能
出典: Jinkawiki
2020年1月26日 (日) 16:19の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
2020年1月26日 (日) 16:29の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) 次の差分へ → |
||
9 行 | 9 行 | ||
能が上演される時、能舞台の上には大きく分けて、登場人物を演じる役「シテ方・ワキ方・狂言方」、合唱を担当する役「シテ方」、楽器を演奏する役「囃子方」が登場する。 シテ方、ワキ方、狂言方、囃子方という4つのパートの能楽師たちがそれぞれの役割を専門に演じることで1つの能が上演されている。 | 能が上演される時、能舞台の上には大きく分けて、登場人物を演じる役「シテ方・ワキ方・狂言方」、合唱を担当する役「シテ方」、楽器を演奏する役「囃子方」が登場する。 シテ方、ワキ方、狂言方、囃子方という4つのパートの能楽師たちがそれぞれの役割を専門に演じることで1つの能が上演されている。 | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
'''シテ方''' | '''シテ方''' | ||
16 行 | 18 行 | ||
''シテ'' 主役。1つの役に1役だけである。「演技をする人」「役者」という意味がある。 | ''シテ'' 主役。1つの役に1役だけである。「演技をする人」「役者」という意味がある。 | ||
- | ''ツレ'' 主にシテの同伴者であるが、重要な | + | ''ツレ'' 主にシテの同伴者であるが、重要な役の場合には特別にシテと同格扱いをされ、「両シテ」とされることもある。 |
+ | |||
+ | ''子方'' 子役。必ずしも子供の役だけではなく、本来は大人である役割を演じたりする能独特の演目もある。 | ||
+ | |||
+ | ''地謡'' 情景描写をしたり、登場人物の新庄を代弁する役。6~10人編成で後列中央に座る「地頭」がリードする。 | ||
+ | |||
+ | ''後見'' 演能中に舞台後方に座り、不測の事態に備えて舞台進行を見守る役。シテの装束を整えたり、時にはシテの代役も務める。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | '''ワキ方''' | ||
+ | |||
+ | 主役を演じるシテの相手役のこと。絶対に面を着用しない。宝生派、福王派、高安派の3流派がある。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ---- |
2020年1月26日 (日) 16:29の版
能は、仮面をつけて演じる日本独特の歌舞劇である。ゆったりとした音楽とせりふ、極端に少ない動作が特徴である。
ルーツ
能の始まりは奈良時代に中国から伝わった「散楽」であったと言われている。散楽は歌や踊り、曲芸、手品などの娯楽で、平安から鎌倉時代にかけては物まねを中心とした「猿楽」に発展した。能は室町時代に活躍した観阿弥・世阿弥によって猿楽から生み出された。彼らは当時の流行であった「曲舞(くせまい)」などの音楽的要素を猿楽に取り入れ、歌と舞による仮面劇として完成させた。後に世阿弥は、『風姿花伝』という著書の中で「能とは幽玄であるべきだ」と述べている。
演者
能が上演される時、能舞台の上には大きく分けて、登場人物を演じる役「シテ方・ワキ方・狂言方」、合唱を担当する役「シテ方」、楽器を演奏する役「囃子方」が登場する。 シテ方、ワキ方、狂言方、囃子方という4つのパートの能楽師たちがそれぞれの役割を専門に演じることで1つの能が上演されている。
シテ方
シテ方には5つの役割があり、その中の1つを専門に受け持つのではなく、それぞれの役割をその都度分担していく。
シテ 主役。1つの役に1役だけである。「演技をする人」「役者」という意味がある。
ツレ 主にシテの同伴者であるが、重要な役の場合には特別にシテと同格扱いをされ、「両シテ」とされることもある。
子方 子役。必ずしも子供の役だけではなく、本来は大人である役割を演じたりする能独特の演目もある。
地謡 情景描写をしたり、登場人物の新庄を代弁する役。6~10人編成で後列中央に座る「地頭」がリードする。
後見 演能中に舞台後方に座り、不測の事態に備えて舞台進行を見守る役。シテの装束を整えたり、時にはシテの代役も務める。
ワキ方
主役を演じるシテの相手役のこと。絶対に面を着用しない。宝生派、福王派、高安派の3流派がある。