社会契約論
出典: Jinkawiki
2019年1月18日 (金) 10:43の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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第一に、社会契約論は、社会の起源を問う思想だ。ここで「社会」とは、さしあたり人々が集まり、共同で生活する場、」「というくらいの理解でよい。私たちが暮らすこの社会は、どこから来て、どんなふうに生まれたのか。社会契約論は、それを解き明かそうとする思想である。 | 第一に、社会契約論は、社会の起源を問う思想だ。ここで「社会」とは、さしあたり人々が集まり、共同で生活する場、」「というくらいの理解でよい。私たちが暮らすこの社会は、どこから来て、どんなふうに生まれたのか。社会契約論は、それを解き明かそうとする思想である。 | ||
第二に、社会契約論は、社会が作られるために、そして維持されるために最低限必要なルールは何かを問う思想でもある。社会が社会であるためには、なにか秩序やルールのようなものが必要だ。ルールが全くなければ社会とは呼べず、人が集まっていたとしてもたまたま近くにいるだけになる。 | 第二に、社会契約論は、社会が作られるために、そして維持されるために最低限必要なルールは何かを問う思想でもある。社会が社会であるためには、なにか秩序やルールのようなものが必要だ。ルールが全くなければ社会とは呼べず、人が集まっていたとしてもたまたま近くにいるだけになる。 | ||
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フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712年~1778年)は近代哲学のなかでもホッブズやヘーゲルと並ぶ超重要人物だ。とくに本書『社会契約論』(1762年)は、哲学に大きな影響を与えただけでなく、フランス革命にも影響を与えたことからすると、近代社会の進み行き全般に影響を与えた著作だといっていいだろう。 | フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712年~1778年)は近代哲学のなかでもホッブズやヘーゲルと並ぶ超重要人物だ。とくに本書『社会契約論』(1762年)は、哲学に大きな影響を与えただけでなく、フランス革命にも影響を与えたことからすると、近代社会の進み行き全般に影響を与えた著作だといっていいだろう。 | ||
もっとも、注目される著作であるからこそ、さまざまな解釈がなされてきたことも事実だ。「民主主義思想を基礎づけた」と肯定的に評価される一方、「ファシズム・恐怖政治の出発点だ」と否定的に評価されることも多い。哲学史を見渡しても、ここまで評価が真っ二つに別れる著作はめずらしい。 | もっとも、注目される著作であるからこそ、さまざまな解釈がなされてきたことも事実だ。「民主主義思想を基礎づけた」と肯定的に評価される一方、「ファシズム・恐怖政治の出発点だ」と否定的に評価されることも多い。哲学史を見渡しても、ここまで評価が真っ二つに別れる著作はめずらしい。 | ||
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・ホッブズ | ・ホッブズ | ||
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トマス・ホッブズは1588年、イングランド南部のマームズベリという町の貧しい牧師の次男として生まれた。スペインの無敵艦隊が来るという噂に母が驚き、急に産気づいたためお産が早まったと言われる。このエピソードを、「私は恐怖とともに生まれた」と冗談めかして言っていたらしい。 | トマス・ホッブズは1588年、イングランド南部のマームズベリという町の貧しい牧師の次男として生まれた。スペインの無敵艦隊が来るという噂に母が驚き、急に産気づいたためお産が早まったと言われる。このエピソードを、「私は恐怖とともに生まれた」と冗談めかして言っていたらしい。 | ||
そんなホッブズの「万人の万人に対する闘争」という言葉からもわかるように、彼は自然状態=戦争状態であると考えた。 | そんなホッブズの「万人の万人に対する闘争」という言葉からもわかるように、彼は自然状態=戦争状態であると考えた。 |
最新版
概要
第一に、社会契約論は、社会の起源を問う思想だ。ここで「社会」とは、さしあたり人々が集まり、共同で生活する場、」「というくらいの理解でよい。私たちが暮らすこの社会は、どこから来て、どんなふうに生まれたのか。社会契約論は、それを解き明かそうとする思想である。 第二に、社会契約論は、社会が作られるために、そして維持されるために最低限必要なルールは何かを問う思想でもある。社会が社会であるためには、なにか秩序やルールのようなものが必要だ。ルールが全くなければ社会とは呼べず、人が集まっていたとしてもたまたま近くにいるだけになる。
関連人物
・ルソー
フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712年~1778年)は近代哲学のなかでもホッブズやヘーゲルと並ぶ超重要人物だ。とくに本書『社会契約論』(1762年)は、哲学に大きな影響を与えただけでなく、フランス革命にも影響を与えたことからすると、近代社会の進み行き全般に影響を与えた著作だといっていいだろう。 もっとも、注目される著作であるからこそ、さまざまな解釈がなされてきたことも事実だ。「民主主義思想を基礎づけた」と肯定的に評価される一方、「ファシズム・恐怖政治の出発点だ」と否定的に評価されることも多い。哲学史を見渡しても、ここまで評価が真っ二つに別れる著作はめずらしい。
・ホッブズ
トマス・ホッブズは1588年、イングランド南部のマームズベリという町の貧しい牧師の次男として生まれた。スペインの無敵艦隊が来るという噂に母が驚き、急に産気づいたためお産が早まったと言われる。このエピソードを、「私は恐怖とともに生まれた」と冗談めかして言っていたらしい。 そんなホッブズの「万人の万人に対する闘争」という言葉からもわかるように、彼は自然状態=戦争状態であると考えた。 自然状態とは、人々が政治共同体(社会)を形成しないときの人間の状態のことを言う。
人間は自身の生命維持のために自由にあらゆる手段を行使できる「自然権」を持っているため、このような自然状態において人々は争う状態にあると考えた。 ホッブズはこの自然状態=戦争状態を仮定することで、以下のような規範を導き出しました。 ➀ 人間はお互い生まれながらに平等とみなすべき ➁ 人間は誰でも、自らの生命を守り維持する権利を持っているとみなすべき ➂ 戦争状態はそのようなお互いの権利を破壊するから悪であるとみなすべき ➃ 平和は「共通善」。したがって、平和を目指すことは正しく、またそのための手段となることも善であり正しいとみなすべき
参考文献・引用
重田園江(2013)「社会契約論」ちくま新書
ホッブズの社会契約論。その生涯とホッブズ哲学の新しさから迫る https://www.kannso.com/entry/thomashobbes-syakaikeiyaku
ルソーとは?社会契約論とは?ビジネスにも生きる? https://brave-answer.jp/19235/