琵琶
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+ | 投稿者:松下 |
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琵琶はペルシア(現在のイラン、イラクを中心とした地域)で生まれた楽器である。それが日本に伝わったのは7~8世紀頃と考えられている。現在、奈良の正倉院に残されている「螺鈿紫檀五間琵琶(らでんしたんごげんびわ)」は、世界で最も古い五弦の琵琶として有名である。 当時日本には2種類の琵琶が伝えられており、中国から唐楽の楽器として伝えられていた「楽琵琶」と、インドから中国を通って九州に伝わった「盲僧琵琶(荒神琵琶)」である。楽琵琶は現在も雅楽の演奏に使われている。それに対して、盲僧琵琶は目の不自由な僧侶がお経を唱える際、その伴奏楽器として使われていた。このような人々のことを、「琵琶法師」と呼ぶ。盲僧琵琶はその後、武士階級を中心に人気のあった「薩摩琵琶」と、19世紀に入って薩摩琵琶から考案された「筑前琵琶」という2つの大きな流れとなって、現在に至っている。 琵琶の音楽は、殆どが「語り部」である。その代表的な例が「平曲」である。平曲とは、琵琶の伴奏で『平家物語』を語ったもので、楽琵琶より少し小さい四弦五柱の「平家琵琶」が使われていた。
種類
平家琵琶
楽琵琶からの派生で平家物語を語る時に用いられる。開祖は鎌倉時代の「生仏」とされ、“徒然草”によれば藤原行長の著した「平家物語」を生仏が語り出したのが始まりといわれる。
盲僧琵琶
盲目の琵琶奏者、琵琶法師が用いる。音はとても柔らかく、平安時代には経文を唱える宗教音楽としての意味合いをもっていた。平家物語や浄瑠璃など、様々な語りを持つ。
薩摩琵琶
16世紀、盲僧琵琶が薩摩で改良されたものが始まりとされている。武士の力強さを歌い上げるために作り上げられた。
筑前琵琶
明治時代、薩摩琵琶を研究して筑前盲僧琵琶を改良してつくられたもの。薩摩琵琶と比べると、歌と演奏がより一体となっており、胴・撥共が少し小柄で優しい音色を出すという特徴がある。
参考文献
高橋秀樹『日本の楽器・日本の音5 歴史』(2002)株式会社小峰書店
投稿者:松下