Brexit(イギリスのEU離脱)
出典: Jinkawiki
2020年1月3日 (金) 17:34の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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・国境を越えての自由な移動を可能にする。 | ・国境を越えての自由な移動を可能にする。 | ||
- | ・しかし、イギリスや北欧はユーロ通貨を使ってないなど、加盟国は政策によって参加していない部分もあるなど、EU地域内では仕組みが全て共通とは言い切れない。 | + | ・しかし、イギリスや北欧はユーロ通貨を使っていないなど、加盟国は政策によって参加していない部分もあるなど、EU地域内では仕組みが全て共通とは言い切れない。 |
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・独立国家としての歴史と伝統的な文化を持つイギリスにとって、ヨーロッパ統合による利点よりも自国の権限を守りたい。 | ・独立国家としての歴史と伝統的な文化を持つイギリスにとって、ヨーロッパ統合による利点よりも自国の権限を守りたい。 | ||
- | ・EU加盟いによるメリットを、より多く享受しているドイツへの不満がある。 | + | ・EU加盟によるメリットを、より多く享受しているドイツへの不満がある。 |
・EU加盟国間での経済格差に対して、豊かな国からお金を徴収して、貧しい国に支給しようという国家がいる一方で、イギリスはそうした是正対策に反対である。 | ・EU加盟国間での経済格差に対して、豊かな国からお金を徴収して、貧しい国に支給しようという国家がいる一方で、イギリスはそうした是正対策に反対である。 | ||
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[Brexitによる影響] | [Brexitによる影響] | ||
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+ | ・スコットランドでは、イギリス全体としてのEU残留か、あるいは離脱した場合はイギリスから独立してスコットランドとしてEUに残るという意見がある。 | ||
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+ | ・EU離脱の論争点の一つともいえる、アイルランド問題。アイルランドはEUに加盟しているため、北アイルランドも含めてイギリスがEUを離脱すると、北アイルランドとアイルランドの間に国境を敷かなければならない。国境を設けることで、検問所や警備の必要性も生じる。 | ||
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+ | ・イギリスを自由に出入りすることができなくなるため、EU加盟国に住むイギリス人のその国での定住や、反対に、EU市民のイギリスでの定住が容易ではなくなる。 | ||
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+ | ・イギリスは、移民の流入により雇用が減少することを危惧し、EUを離脱して独自の政策によって移民を制限しようとしている。 | ||
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+ | ・イギリスがEUを離脱して関税同盟から脱退すると、EU加盟国も含めた外国の企業はイギリスから撤退し、イギリスは輸出入の際に関税がかかるようになるなど打撃を受ける。イギリスにある日本企業も次々に撤退しようとしている。理由としては、イギリスで生産したものをEU域内で売る場合、今までは関税がかからなかったが、イギリスのEU離脱後は関税がかかるようになるからだ。EU加盟国だけでなく、世界全体の経済や物流に影響が出る。 | ||
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・「英国のEU離脱とEUの未来」(須網隆夫・21世紀政策研究所,2018,日本評論社) | ・「英国のEU離脱とEUの未来」(須網隆夫・21世紀政策研究所,2018,日本評論社) | ||
- | ・ | + | ・朝日新聞 2019.10.20付国際面、2019.12.26付国際面 |
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+ | ・日本経済新聞 2019.12.4付国際面、2019.12.5付国際面、2019.12.6付国際面、2019.12.10付国際面 | ||
- | ・ | + | ・「英政権、移民政策を厳格化 医療やインフラの財政拡大」(日本経済新聞電子版 2019.12.19) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53584040Z11C19A2FF1000/ |
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Brexitという造語は文字通り読めば、bretain(イギリス)がexitする(出ていく)という意味であり、つまりイギリスのEU離脱を意味している。移民問題などを契機に始まったEU離脱論争は政党の選挙とも絡んでいる。現在、離脱強行派であるポリス・ジョンソン首相率いる保守党が政権を握り、イギリスはEU離脱への方向を強めている。
[ヨーロッパ統合の歴史]
まず、戦後のヨーロッパにおいてドイツ・イタリア・フランス・ベネルクス3国の計6か国が参加するECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)が1951年のパリ条約の調印によって、1952年に発足した。次に、1957年に3月に調印したローマ条約によって、1958年1月にはEEC(ヨーロッパ経済共同体)とEuatom(ヨーロッパ原子力共同体)が発足した。その後、1967年にはECSC、EEC、Euatomが合体し、EU(ヨーロッパ連合)となった。
[EUの目的]
・第二次世界大戦後、ヨーロッパの平和を目的としてEUは作られた。
・はじめは経済的な市場の統合(通貨統一、関税同盟、単一市場など)を目的として始まるが、最終的には政治的な統合も見据えていた。
・国境を越えての自由な移動を可能にする。
・しかし、イギリスや北欧はユーロ通貨を使っていないなど、加盟国は政策によって参加していない部分もあるなど、EU地域内では仕組みが全て共通とは言い切れない。
[イギリスがEUを離脱する理由]
上記のような流れで、EUは形成され、目的を果たしてきた。しかし、イギリスはEUを離脱することで、EU加盟国としての利点を失うことになる。それでも、イギリスがEUを離脱しようとする理由について説明する。
・移民や難民を受け入れることに対して否定的なイギリスにとっては、EUの移民難民受け入れ政策に賛同し難い。
・独立国家としての歴史と伝統的な文化を持つイギリスにとって、ヨーロッパ統合による利点よりも自国の権限を守りたい。
・EU加盟によるメリットを、より多く享受しているドイツへの不満がある。
・EU加盟国間での経済格差に対して、豊かな国からお金を徴収して、貧しい国に支給しようという国家がいる一方で、イギリスはそうした是正対策に反対である。
[Brexitによる影響]
・スコットランドでは、イギリス全体としてのEU残留か、あるいは離脱した場合はイギリスから独立してスコットランドとしてEUに残るという意見がある。
・EU離脱の論争点の一つともいえる、アイルランド問題。アイルランドはEUに加盟しているため、北アイルランドも含めてイギリスがEUを離脱すると、北アイルランドとアイルランドの間に国境を敷かなければならない。国境を設けることで、検問所や警備の必要性も生じる。
・イギリスを自由に出入りすることができなくなるため、EU加盟国に住むイギリス人のその国での定住や、反対に、EU市民のイギリスでの定住が容易ではなくなる。
・イギリスは、移民の流入により雇用が減少することを危惧し、EUを離脱して独自の政策によって移民を制限しようとしている。
・イギリスがEUを離脱して関税同盟から脱退すると、EU加盟国も含めた外国の企業はイギリスから撤退し、イギリスは輸出入の際に関税がかかるようになるなど打撃を受ける。イギリスにある日本企業も次々に撤退しようとしている。理由としては、イギリスで生産したものをEU域内で売る場合、今までは関税がかからなかったが、イギリスのEU離脱後は関税がかかるようになるからだ。EU加盟国だけでなく、世界全体の経済や物流に影響が出る。
[参考文献]
・「現代ヨーロッパ経済 第5版」(田中素香・長部重康・久保広正・岩田健治,2018,有斐閣アルマ)
・「英国のEU離脱とEUの未来」(須網隆夫・21世紀政策研究所,2018,日本評論社)
・朝日新聞 2019.10.20付国際面、2019.12.26付国際面
・日本経済新聞 2019.12.4付国際面、2019.12.5付国際面、2019.12.6付国際面、2019.12.10付国際面
・「英政権、移民政策を厳格化 医療やインフラの財政拡大」(日本経済新聞電子版 2019.12.19) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53584040Z11C19A2FF1000/
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