アナーキー
出典: Jinkawiki
2020年1月13日 (月) 12:53の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
最新版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) |
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無政府状態のこと。国際政治において国よりも強い権力は存在しない。そのため、各国が自助努力によって安全を担保する必要がある。そのための手段として勢力均衡と集団安全保障がある。 | 無政府状態のこと。国際政治において国よりも強い権力は存在しない。そのため、各国が自助努力によって安全を担保する必要がある。そのための手段として勢力均衡と集団安全保障がある。 | ||
- | 勢力均衡(バランス・オブ・パワー)とは軍事力や資金力などの勢力が国家間でどのように均衡を保っているかという国際秩序維持モデルである。ひとつの国が突出して強い力を持つことがないよう他の国々も軍隊を強化したり、潜在的脅威を感じた国は独立を保持するために同盟を組んで国家間における力のバランスを保とうとすることで、他国を圧倒する勢力である覇権(ヘゲモニー)を手に入れようとする国家を抑圧する目的がある。これはもともと拮抗状態を作ることで紛争が起きる可能性を減らし、地域不安が高まらないようにする理論である。しかしその効果は安全なものではなく、ある程度の平和が維持されるだけで非常に不安定なものであった。これを実現するには国の力を定量的に測定する必要があるが、推測を基にして動くため、各国間では予防競争が起こり戦争に繋がってしまうという矛盾がある。 | + | 勢力均衡(バランス・オブ・パワー)とは、軍事力や資金力などの勢力が国家間でどのように均衡を保っているかという国際秩序維持モデルである。ひとつの国が突出して強い力を持つことがないよう他の国々も軍隊を強化したり、潜在的脅威を感じた国は独立を保持するために同盟を組んで国家間における力のバランスを保とうとすることで、他国を圧倒する勢力である覇権(ヘゲモニー)を手に入れようとする国家を抑圧する目的がある。これはもともと拮抗状態を作ることで紛争が起きる可能性を減らし、地域不安が高まらないようにする理論である。しかしその効果は安全なものではなく、ある程度の平和が維持されるだけで非常に不安定なものであった。これを実現するには国の力を定量的に測定する必要があるが、推測を基にして動くため、各国間では予防競争が起こり戦争に繋がってしまうという矛盾がある。 |
そのため、現在の国際政治において主流な秩序モデルとなっているのが集団安全保障である。集団安全保障とは世界平和維持のための国際連合の基本的な理念のこと。互いに武力行使をしないことを約束し、平和を破壊するような国には他の全ての国が協力してそれを抑圧しようとする方式である。この理念に基づく国際平和機関として国際連合が設立された。19世紀まではそれぞれの国家が戦争の自由(国家の交戦権)を当然の権利として行使してしまっていたため、勢力均衡の反省を生かし提唱された。これにより、安全保障理事会に対して国際平和に反発するような行動をした国に武力的制裁を行う権利を与えた。しかし、国連憲章において各国の個別的および集団的自衛権が認められたことで理念とは矛盾した現状が続いている。妥協的な規定があることで軍縮への努力が進まず、また、集団的自衛権の強化が行われていることが大きな問題となっている。 | そのため、現在の国際政治において主流な秩序モデルとなっているのが集団安全保障である。集団安全保障とは世界平和維持のための国際連合の基本的な理念のこと。互いに武力行使をしないことを約束し、平和を破壊するような国には他の全ての国が協力してそれを抑圧しようとする方式である。この理念に基づく国際平和機関として国際連合が設立された。19世紀まではそれぞれの国家が戦争の自由(国家の交戦権)を当然の権利として行使してしまっていたため、勢力均衡の反省を生かし提唱された。これにより、安全保障理事会に対して国際平和に反発するような行動をした国に武力的制裁を行う権利を与えた。しかし、国連憲章において各国の個別的および集団的自衛権が認められたことで理念とは矛盾した現状が続いている。妥協的な規定があることで軍縮への努力が進まず、また、集団的自衛権の強化が行われていることが大きな問題となっている。 | ||
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勢力均衡(バランスオブパワー)とは?国際政治の理論と例を考察 | 勢力均衡(バランスオブパワー)とは?国際政治の理論と例を考察 | ||
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https://world-note.com/balance-of-power/ | https://world-note.com/balance-of-power/ | ||
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集団安全保障 世界史の窓 | 集団安全保障 世界史の窓 | ||
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https://www.y-history.net/appendix/wh1601-007_1.html | https://www.y-history.net/appendix/wh1601-007_1.html | ||
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集団安全保障 コトバンク | 集団安全保障 コトバンク | ||
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【入門】たった5項目!これから国際関係論・国際政治学を学ぶ人が最低限押さえておきたいこと | 【入門】たった5項目!これから国際関係論・国際政治学を学ぶ人が最低限押さえておきたいこと | ||
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https://share-study.net/how_to_learn_international_relations_only_5_points/ | https://share-study.net/how_to_learn_international_relations_only_5_points/ |
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無政府状態のこと。国際政治において国よりも強い権力は存在しない。そのため、各国が自助努力によって安全を担保する必要がある。そのための手段として勢力均衡と集団安全保障がある。
勢力均衡(バランス・オブ・パワー)とは、軍事力や資金力などの勢力が国家間でどのように均衡を保っているかという国際秩序維持モデルである。ひとつの国が突出して強い力を持つことがないよう他の国々も軍隊を強化したり、潜在的脅威を感じた国は独立を保持するために同盟を組んで国家間における力のバランスを保とうとすることで、他国を圧倒する勢力である覇権(ヘゲモニー)を手に入れようとする国家を抑圧する目的がある。これはもともと拮抗状態を作ることで紛争が起きる可能性を減らし、地域不安が高まらないようにする理論である。しかしその効果は安全なものではなく、ある程度の平和が維持されるだけで非常に不安定なものであった。これを実現するには国の力を定量的に測定する必要があるが、推測を基にして動くため、各国間では予防競争が起こり戦争に繋がってしまうという矛盾がある。
そのため、現在の国際政治において主流な秩序モデルとなっているのが集団安全保障である。集団安全保障とは世界平和維持のための国際連合の基本的な理念のこと。互いに武力行使をしないことを約束し、平和を破壊するような国には他の全ての国が協力してそれを抑圧しようとする方式である。この理念に基づく国際平和機関として国際連合が設立された。19世紀まではそれぞれの国家が戦争の自由(国家の交戦権)を当然の権利として行使してしまっていたため、勢力均衡の反省を生かし提唱された。これにより、安全保障理事会に対して国際平和に反発するような行動をした国に武力的制裁を行う権利を与えた。しかし、国連憲章において各国の個別的および集団的自衛権が認められたことで理念とは矛盾した現状が続いている。妥協的な規定があることで軍縮への努力が進まず、また、集団的自衛権の強化が行われていることが大きな問題となっている。
【参考文献】
勢力均衡(バランスオブパワー)とは?国際政治の理論と例を考察
https://world-note.com/balance-of-power/
集団安全保障 世界史の窓
https://www.y-history.net/appendix/wh1601-007_1.html
集団安全保障 コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C-77176
【入門】たった5項目!これから国際関係論・国際政治学を学ぶ人が最低限押さえておきたいこと
https://share-study.net/how_to_learn_international_relations_only_5_points/