスドラム(大太鼓) Concert Bass Drum
吹奏楽・オーケストラでは欠くことのできない重要な役割を持った太鼓。ヘッドには、もともとスキンヘッド(牛皮)が使われていたが、スキンヘッドは湿気に敏感なためメンテナンスが難しい上に高価などの理由から、比較的に安価で湿気にあまり影響を受けないプラスチック製のヘッドが、中・高の吹奏楽部では基本装備となっている。プロの楽団においては、殆どが本皮を使用しており、その中でもレフィーマ(ドイツの打楽器メーカー)のバスドラムは絶大な信頼を置かれている。
  • サイレンホイッスル Siren Whistle
「ヒューン」というアニメーション等効果音でおなじみの笛(打楽器に属する)。息を吹き込むと中のファンが回転してサイレンのような音が出る。トロンボーンのような動きで音程が操れるため、効果音のみならず音程楽器として用いている曲もある。
  • サンバホイッスル Samba whistle
ブラジルの代表的な音楽、サンバで使われる笛。ブラジルでは、笛全般のことをアピートと呼び、もともと木製のものが用いられていたが、現在はプラスチック製や金属製のアピートが多用されている。木製はやわらかい音色、プラスチック製は力強く遠くまで響く。
  • シェイカー Shaker
振って音をだす楽器のことで、同類の楽器にカシシ、マラカス、ガンザなどがある。形の種類も円柱、角柱、卵型、ペットボトル型(自家製)と多彩である。音色を左右する要素は2つ、楽器本体の材質(ウッド、メタル、プラスチックなど)と、中に入っている粒の材質である。選び方としては、粗く大きい音を求めるならサイズの大きいメタル製で中の粒も大きいもの、繊細でアンサンブルに溶け込みやすい音を求める場合はウッド製で粒が小さいものである。この楽器は、ポピュラー音楽を中心に幅広いジャンルの音楽シーンになじみやすいため、パーカッショニストにとっては必要不可欠なアイテムの1つになっている。また、音を鳴らすのが比較的簡単なので、他の楽器演奏者も気軽に振って楽しむことができる。
  • シェケレ Shekere
アフリカに起源をもつ楽器。糸に通したビーズなどを、ひょうたんの周りに張り巡らせてある。作りはカバサと似ているが、カバサは主にこすって音を出すのに対し、シェケレは振ったり叩いたりして音を出す。
  • ジェンベ Djembe
西アフリカ発祥の楽器。ジャンベとも呼ばれるこの太鼓は、近年、コンガやボンゴなどのポピュラーパーカッションと並んで強い存在感を見せている。 打面には主に羊の皮が使われており、基本的に素手で叩く。1本の木を切り抜いて胴を作り、ヤギの皮のロープを使って固定するトラディショナルなものから、チューニングのしやすさ、強度の面などを追求されて作られる合成素材のものまで多様化してきている。この楽器を世界に広めたジェンベの第一人者ママディ・ケイタ氏は、日本においてのジャンベ普及に大きく貢献している。
  • シロフォン Xylophone
アフリカと東南アジアで発達した木琴の一種であり、ローズウッド(紫檀)など堅い木の音板をピアノの鍵盤と同じに配列させた鍵盤楽器。同じく木琴の種類であるマリンバに比べ、楽器自体の大きさは小さく音は明るく鋭い。音域は一般的に3オクターブ半~4オクターブ。演奏用のマレットには、木、プラスチックが適しているが、曲想によって毛巻きのマレットが使われることもある。オーケストラの曲に用いられることが多く、その中でも有名な曲にハチャトゥリヤン作曲、バレエ音楽「ガイーヌ」より“剣の舞”がある。音楽教育用の楽器としても広く使われていまる。
  • シンバル Cymbal
シンバル群の総称であり、2枚1組で演奏する「合わせシンバル」を指すこともある。
  • ①クラッシュ・シンバル Crash Cymbal
一般的にサイズ14~19インチのシンバルでドラムセットにおいて主にアクセントをつける役割があり、曲を華やかに演出する。この楽器は、ドラムセットに左右に1枚ずつセッティングするパターンが多い。右側に置くのは、フィルインがフロアタムで終わった次にクラッシュ・シンバルを叩きたいとき近くにあると便利であるから。左側に置く理由は、スネアドラムやハイハットとの絡みの中でクラッシュ・シンバルを入れたいときに便利であるから。また、サイズやウェイトの異なるクラッシュ・シンバルを組み込むことで多彩なクラッシュ・サウンドを楽しむことができることから、3枚以上セッティングするドラマーもいる。 クラッシュ・シンバルは他の種類のシンバルにと比べても各メーカー扱うラインナップが豊富で、そのサウンドキャラクター(音色)は合金(銅、錫)の配分割合、口径、厚さなどの違いによって変わってくるので1枚1枚個性がある。
  • ②サスペンド・シンバル Suspend Cymbal
主にオーケストラや吹奏楽に使われるシンバルの一種。他の種類のシンバルより比較的に余韻が長く、倍音が多いのが特徴である。楽譜上で音の長さを指定される場合が多いクラシック音楽において、1小節間、音を持続させる場合は全音符で記譜されるが、この場合の奏法はスティックやマレットなどで一度叩いてその音を小節間じゅうぶんに伸ばす必要がある。他にも、この楽器の奏法の特徴としてトレモロ(連打)がある。特にバラードのような曲で盛り上がりの場面に合わせてトレモロ奏法を使ってクレッシェンド(だんだん強く)すると効果的である。
  • ③スプラッシュ・シンバル Splash Cymbal
一般的に6~12インチの小径シンバルのことで、ドラムセットの中ではエフェクト的な役割である。サステインが短く、歯切れのよい「パシャッ」とした音が特徴で、短いアクセントがほしいときやフィルイン時などに使用される。ドラムセットの標準的なセット内容には組み込まれていないが、手数の多いドラマーやフージョン系で使われることが多く、異なるサウンドのする複数枚を組み込むのこともある。この楽器は、他のシンバルに比べると薄く、割れやすいのでスティックで叩く際は必要以上に強く叩きすぎないなど注意が必要である。素手でも十分鳴らせるため、最近ではカホンのようなハンドパーカッションのセットに組み込まれることも多い。小出シンバルにハンド・シリーズという微かなタッチにも素早く反応するように開発されており、カホン用のシンバルとして極薄仕様なのでスティックでの演奏は控えたほうがよいものもある。
  • ④チャイニーズ・シンバル Chinese Cymbal
その名の通り、中国のシンバル。縁が反り返っているのが特徴で、倍音が多く含む個性的なサウンドは叩くだけで存在感は抜群である。メタルやハードロックにおいては、ハイハットやライド・シンバルのように連続して叩くことでリズムを刻む場合もあるが、ドラムセットの中でスプラッシュ・シンバルと同じく、エフェクト系のアイテムとして組み込まれることが多く、基本的には曲の盛り上がりを演出したいときや強烈なアクセントを必要とするときに使われる。標準サイズは16~20インチであるが、メーカーやシリーズによっては、22インチや14インチもラインナップされている。他にも、8~10インチのチャイニーズ・スプラッシュという2つの要素を含んだシンバルもあり、普通のチャイニーズ・シンバルに比べて余韻が短く軽い音である。サウンド的にもビジュアル的にもインパクトがある。
  • ⑤ハイハット・シンバル Hight-hat Cymbal
高い(hight)帽子(hat)という意味で名前がつけられた、通称「ハイハット」と呼ばれる楽器。この楽器は、ハイハットスタンドに取り付けられた13~15インチの2枚1組のシンバルを、ぺダルを踏むことで開閉することのできる画期的なアイテムである。主にドラムセットの一部として使われビートを刻んだり、叩きながら「オープン」「クローズ」させることで、シンバル同士が接触する音や余韻の調節ができる。2枚のうち上のものを「トップ」、下のものを「ボトム」といい、厚さは同じ、もしくはトップのほうがやや薄い組み合わせをする。また、上下で同じシリーズの組み合わせをするのが一般的であるが、あえて違う種類を組み合わせているドラマーも多い。また、ボトムのシンバルに丸い小さい穴が空いたものやシンバルのエッジ(端)の部分が波状になっているサウンドエッジ・ハイハットというものがある。これは、ハイハットを閉じたときに空気が逃げることで切れのよいシャープな音が出るように工夫されたものである。
  • ⑥フィンガーシンバル Finger cymbal
直径5~6センチほどの小さいシンバル。歴史は古代にさかのぼるほど古く、現在もベリーダンスなどの踊りに用いられている。親指と中指にひもを通し、カスタネットのように打ち合わせて音を出す。これと似た楽器に「マンジーラ」という楽器があるが、用途や奏法などが違っている。
  • ⑦ライド・シンバル Ride Cymbal
ドラムセットに組み込まれ、主にリズムを刻むシンバルでトップ・シンバルとも呼ばれる。サイズは18~24インチが一般的で厚さはミディアムからヘビーといった比較的厚めのものが多い。一般的にはドラムセットの右手側、クラッシュシンバルより低い位置にセッティングされるが、クラッシュシンバルの要素も兼ねて演奏するジャズドラマーも多く、その場合は右手側のシンバルは1枚である。ジャズドラムの肝「レガート」を刻むこのライド・シンバルは、ジャズドラマーが特にこだわりを持つアイテムで、叩く場所やスティックの当てる角度によって多彩な音色を引き出すことができる。
  • スネアドラム Snare Drum
数多くの打楽器の中で代表的な楽器で、「スネアドラム」、「サイドドラム」や単に「たいこ」と呼ばれる。表側と裏側に皮が張ってあり、この楽器の最大の特徴は裏側の皮にスナッピーを接触させることで「ジャッ」という歯切れの良い音が加わるところである。ジャンルを問わず使用頻度の高い楽器なので、その分プレイヤーや各製造メーカーがこだわりを持っているアイテムでもある。シェルの素材は大きく分けて金属製シェルと木製シェルの2種類に分類される。金属製シェルには、主にスチールやブラスなどが用いられており、音抜けがよくシャープな音色が特徴であり、木製シェルには、主にメイプル、バーチ、ビーチが用いられており、あたたかみのある落ち着いたサウンドが特徴である。また、シェルの直径、深さもいくつか異なるサイズがあり、直径は14”、深さは5”~6 1/2”が主流である。胴が深いほど音の立ち上がりは遅くなり、重厚なサウンドになり、胴が浅いほど音の立ち上がりも速く、鋭い音色になる。
  • スライドホイッスル Slide Whistle
笛の一種であるが、打楽器奏者の受け持ちになっている。管の中を柄のついた、たんぽ状のものをスライドさせることで音程を作る。ただ、楽譜上で音程を指定されることはほとんどなく、低音から高音、または高音から低音へグリッサンドして、「ヒューー」という効果音的な役割として使われることが多い。
  • スラップスティック(ウィップスラップ) Slap Stick (Whipslap)
ムチを打つときの音を出す擬音楽器。単に「Whip(ムチ)」とも呼ばれ、2枚の長い板を勢いよく合わせて音を出す。
  • スリットドラム Slit Drum
丸太に縦に細長い溝を作り丸太の中をくりぬいて空洞にしたもので、原理は木魚やウッドブロックと似ている楽器。アメリカ、マライ、インドネシア、アフリカなどに分布しており、用途も様々で、祭りや儀式または警報機として用いられる。木箱に複数の切れ目を入れ調律されたログドラムが楽器用として打楽器アンサンブルなどに使われている。
  • スルド Surdo
ブラジル音楽のサンバなどによく使われる楽器。サンバにおいてテンポを刻むバスドラムのような役割である。両面に皮が張られており、胴には主に木やアルミが使われ、サイズのバリエーションも多彩である。基本的には、利き手にマレットを持ち、もう一方の手でミュートしたり、素手で叩いて演奏する。
  • スレイベル Sleigh Bell
「そりすべり」などのクリスマスソングでもおなじみの鈴。 鈴というと日本では神楽鈴、大きなものでは神社の賽銭箱の前にある本坪鈴などがあるが、クラシック音楽でつかわれる楽器は主にスレイベルである。奏法としては、楽器自体を振ったり、叩いたり、ひねるように回したりしますが、それぞれ響き方が違うので曲の雰囲気に合わせて奏法を使い分ける。
  • タイゴング Thai Gong
「ゴング」とは銅鑼の仲間の総称を意味し、ここでは「タイゴング」のことで、オーケストラなどで使われる中国製の「銅鑼(タムタム)」とは異なる楽器。特徴としては、表面の真ん中にコブがあり、他の銅鑼に比べ音程感があることである。ガムラン音楽では、様々なゴング属(クノン、クトック、ボナンなど)とガンバン族がリズムを刻んだり旋律を奏でたりする。
  • タムタム Tam-tam
中国の楽器、銅鑼の一種。ガムラン音楽などで使われる「タイゴング」と違って平面で大型、また真ん中のコブがない。銅や錫などの合金で作られ、はっきりとした音程はない。基本的に、専用のマレットで叩くが、現代音楽や打楽器アンサンブルにおいてはトライアングルビーターやゴム製のマレットで擦ったり、コントラバスの弓でこすったりする特殊な奏法もある。ドラムセットのタム(トム)をタムタムと呼ぶこともあるので、区別するために単に「ドラ」と呼ばれることが多い。
  • タンバリン Tambourine
様々な音楽で使用されるおなじみの楽器。この楽器は世界最古の打楽器といわれているフレームドラムの一種。枠の各所にジングル(小さなシンバル)がついており、手のひらや指、拳で叩く以外にも、楽器自体を振ったり指先でこすったりすることで音を鳴らす。タンバリンの種類は各製造メーカーにより、とてもたくさんのラインナップが用意されているが、その種類を2つに大きく分けると、ヘッド(皮)付きのものとヘッドなしのものに分類される。ヘッド付きは主にオーケストラや吹奏楽で用いられ、「カルメン」をはじめ多くの曲で活躍する。オーケストラに用いられたのは1787年にモーツァルトによって作曲された6つのドイツ舞曲が最初である。ポピュラー音楽では、リズムに合わせて振りながら、アクセントの必要なところで手や体や身に打ちつける奏法が主体であるため、皮のない「モンキータンバリン」が多用されている。それ以外にも多種多様な種類があるが、音色のキャラクターはジングルの素材の違いによるところが大きい。ドライで明るいサウンドが特徴のスチール、打楽器奏者に愛用者が多いジャーマンシルバー、柔らかく倍音豊かでアンサンブルに溶け込みやすいブロンズなどがある。
  • タンボリン Tamborim
ブラジル音楽のサンバやボサノヴァなどに使われる楽器。名前が似ているタンバリンと違って枠にジングル(小さいシンバル)がなく、サイズは6インチほどである。片手でタンボリンを持ち、もう一方の手でバチで叩いて演奏するが、このとき左手でヘッドを裏から押し音程を変えたりして音にバリエーションをつける。
  • チャイナドラ
中国の代表的な伝統演劇「京劇」で使われる小型の銅鑼。大きさは直径18~60センチほどで、タムタム(Tam Tam)に比べ音程感があり音程が一定なもの、打後音程が下がるもの、打後音程が上がるものがあり、形や大きさによって音の個性も様々である。
  • ティンパニ Timpani
「第二の指揮者」と言われるほど、オーケストラにおいて重要な役割を持った楽器。歴史は14世紀までさかのぼり、17世紀後半にオーケストラで使われるまでは、主に儀式や軍事用に用いられることが多く、馬の背に乗せて叩いたりしたので大きさも現在のものに比べると小さい。その特徴でもある「音程のある打楽器」ティンパニは、それまでの軍事的な用途から音楽的な楽器として認められ、多くの音楽家や作曲者の要求とともに発展・改良されて現在の形に至った。ペダルでヘッドの張力を変えることで音程が瞬時に調整できるペダル式ティンパニが主流になっており、その構造は製品メーカーによって多少異なっている。釜形の胴の素材には主に銅が使われており、ヘッドには子牛の皮やプラスチック製のものが使われている。動物の皮は湿気や温度に敏感に反応するため、扱いが非常に難しい。チューニングゲージという装置が付属しているが、本皮を張っている場合、そのゲージはあくまでも目安にしかならず、より正確な音程をとるには奏者の音感が頼りになってくる。本皮のティンパニを使いこなすには、正確な音感と長年の経験が必要なため、湿気などに左右されにくいプラスチック製のヘッドが多用されている。
  • ティンバレス Timbales
キューバ発祥のラテン楽器。大きさの異なる2つの太鼓を組み合わせたもので、それぞれ片面にだけヘッドが張ってある。奏法やリズムのバリエーションが多様で、カウベル、シンバル、ウッドブロックをセットの中に組み込んで演奏するスタイルが、ラテンプレーヤーの主流になっている。
  • テナードラム Tenor Drum
胴の深い中型の太鼓のことで「フィールドドラム」または「中太鼓」とも呼ばれる。スネアドラムとくらべ音色が暗くて低く、スナッピーがついていないのが特徴である。クラシック音楽の楽譜上でこのテナードラムの指定がある場合でも、小太鼓やトムトムなどで代用する場合もある。19世紀初期に軍楽隊で使われるようになったこの楽器は、日本のパレードにおいても音楽隊が使用している。マーチング用のスネアドラムを使用する団体が多いが、フィールドドラムでの行進はその音や雰囲気に威厳があり、重厚な風格を感じさせる。
  • テンプルブロック(木魚) Templ Block
丸型の木に割れ目を入れて中をくりぬいて空洞にしたもの。本来は読経のリズムをとるときに使われるものであるが、1920年代ジャズに使われて以来、オーケストラや吹奏楽でも用いられるようになった。各メーカーが楽器用として開発し、四角いものや合成樹脂製のものなどバリエーションも豊富である。大きさの違うテンプルブロック2~5個をスタンドに取り付けて演奏することが多い。テンプルブロックが活躍する吹奏楽の楽曲にジョン・バーンズ・チャンス作曲「朝鮮民謡の主題による変奏曲」がある。
  • トムトム Tom-tom
スナッピーのついていない中型の太鼓。クラシック音楽などで使うコンサートトムトムと、ドラムセットの中のトムトムとでは構造上での差異はなく、一般的にタムタムや単にタムと呼ばれる。また、中国の楽器である銅鑼(タムタム)と区別するため、トムトムと呼ばれることもある。ドラムセットに大きさの異なるトムトムを2、3個組み込むスタイルが主流であるが、ドラマーによっては4個以上使うパターンもある。他の楽器にも共通しているが、トムトムはチューニングが大事であり、それぞれのサイズによって鳴りの良い音域がある。複数使う場合は、それを考慮したうえで、セットとしてのバランス(音程差)を整える必要がある。
  • トライアングル Triangle
その名の通り、三角形(トライアングル)の金属楽器。オーケストラや吹奏楽において欠かすことのできない打楽器であるが、教育楽器としても幼稚園や小学校などで多用されている。この楽器は、シンバルなどと同様に、チューニングによる音の調整ができず、素材そのものが音色となるため、交響楽団は素材、サイズ、形の異なるものをいくつか所有している。プロに愛用者が多いドイツのメーカー「スタジオ49」をはじめ、教育楽器としておすすめの「ヤマハ」「ゼンオン」「スズキ」など、トライアングルを取り扱う製造メーカーは数多い。奏法については、「ビーター」と呼ばれるトライアングル専用の金属棒が用いられる。楽器は直接手に持つと響きが得られないため、ひもに通し吊るした状態にする必要があり、他の打楽器と同時に演奏する場合や持ち替えを急ぐ場合にはあらかじめスタンドなどに吊るす。非常に余韻が長いので、場面によっては手で楽器をおさえつけ、ミュート(響きをとめる奏法)をします。また、ポピュラー音楽においては、あえてミュートした状態で鳴らす「クローズ」とミュートしていない「オープン」の音を組み合わせて様々なリズム・バリエーションをつくることも多い。他にも、内角の部分を使って細かいリズムを刻んだり、トレモロをしたりと、シンプルながら奥深い楽器でもある。
  • ドラムセット Drumset
1人の奏者が手と足を同時に使って演奏する打楽器類一式のこと。一般的なセットにはスネアドラム、バスドラム、トムトム(タム)、フロアタム、ハイハット、クラッシュ・シンバル、ライド・シンバルが組み込まれている。数ある打楽器の中で不動の人気と需要があるため、その要求に応えるべく、各製品メーカーが力を入れて開発に取り組んでいる。最近では、電子ドラムも充実してきており、その中でもローランド社は、生のドラムに近い感覚での練習を可能にし、多くのドラマーの支持を得ているメーカーである。
  • バスドラム Bass Drum
ドラムセットにおいて重要な役割を持った欠かせない楽器。基本的にフットペダルを用いて演奏され、コンサートバスドラムと違ってスティックやマッレトで叩くことはほとんどない。サイズは18~26インチほどでジャンルによってプレイヤーの好む大きさが違ってきます(例:ジャズ⇒小さめ、ポピュラー⇒中くらい、ロック⇒大きめ)。バスドラムの中に毛布などを入れることで余韻や倍音が軽減され「ドゥン」といったタイトな音になる。これは、胴の鳴りやヘッドの振動を抑えることで、ミュートの役割を持ち、前後に当てる面積、圧力によって効果の大きさも変わってくる。2つのバスドラムをドラムセットに組み込んで使用することをツーバスといい、ツインペダルを用いることで、1つのバスドラムでもツーバスとほぼ同じ効果を得ることもできる。
  • パンデイロ Pandeiro
ブラジル音楽のサンバには欠かせないタンバリ型の楽器。タンバリンと同じく枠にジングル(鈴)がついているが、ジングルはハイハットシンバルのように閉じ合わせるようについており、そのジングルを指で叩いたりすることでいろいろなリズムバリエーションを作ることができる。ヘッドには、主に山羊皮が使われている。
  • ハンドベル Hand Bell
イギリスで生まれた楽器で正式には「イングリッシュ・ハンドベル」という。ベルを振ると中の振り子(クラッパー)が金属部分にあたることで音がでるようになっている。また、振り子はスプリングで調整されているため1回振る度に一度だけ音が出るように工夫されている。数人~数十人のチームで一人それぞれ2~5つの音(ベル)を受け持ち、メロディーの流れの中で自分の担当の音がきたらベルを振り鳴らす、という集中力、チームワークが重要な楽器でもある。現在では、教育楽器、リハビリに用いる楽器としても注目されている。
  • ビブラスラップ Vibraslap
演歌や時代劇の「カ~~~~ッ」という効果音でおなじみの楽器。中が空洞になっている木の箱とおもりがLの字に折り曲げられた金属の棒でつながっている。L字型の底部を片手で持ち、もう一方の手でおもりを叩くと、木箱の中に入っている鉄片が振動し木箱の内面に接触することで音がでる構造になっている。とても特殊な音なので、楽曲中でも使われる場面は限られている。
  • ビブラフォン Vibraphone
金属製の音板をピアノの鍵盤と同じように配列させた楽器。各音板の下には電動のファンがある共鳴管がついており、ファンを回転させることで音にヴィブラートをかけることができる。また、ダンパ-ペダルにより余韻の長さの調整もできる。元々、1921年にジャズ用として楽器メーカーのディーガン社が開発したこの楽器は、その後、クラシックやポピュラー音楽でも幅広く使われている。
  • フレクサトーン Flexatone
アニメの効果音でおなじみの楽器。薄い金属板の両面に小さな玉がついた棒がとりつけてあり、その玉を金属板にあてることで音を出す。また、この楽器の最大の特徴は、指で金属板を曲げることで音程を変えるところである。一般的な奏法としては、片手で楽器を細かく振りながら玉を金属板にトレモロのように打ちつけながら、親指で板を押し曲げて「ヒュルルルル~ン」といったお化けの登場シーンでよく使われる音を出すことが多い。現代音楽にも幅広く使われ、興味を示す作曲家も多い。
  • フレームドラム Fram Drum
世界で最古の打楽器といわれ、その歴史はメソポタミア文明期までさかのぼる。10インチ~22インチの円形のフレームに片面だけ皮を張られただけのシンプルな構造で、タンバリンなどもその仲間である。元来、女性神官が儀式の際に用いていたこのフレームドラムは、現在に至るまでに世界中に広く分布しており、主に民謡や踊りに用いられている。その豊かな倍音によって放たれる神秘的な音に多くの人が魅了されている。
  • フロアタム Floor Tom
その名の通り、床に置くトムのことで主にドラムセットに組み込まれている。サイズは14~18インチのものがあり、同じ口径のサイズでも胴の深さの違いにによって音に差がある。浅胴はアタック音が強調されキレのある音、深胴は音が太く、ボリューム感が増強される。
  • ベルツリー Bell Tree
1本の軸に大きさの異なる多数のベルを通した楽器で、ベルは27個ほどで一番大きいベルを上にしてあるものが多い。神秘的な音で効果音として使われることが多い。
  • ボンゴ Bongo
ラテン音楽には欠かせないキューバ発祥の楽器。 大小2つの太鼓が一対になったもので上部にだけ皮(子牛、豚、羊など)が張られている。基本的な奏法としては、椅子に座った状態で足にボンゴを挟んで素手で叩くのが主流であるが、専用スタンドに取りつけてコンガと並べて叩いたりスティックで演奏したりする場合もある。スティックで叩いたときの音抜けが良く、打楽器ソロやアンサンブルの曲などに多用されている。
  • マラカス Maracas
マラカという実を感想させると中に種子が残るため、それを振ることで出していたものが元来のマラカスのかたちである。現在、楽器用として使われるのは木製やプラスチック製のものが一般的で、振って音を出す同類の楽器にシェイカー、ガンザ、カシシなどがある。
  • マリンバ Marimba
語源は、アフリカのバントゥー諸語の複数を示す接頭辞「マ」と「平らな物体」を意味する「リンバ」を組み合わせたものにある。木の音板をピアノの鍵盤と同様に配列させた楽器のことで、木琴の一種。原産地はアフリカであるが、黒人によってアメリカに伝わり、ジャズの発展につれ、改善されることで現在のような構造を持つようになったといわれている。各音板についている共鳴管は音板からでた音を増幅させる役割がある。同じ木琴の種類のシロフォンと違って音板は広く薄いので、音は柔らかく特に低音域は豊かな音色であたたかみがある。マリンバがもつ美しい音色に多くの人が魅せられており、マリンバ界の第一人者である安倍圭子氏をはじめ、多くのマリンバ奏者がその魅力を広めている。
  • ラチェット Ratchet
馬車を回すことで薄い木の板がはじかれ、ガラガラと音を出す楽器。ハンドル式のものと振り回し式のものがあるが、ハンドル式のほうが扱いやすく比較的大きな音が出る。
  • ロートトム Rototom
シェル(胴)を持たない太鼓。この楽器の特徴としては、枠を回転させることでヘッドの張力を変え、音程を瞬時に調整できるところにある。ドラムセットの中にトムと並べて使用しているドラマーもいる。

 参考文献 

  • パーカッションライブラリー:打楽器専門の情報サイト http://drum-percussion.info
  • 執筆協力 平子久恵/荻原松美『はじめての打楽器メンテナンスブック』監修 ヤマハ株式会社
  • 網代啓介/岡田知之著『新版 打楽器事典』音楽之友社

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