経済格差3
出典: Jinkawiki
2019年1月19日 (土) 14:59の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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経済格差とは所得格差、賃金格差、資産格差などの貧富の差である。国際レベルで捉えると、富んだ国と貧しい国との格差であるともいえる。また、国内においての経済格差は、経済的な階層の差を、文化的な階層の差へと移し替える傾向がある。 | 経済格差とは所得格差、賃金格差、資産格差などの貧富の差である。国際レベルで捉えると、富んだ国と貧しい国との格差であるともいえる。また、国内においての経済格差は、経済的な階層の差を、文化的な階層の差へと移し替える傾向がある。 | ||
- | ==格差の現状== | + | ==日本の格差の現状== |
+ | 社会における所得分配の不平等の度合いを表す指標として、ジニ係数が知られている。ジニ係数の範囲は0から1で、1の近ければ近いほど不平等、すなわち格差が大きい状態であるといえる。近年、どのデータでも日本のジニ係数は上昇している。よって格差が年々大きくなってきているのである。主な原因としては、高齢化社会に伴い高齢者の所得格差の拡大が浮き彫りになってきていること、若年層の低賃金の非正規労働者が増加してきていることが挙げられる。 | ||
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+ | ==世界の経済格差== | ||
+ | 2016年のOECD(経済協力機構)によると、34の加盟国で所得格差が拡大中であると報告している。格差が縮まらない主な理由として挙げられるのは、リーマンショックである。リーマンショック後の景気の低迷で低所得者層はますます貧しくなったものの、高所得者層は反対に豊かになったことで格差が深刻化したとOECDの報告書で指摘されている。特に若年層の貧困化は深刻であり、年金制度のある65歳以上の貧困層は12%に低下したものの、人口に占める若年層の貧困層の割合は17歳以下で14%、18~25歳で14%に上昇した。(2010年) | ||
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+ | ==経済格差の解決策== | ||
+ | 主な解決策として、まず裕福な個人や大企業が租税回避のために活用しているタックスヘイブンの問題の解決が先決である。国は税収入の減少により格差問題への対処をするための財源を失っている。その問題を解決したうえで、次にあげる二つの解決策を実行していくべきだとオックスファムは提唱している。 | ||
+ | 一つ目は、貧しい生活を送る人々に大きな利益をもたらす保健や教育などの必須社会サービスを充実させることである。これは特に途上国の課題である。これに投資することにこそ税収入が向けられなければならないのである。 | ||
+ | 二つ目は、各国政府が裕福な人々だけでなく、貧しい人々にも平等にしかるべき賃金を支払われるような環境を整備することに尽力すべきだということである。最低賃金を生活賃金の水準に引き上げ、性別の違いによる賃金格差も解消していかなくてはならない。 | ||
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+ | ==参考文献== | ||
+ | ・「止まらない格差拡大:原因と対処は?」 https://m.huffingtonpost.jp | ||
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+ | ・「現代日本の地域格差」 蓮見音彦 東信堂 | ||
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目次 |
経済格差とは
経済格差とは所得格差、賃金格差、資産格差などの貧富の差である。国際レベルで捉えると、富んだ国と貧しい国との格差であるともいえる。また、国内においての経済格差は、経済的な階層の差を、文化的な階層の差へと移し替える傾向がある。
日本の格差の現状
社会における所得分配の不平等の度合いを表す指標として、ジニ係数が知られている。ジニ係数の範囲は0から1で、1の近ければ近いほど不平等、すなわち格差が大きい状態であるといえる。近年、どのデータでも日本のジニ係数は上昇している。よって格差が年々大きくなってきているのである。主な原因としては、高齢化社会に伴い高齢者の所得格差の拡大が浮き彫りになってきていること、若年層の低賃金の非正規労働者が増加してきていることが挙げられる。
世界の経済格差
2016年のOECD(経済協力機構)によると、34の加盟国で所得格差が拡大中であると報告している。格差が縮まらない主な理由として挙げられるのは、リーマンショックである。リーマンショック後の景気の低迷で低所得者層はますます貧しくなったものの、高所得者層は反対に豊かになったことで格差が深刻化したとOECDの報告書で指摘されている。特に若年層の貧困化は深刻であり、年金制度のある65歳以上の貧困層は12%に低下したものの、人口に占める若年層の貧困層の割合は17歳以下で14%、18~25歳で14%に上昇した。(2010年)
経済格差の解決策
主な解決策として、まず裕福な個人や大企業が租税回避のために活用しているタックスヘイブンの問題の解決が先決である。国は税収入の減少により格差問題への対処をするための財源を失っている。その問題を解決したうえで、次にあげる二つの解決策を実行していくべきだとオックスファムは提唱している。 一つ目は、貧しい生活を送る人々に大きな利益をもたらす保健や教育などの必須社会サービスを充実させることである。これは特に途上国の課題である。これに投資することにこそ税収入が向けられなければならないのである。 二つ目は、各国政府が裕福な人々だけでなく、貧しい人々にも平等にしかるべき賃金を支払われるような環境を整備することに尽力すべきだということである。最低賃金を生活賃金の水準に引き上げ、性別の違いによる賃金格差も解消していかなくてはならない。
参考文献
・「止まらない格差拡大:原因と対処は?」 https://m.huffingtonpost.jp
・「現代日本の地域格差」 蓮見音彦 東信堂 YS